東京地方裁判所 昭和44年(ワ)2723号 判決
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〔判決理由〕(二) 被害者の死亡によつて喪失した得べかりし利益
<証拠>によれば、訴外馬重は明治三九年二月六日生であることが認められ、従つて本件事故当時は満六二歳であつたところ、<証拠>によれば、訴外馬重は田三反三畝二四歩、桑畑三反五畝一九歩、普通畑二反二畝一三歩について、妻である原告シヅと共に農業を営み、年間少くとも六〇万円の純収入を挙げていたこと、原告シズの寄与率を考慮し少くとも六割は訴外馬重の勤労によるものと認められる。したがつて、同訴外人の農業所得は年間三六万円はあつたものと認められる。ところで、<証拠>によれば、本件事故当時、原告重雄はその妻より、長男長女の二人の子供、原告フジエと訴外馬重・原告シヅ夫婦の計七人が同一の生計を営み、訴外馬重・原告シヅエの農業の所得と原告重雄の斫り工としての所得とによつて生計を営んでいたこと、原告重雄の年収は約一〇〇万円であつたことに鑑み、訴外馬重の生活費は同訴外人の収入の四割を超えなかつたことが認められる。したがつて、同訴外人の年間の純利益は、二一万六〇〇〇円はあつたものと認められる。ところで、訴外馬重の職業および年令に照らし、同訴外人は本件事故に遭遇しなければ、なお七年間は稼働することができたものと認められる。右期間中の同訴外人の得べかりし利益から年五分の中間利息を年毎にホフマン式計算により控除すると、一二六万八八五七円となる。(篠田省二)