大判例

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東京地方裁判所 昭和44年(レ)25号・昭43年(レ)295号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕本件訴訟記録によれば、本件訴状は昭和四三年五月二八日新宿簡易裁判所が受付けたこと、同日裁判官が控訴人に対する送達は公示送達によることを許可したこと、本件原判決は昭和四三年七月九日に当事者双方不出頭で言渡され、控訴人に送達すべき判決正本は同日右裁判所掲示場に掲示して公告され、翌一〇日公示送達の効力が生じたこと、右判決正本は昭和四三年一一月七日控訴人に対し直接交付されたこと、本件控訴状は同月一一日に東京地方裁判所が受付けたこと、以上の事実が明らかである。更に……を総合すると、控訴人は、昭和四二年三月三一日以前から家族と共に本件家屋に住んでいたものであるところ、同人が代表取締役をしていた訴外昭美電気工業株式会社が倒産して、その債権者が夜遅くまで本件家屋を訪れるので、家族ともの身の回りの大部引の家財を他に移したけれども、自分は、時々本件家屋に立寄つていたこと、控訴人が被控訴人に対して昭和四三年七月二三日に差出した内容証明郵便には控訴人の連絡先が記載されていたこと、控訴人が本件訴訟が提起され原判決が言渡されたことを知つたのは、昭和四三年一一月五日に被控訴人が同月四日に差出した内容証明郵便を受取つたからであることが認められる。

右認定の事実をもつては、本件訴訟が提起されたこと、あるいは原判決が言渡されたことを控訴人が知らないことに過失があるとは認められず、他に控訴人がそのような事実を知つていたこと、または知らないことに過失があつたことを認めるに足る証拠がない以上は、控訴人が昭和四三年七月二三日までの控訴期間を遵守できなかつたのは、控訴人の責に帰すべからざる事由によるものといわなければならない。従つて、控訴人は、本件判決が言渡されたことを知つた同年一一月五日から一週間以内に控訴を追完することができるものであるところ、同月一一日に東京地方裁判所へ控訴状を提出したのであるから、本件控訴は適法であり、被控訴人の本案前の申立は理由がない。

(渡辺忠之 山本和敏 西田美昭)

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