東京地方裁判所 昭和43年(借チ)1095号 決定
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔決定理由〕
一、申立の要旨
申立人は相手方から東京都目黒区鷹番三丁目一一九番一宅地840.15平方米のうち116.06平方米(65.36坪)を昭和二一年二月一二日期間を定めず賃借し、同地上に別紙記載の現存建物を所有しているが、これを同記載のとおり増築することを計画したところ相手方の承諾が得られないので、その許可を求める。
二、相手方の意見の要旨
申立人は本件借地で工場を経営し、その騒音で近隣に迷惑を及ぼしているので増築を承諾できない。なお本件借地は相手方の父が第三者に昭和五年一〇月一日期間を二〇年として賃貸したものを申立人は昭和二一年に地上建物を買受け従前の借地契約を承継したものであり、したがつて借地契約の残存期間は昭和四五年九月三〇日までである。そこでもし本件増築が許可される場合、期間の延長はやむを得ないと思うので更新料を考慮してもらいたい。
三、鑑定委員会の意見
本件増築は相当であり、これを許可する場合、借地期間を許可の時から二〇年とし、財産上の給付は九五万円(更地価格の約4.85%)とするのが相当であり、地代増額の必要はない。
四、当裁判所の判断
本件増築は土地の通常の利用上相当と認められ、他にこれを不当とすべき点はないと認められるので、これを許可することとする。附随の処分については、当事者双方および鑑定委員会の意見を考慮し、本件借地契約の期間を二〇年延長して昭和六五年九月末日までに変更し、財産上の給付額は鑑定委員会の意見のとおり九五万円と定める。(白石悦穂)