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東京地方裁判所 昭和43年(借チ)21号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔決定理由〕二、……

本件土地は、浅草方面から言間橋を渡つて業平橋方面に至る道路を東に入つた所で、都電業平橋停留所から約五〇〇米北方に位置し、いわゆる繁華街からはやや離れているが、附近は工場、会社事務所等のほか商店の混在する地域で、準防火地域に指定されたこともあつて、次第に堅固建物も建てられるようになつている、現在までに建てられている堅固建物の数はそれ程多くないけれども、上記の土地の状況からすると、現に本件土地につき借地契約を結ぶとすれば、堅固建物の所有を目的とするのが相当とされるような状態となつていると認められる。それ故、本件借地契約については、借地法第八条の二第一項に定める条件変更の要件があるというべく、本件申立はこれを認容すべきである。

三、次に附随の処分について検討するに、調べた資料によつて認められる事実及びこれに基づく当裁判所の判断は次のとおりである。

1 本件借地条件の変更に伴い、借地法の趣旨を汲み条件変更後少なくとも三〇年程度の期間があるようにするのが相当と考えるので、現在の期間を一二年延長し昭和七四年三月一日までとすることとする。

2 次に財産上の給付であるが、本件借地条件の変更及び前述の期間の延長に伴う利害の調整のため、その給付を命ずるのが相当である。

鑑定委員会の意見は残存期間満了の際に支払われるべき更新料の現価を求め、これに土地の利用効率の増大による割増を施す等の方法により、給付額を三一万三六〇〇円(更地価格のほぼ六%にあたる)と算定する。

ところで右鑑定委員会の意見によると、本件土地について一般に考えられている借地権割合に基づく堅固、非堅固両借地権価格の差は更地価格の一〇%程度と認められる。この点も給付額決定の一資料とするのが相当であるが、本件においては、土地の状況からして、事実上それ程利用度の高い高層の建物が建築されるものとも考えられず、借地条件の変更に伴う土地利用効率の増大はそれ程大きいものでないと見るべきであり、また本件賃貸借は昭和四二年中申立人において金二〇万円を支払い期間を二〇年として更新されたばかりであることを合わせ考えると、申立人の給付すべき給付額は前述のいわゆる借地権割合の差よりもやや低く更地価格(鑑定委員会の意見に従い3.3平方米当り二九万円とする)の8.5%強に当る四五万円をもつて相当と考える。

3 次に賃料についても、増額を相当と認め、鑑定委員会の意見を酌んで一ケ月二、六四〇円と定めることとする。

(安岡満彦)

(別紙)

(一) 借地

東京都墨田区向島三丁目一九番一

宅地 641.71平方米(194.12坪)のうち59.50平方米(一八坪)

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