東京地方裁判所 昭和42年(刑わ)1177号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔判決理由〕次に、被告人が八重子の足部を蹴とばしたとの点については、証人<省略>の供述によると、同女が被告人のわきを通りかかつた際、被告人がいきなりテーブルのかげから横に足をつき出し、その足が同女の右足にあつたことが認められる(この点についても、同女が全く架空の事実を述べているとは認めがたい。)が、その行為は、それ自体、同女に肉体的苦痛を与えるような性質のものではなかつたことがうかがわれる。また、その行為がどのような状況のもとに行なわれたか(とくに判示の暴行と一体のものとして評価すべき状況のもとに行なわれたかどうか。)、等について、同女の供述はきわめてあいまいで、混乱もあり、十分な心証を得ることができない。したがつて、右の行動は、酔客にありがちな悪戯とみる余地も大きく、これが刑法上の暴行にあたると確定することは困難である。そこで、右の点は、「罪となるべき事実」として認定しなかつた。(吉丸 真)