大判例

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東京地方裁判所 昭和43年(ワ)13031号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕二、過失相殺

ところで本件無償同乗事故については、亡一正をめぐつて事故発生にいたるまでに左のような事情があり、危険の素因ならびに、倫理的素因として、遺族である原告の賠償請求権につき、二〇%の過失相殺を適用するのが相当である。

すなわち当日亡一正は放課後午後一一時頃まで級友と麻雀にふけり、その後同じ麻雀店にいあわせた、高校以来大学も同科の一年後輩で親しくしていた被告と他二名を誘いあわせ被告運転の本件事故車に乗つて、スナックバー、おにぎりやなどをまわつて零時すぎまで酒食を重ねたのち、帰宅すべく同乗中、本件事故にあつたものである。そして被告は亡一正らのすすめのままに当初ジンリッキーコップ半分日本酒ちよこに二、三杯程度を受けたが、その後は皆の酒食の終るのを待ち、先輩同級の友人らとの深夜の遊興の果の疲労とうわつちようしから制限時速四〇キロをこえる五、六〇キロのまま歩車道の区別のない本件道路を疾走してきたため、たまたま現場につみあげてあつた道路工事用の砂利などの障害物発見が遅れ、急激な回避措置をやむなくされたため本件事故発生をみるにいたつたものである。

従つて先輩として後輩である被告の運転に同乗して深夜遊興を重ねていた点、疲労とうわつ調子の制限時速をこえる被告の運転にあえて身を委ねていた点、亡一正について損害発生の潜在的要因を問われてよく、また全額請求が公平を失するものといえる。(舟本信光)

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