大判例

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東京地方裁判所 昭和44年(ワ)13638号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕被告辰五郎は妻である被告ハマ、長男幸一、五女治子等と肩書地に居住し、自己の名で、右の者らや被告和弘(被告辰五郎、同ハマの二男)等とともに同所で武蔵屋酒店の商号で酒類販売業を営むものであること、被告和弘は事故当時一九才で、同所から八、九〇メートル離れた肩書住所に起居し、生計は被告辰五郎一家と概ねこれをともにしていること、甲車は原告主張の頃被告和弘が被告辰五郎等から受けている小遣銭や兄の前記幸一等から貰つた金員でこれを買受け、時には前記店舗の使用する駐車場に保管され、エンジンキーが同店内に置かれることもあつたが、概ね被告和弘が自ら管理し、自ら運転するのを通例としていたことが認められる。この事実を推すときは、被告辰五郎等一家では、被告和弘が甲車を保有していることを了知し、また甲車及びそのエンジンキーの所在を認識していたものとみることができる。しかし、以上の事実を除いては被告辰五郎、同ハマと甲車との関連を証するに足る資料はない。

右に認定した事実関係では、なお被告辰五郎、同ハマが甲車の運行供用者にあたるものと認められない。すなわち、右被告両名は親権や前記経済上の関係に基き被告和弘を通じて甲車に対し間接的な運行支配を及ぼし、あるいはその運行利益を受け得る可能性がないわけではないけれども、それがなお現実のものとはなつていない以上、それだけではなお、自賠法三条にいう運行供用者とはいえない。 (高山晨)

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