東京地方裁判所 昭和43年(借チ)1005号 決定
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〔決定理由〕一 申立人は相手方からその所有にかかる墨田区菊川二丁目一番の三宅地109.38平方米(本件借地という)昭和二三年一〇月、木造建物所有の目的で賃借りし、その地上に家屋番号一番一三木造板葺平家建居宅兼店舗一棟床面積38.84平方米(本件建物という)を建築所有し、右店舗部分を他に賃貸し、居宅部分に居住しているのであるが、居宅が狭溢であるため、本件建物の居宅部分に接して木造二階建居宅床面積一、二階とも24.79平方米を増築する計画(本件増改築という)をたて、相手方の承諾を求めたところ、これを拒絶されたので本申立に及んだものである。
二 本件資料によれば、右の事実のほか、次の事実を認めることができる。
1 本件借地契約において期間の定めの有無について争いがあるが、期間の定めがあつたことについて証明がないので、期間の定めのない賃貸借契約と認める。
2 本件建物はかなり老朽化しているが、まだ朽廃の時期を問題とする程度に達しているとは認められない。また、仮りに借地期間が相手方手張のとおり二〇年と定められていたとして、本年一〇月頃期間満了となるとしても、相手方に更新を拒絶する正当の事由があることをうかがわせる事情は一つも示されていない。
3 本件増改築には、法令及び周囲の状況からみて不当とめ認る点はみあらない。
4 申立人は本件借地契約にあたり、相手方に対して3.3平方米あたり約三、二〇〇円の金銭を支払つている。
三 以上により、本件増改築は許可するのを相当と認める。そこで次に、附随の処分について検討する。
1 鑑定委員会は、本件土地の更地価格を3.3平方米あたり三三万円、借地権価格をその七割と評価し、かつ、本件増改築の実施により存続期間は二〇年延長(本件借地期間の残存期間が一〇年あるから、その終期からみれば一〇年延長)となるとの前提のもとで、所謂更新料として借地権価格の一〇%の約半額にあたる金三八万円を申立人から相手方に給付すべき金額とし、地代については近隣の地代を考慮し、3.3平方米あたり一月一二〇円を相当としている。
2 当裁判所は、前示諸事情を考慮し、借地期間に関する紛争を予防するため、本件借地期間を昭和六三年一〇月末日まで延長することとし、かつ、申立人に支払うべき金銭の額を鑑定委員会の意見による更地価格の約二%にあたる金二二万円をもつて相当と認める。
なお、地代については鑑定委員会の意見に従うこととする。(西村宏一)