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東京地方裁判所 昭和43年(借チ)1036号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

三、次に附随の処分について検討する。

資料によつて認められる事実およびこれに基づく当裁判所の判断は次のとおりである。

1 本件賃貸借の期間は昭和五四年一〇月三一日までであるが、本件改築の時からほぼ二〇年の期間となるように、従来の期間を一〇年延長して昭和六四年一〇月三一日までとすることとする。

2 本件の借地権設定の際および前述の更新の際権利金、更新料の支払はないが、昭和三六年に一部を別契約とし、地上建物を改築した際三〇万円の支払がなされている。賃料は昭和二二年五月当時一カ月四、九〇〇円(ただし、この当時は二八〇坪)であつたが、その後数回にわたつて増額され、昭和四三年五月から一万九一二五円(3.3平方米当り八五円)となり現在に至つている。

3 本件借地上に存する四棟の建物はいずれもかなり古くなつている。その程度はそれぞれの建物により必ずしも一様でないが、そのうち最も損傷、老朽している別紙(二)の建物を全面的に改築すると、賃貸借終了の時期にかなりの影響を来たすことは否定できず、前述の期間の延長の点をも考え合わせ、財産上の給付によつて利害の調整をするのが相当である。

4 鑑定委員会の意見は、本件土地の更地価格を平方米当り六万円、借地権価格を同じく四万〇七四〇円と算定した上、本件借地のうち改築される建物の敷地部分174.11平方米の借地権価格の八にあたる五六万七〇〇円をもつて給付すべき額とする。

本件においては右意見におけるように借地権価格の八%を基準として給付額を定めるのは、やや高額にすぎると思われる。一方本件改築許可の借地関係に及ぼす影響は右意見の基準とした範囲に限られず、借地契約全体に及ぼすものであるから、当該改築建物の存する部分のみの借地権価格を給付額算定の基準とするのは相当でないと考えられるが、一部建物の改築に止まる点を考慮することは必要であると考えられる。当裁判所は、右のような配慮を加えつつ、右委員会の意見を参酌し、かつ前記の事情を考慮して、右委員会の評価による借地権価格にしたがい計算した本件土地の借地権価格の約1.5%にあたる四五万円をもつて申立人の支払うべき給付額とするのが相当であると考えられる。

5 賃料については、この際増額の必要はないと認める。(安岡満彦)

(別紙)

(一) 土地

東京都中野区上高田一丁目八二番一

宅地 1760.02平方米のうち

743.80平方米(二二五坪)

(二) 右地上に存する(家屋番号同町七番)

木造瓦葺平家建 居宅 一棟

床面積 76.03平方米(二三坪)

(三) 右建物を取りこわし、

木造亜鉛メッキ鋼板葺二階建 居宅

一棟

庄面積 一階 79.33平方米

(二四坪)

二階  同右

を建築する。

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