大判例

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東京地方裁判所 昭和43年(ワ)3818号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕ところで、土地の賃借人が賃借土地上に所有する建物を他に譲渡したときは、特段の事情がない限り、それに伴い、借地権を譲渡ないし転貸したものと解すべきことは原告らの主張するとおりである。しかし、右認定のとおり、建物の譲渡が担保の目的で、いわゆる譲渡担保としてなされた場合は、目的物件たる建物の担保価値を確保するためになされるもので、目的物件の所有権もその目的の範囲内で制約を受けるに過ぎず、被担保債権の回収の目的で換価処分されるまでは、当事者間においては、目的物件の所有権は確定的に移転するものではないと解される。従つて、その敷地である土地の利用関係としての賃借権についても、目的建物の所有権が確定的に移転するまでは何ら変動を生ずるものではなく、賃借権の譲渡ないしは転貸を生ずるものとはいえない。してみると、原告の無断転貸を理由とする解除の主張は理由がない。

原告は、賃借地上の建物を譲渡担保として所有権を移転することが、民法六一二条所定の解除原因としての無断転貸に当らないとしても、賃貸借契約において禁止した転貸に当る旨主張する。しかし、右無断転貸をしないことの条件を付したとの点は、被告の争つているところ、これを認めるに足りる何らの証拠がないばかりでなく、特段の事情がない限り、無断転貸禁止の約定は、通常民法六一二条所定の条項と同一の趣旨を確認的に定めているものと解されるから、主張のような条件が付せられていたとしても、既に判示したところと異なるところはない。(川上正俊)

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