東京地方裁判所 昭和44年(ワ)7705号 判決
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〔判決理由〕二、責任原因
そこでまず、被告らの責任原因について検討する。
(二) 被告洋一
<証拠>を総合すると、被告洋一は事故当時一九才で責任能力を有することは明らかであつたが、深夜女友達と三浦海岸をドライブしてから同女を横須賀の自宅に送り届けるため加害車を運転して前記時刻(編注=午後一一時一五分)ごろ交通量が少く人通りも殆んどない、かつ見通しのよくきく三浦海岸沿いの幅員九メートルの国道を、時速約六〇キロメートルで前照灯を下向きにしたまま北進していたが、前方を見てはいたものの、同女と話などしていて十分注視していなかつたため、前方13.7メートルの至近距離に至つて、はじめて亡昭生が酩酊のうえ道路中央附近に頭を東に、足を西に向け、白いワイシャツを着て、手を頭に載せ、足を伸ばしたまま横臥しているのを発見したこと、被告洋一はその時驚きのあまり、制動その他何の避譲措置もとることなく、亡昭生をはね飛ばしたうえ轢過したことが認められる。<証拠判断・略>(尤も<証拠>を総合すると、亡昭生は事故当日会社の同僚と共に三浦海岸へ社員慰安旅行に来て同夜飲酒したが、午後一〇時過ぎごろ旅館から出て剣崎方面に向い酩酊のうえふらふらしながら歩いて行つたこと、同人は同日午後一〇時五〇分頃三浦市南下町上宮田三四一三番地先の民家に入つて来て、ろれつの廻らない口調で話をしたり、よろめきながら歩いていたことが認められるが、右事実によつて、亡昭生が当時道路を横断歩行中だつたことを推認できないことはいうまでもない。)してみると、被告洋一に前方不注視等の過失があつたことは明らかである。
(四) 過失相殺
亡昭生が深夜前記の国道上に酩酊のうえ、自動車の進路をさえぎるように身体を東西に向けて横臥していたことは前記二の(二)認定のとおりであるから、同人に重大な過失があつたことは否定できない。したがつて、本件事故における被害者と被告洋一との過失の割合は、前記二の(二)認定の被告洋一の過失程度、本件事故態様その他諸般の事情を勘案すると、被害者につき六、同被告につき四と認めるのが相当である。(加藤和夫)