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東京地方裁判所 昭和43年(借チ)2087号・昭43年(借チ)2097号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔決定理由〕(2) ……本件建物は、申立外浅田に賃貸されているので、これを申立人(賃貸人)に譲渡する場合は、申立人(賃貸人)が右の借家関係を当然承継することになるから、右借家権が負担として附着しているものとして建物および土地賃借権(以下借地権という。)の譲渡の対価を決定しなければならない。

しかし、まず、本件建物が空家である場合の建物および借地権の対価を考えることにする。本件建物については、その資材、経過年数、保存の程度等から考え、鑑定委員会の意見のとおり、3.3平方米当りの復成現価を金七、〇〇〇円として、本件建物全体についての価格は金五万四、〇〇〇円(一、〇〇〇未満は切り捨て。以下同じ。)とするのが相当である。借地権については、本件土地の現在の更地価格は、鑑定委員会の意見のとおり、3.3平方米当り金一三万円とするのが相当であり、これを基礎とし、六大都市市街地価格推移指数等を参考として、本件土地について賃貸借契約が締結された昭和三〇年三月当時の更地価格を推算すると、3.3平方米当り約金一万円であつたと認められ、前記認定のとおり、相手方(賃借人)は3.3平方米当り金八、五〇〇円の権利金を支払つているので、現在の借地権割合も更地価格の八五パーセントとするのが相当であり、したがつて、本件土地全体の借地権価格は金一三五万三、〇〇〇円となる。もつとも、右の借地権価格は、借地権が第三者に譲渡される場合の一般的な借地権価格であるが、本件借地権は前記認定のとおり、高額の権利金がその対価として支払われて有償で設定されたものであるので、これを申立人(賃貸人)に譲渡する場合でも、鑑定委員会の意見のように、借地人の利得の一部を土地所有者に還元する意味でのいわゆる名義書替料相当額を、前記借地権価格から控除する必要は認めない。

そこで、次に、建物および借地権に負担として附着している借家権を算定しなければならない。右の借家権価格を算定するについて確定的な方法があるとはいえないが、これについては、前記認定の借家契約の内容等を考慮し、鑑定委員会の意見をも参考にして、金四〇万円とするのを相当と認める。

したがつて、本件建物および土地賃借権譲渡の対価は、前記の建物価格と借地権価格の合計額金一四〇万七、〇〇〇円から前記借家権価格金四〇万円を控除した金一〇〇万七、〇〇〇円とする。(福嶋登)

(別紙)

(一) 土地

東京都北区東十条三丁目六番地一〇

宅地 397.02平方米(120.1坪)

の内  40.49平方米(12.25坪)

(二) 賃借権

右(一)の土地に対する堅固でない建物の所有を目的とする賃借権

(三) 建物

東京都北区東十条三丁目一〇所在

家屋番号 六番一〇の三

木造瓦葺平家建 居宅一棟

床面積 登記簿上 24.19平方米(7.32坪)

現況 25.61平方米(7.74坪)

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