東京地方裁判所 昭和44年(ワ)6315号 判決
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〔判決理由〕二、原告は、本件臨時株主総会の決議には取消しうるべき瑕疵があると主張するので、次に判断する。
(一) 本件臨時株主総会の招集通知に会議の目的たる事項が記載されていなかつたことは、当事者間に争いがない。
右事実によれば、本件臨時株主総会の招集手続は、商法第二三二条第二項に違反するから、これにもとづいてなされた本件決議には、原告の主張するように取消しうべき瑕疵があるものといわなければならない。
(二) 被告は、本件総会議である昭和四四年一一月一四日午後一時被告会社の本社事務所において臨時株主総会を開催し、発行済株式の三分の二以上の株式を有する株主が出席して本件決議を確認する旨の決議をしたから、原告は本件決議の取消を求める法律上の利益ないし必要性を失つた旨主張するところ、なるほど被告主張の昭和四四年一一月一四日(後記のように一一月二五日の誤記か)に臨時株主総会が開催されたことは当事者間に争いがなく、成立に争いのない乙第二号証によれば、同年一一月二五日右総会に株主五名(その持株数四〇〇株)が出席し、昭和四四年三月一一日になされた本件臨時株主総会の決議を確認する旨の第二の決議をしたことが認められるが、右第二の決議は、上記のように単に本件決議を確認しただけで、本件決議を廃棄し、あらたに同一内容の決議をしたというのではないから、第二の決議がなされたからといつて、原告が本件決議の収消を求める法律上の利益ないし必要を失つたものということはできない。けだし、第二の決議は、もし本件決議が本件訴訟において取消されたならば、それに代つて同一の内容の第二の決議の効力が生ずるという意味の条件付決議であると解するのが相当である。従つて、被告の上記主張は理由がない。(吉野衛)