東京地方裁判所 昭和43年(借チ)39号 決定
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〔決定理由〕一、……(3) 本件借地は新宿駅南口から約四〇〇米に位置し、その附近の土地は終戦後著しく発展し、商業地域、準防火地域、第六種容積地区に指定され、建物の堅固高層化が進んでいる。
(4) 本件申立を不相当とすべき特段の事情はなく、以上の事実によれば、契約成立後の事情の変更により堅固建物の所有を目的とすることを相当とするに至つたと認められるので本件申立を認容することとする。
二、附随の処分
(1) 鑑定委員会は、右借地条件変更に伴い申立人が相手方らに支払うべき金額として、更地価格(3.3平方米あたり約五〇万円)の一割にあたる金一、八三万八、三八九円を相当と認め、地代を底地価格(更地価格の二割、3.3平方米あたり約一〇万円)に年利五分を乗じた金額に公租公課(年額一万四、二六六円)を加え、月あたり金一万六、五〇八円に増額するのが相当であるとしている。
(2) 当裁判所は、右意見を参考とし、なお川尻泰司が昭和二二年七月頃、本件土地賃借にあたり権利金として仲介人に一万五、〇〇〇円を交付し、武藤文龍は仲介人からその内一万円を受取つたこと、昭和三七年武藤文龍が死亡した直後から申立人は底地の買受を交渉し、相手方らのうち文龍の長男である武藤文磨との間で昭和三九年一月頃、一旦3.3平方米あたり五万円で買受ける話がまとまり書面も取交したが相手方らが多数であるため意見がまとまらず、いたずらに日時を経過し、一方申立人は前記建物改築の必要に迫られたため本件申立に至つたこと、そのような事情もあつて地代が昭和三六年四月以降月額二、〇三五円に据置かれていたこと、本件土地の固定資産税評価格は二一一万四、八五〇円公租公課は年額一万四、二六六円にすぎないこと等の個別的事情を特に斟酌し、申立人に対し、本裁判確定の日から六ケ月以内に相手方らに対する財産上の給付として右意見による金額より約二割を減じた金一五〇万円の支払いを命じ、本件借地契約の期間を右金員支払の日から五〇年とし、賃料についてはその月の翌月から従前の額の四倍として一月金八、一四〇円と定めることとする。(白石悦穂)
借地契約の内容
一、目的土地 東京都渋谷区代々木二丁目一二番九
宅地 一二一、五八平方米(36.78坪)
二、成立 昭和二三年
三、目的 非堅固建物所有目的
四、期間 定めなし
五、現在の賃料 一月二、〇三五円
以上