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東京地方裁判所 昭和44年(シ)1号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【決定理由】(申立の要旨)

1 申立人は、大塚保全合資会社から別紙目録(一)記載の土地(以下本件土地という。)上にあつた木造瓦葺二階建居宅床面積一階七坪二階六坪二合五勺を賃借していたところ、右建物は昭和二〇年三月一〇日戦災により焼失した。

2 申立人は、昭和二一年一月本件土地上に別紙目録(二)記載の建物(以下本件建物という。)を建築し、罹災都市借地借家臨時処理法第二条に基づき、同年一〇月本件土地の所有者であつた大塚保全合資会社に本件土地賃借の申出をし、その頃承諾を得た。

3 本件土地の所有権は、大塚保全合資会社から森田清美、香取武夫を経て現在相手方に移転し、それとともに賃貸人の地位が承継されたので、申立人は、相手方に対し、借地条件協定の申出をしたが、相手方はこれに応じないので、借地条件の決定を求める。

(決定理由)

本件の資料によれば、申立の要旨として掲げた前記、1、2の事実が認められるので、昭和二一年一〇月申立人と当時の本件土地所有者大塚保全合資会社との間に、本件土地につき建物所有を目的とする期間一〇年の賃貸借が成立したことになる。罹災都市借地借家臨時処理法第二条により設定された借地権は、その登記または地上建物の登記がなくても、その設定されたときから一〇年間その土地について権利を取得した第三者に対抗しうるものと解すべきところ、本件の資料によれば、本件土地所有権は、大塚保全合資会社から森田清美、香取武夫、相手方の順に移転し、香取武夫のため昭和二八年一月三一日、相手方のため昭和三二年五月二九日それぞれ所有権移転登記がなされ、一方、本件建物につき申立人のため昭和二九年一月一四日所有権保存登記がなされていることが認められるので、本件借地権は、設定後一〇年以内に本件土地所有権を取得した森田清美および香取武夫に対抗することができ、設定後一〇年の経過により更新され、本件建物につき所有権保存登記がさされた後に本件土地の所有権を取得した相手方に対抗しうるものというべきである。

申立人は、罹災都市借地借家臨時処理法第二条に基づき借地権を取得したものの、借地条件が未決定であるので、現在の賃貸人を相手に右条件の決定を求めるのであるが、決定すべき借地条件は借地権設定当時のものであるべきであり、鑑定委員会の意見に従い、借地権設定時である昭和二一年一〇月当時の本件土地の賃料を一ヵ月七五円と定め、毎月末日払とするのが相当である。(小山俊彦)

目録

(一) 東京都墨田区緑四丁目二番二三

宅地 122.24平方米(三六坪九合八勺)の内26.44平方米(八坪)

(二) 東京都墨田区緑四丁目二番地

家屋番号 二番一四

木造ルーヒング葺平家建居宅

床面積 23.14平方米(七坪)

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