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東京地方裁判所 昭和44年(ワ)9703号 判決 1976年10月29日

原告

川崎物産株式会社

右代表者

坂本正憲

右訴訟代理人

佐藤成雄

外三名

被告

東京電力株式会社

右代表者

木川田一隆

右訴訟代理人

橋本武人

外四名

主文

一  原告の主位的請求中、別紙物件目録記載2および3の土地上空に架設されている高圧架空送電線の撤去を求める請求部分を棄却する。

二  被告は原告に対し、昭和四四年九月二三日から同四五年三月三一日までは一か年につき金二万四四一七円六〇銭の、同四五年四月一日から同四八年三月三一日までは一か年につき金四万六九六円の、同四八年四月一日から前項の高圧架空送電線中前項の土地上空にある部分が撤去されるに至るまでは一か年につき金六万九一八三円二〇銭の各割合による金員を支払え。

三  原告のその余の損害賠償請求を棄却する。

四  訴訟費用は、これを一〇分し、その一を被告、その余を原告の負担とする。

五  この判決は原告勝訴部分にかぎり、仮に執行することができる。

事実《省略》

理由

第一本件送電線の撤去請求について

一本件土地は、もと訴外石井福松の所有であつたが、昭和二八年三月訴外木村マキが、同四七年一一月八日原告が順次これを買受けて所有権を取得し、いずれもそのころ所有権移転登記が経由されたこと、本件送電線は、訴外東京電力株式会社が大正一五年頃に架設して所有するようになつたが、その後昭和三年に東京電灯株式会社に、同一四年に日本発送電株式会社に、次いで同二六年五月に被告に順次その所有権が移転されたこと、本件送電線が架設されているため本件土地のうち線下敷を含む原告主張の部分が、その利用上電気事業法に基づく「電気設備に関する技術基準」を定める省令(昭和四〇年六月一五日通産省令第六一号)により原告主張の制限を受けていることは、いずれも当事者間に争いがない。

二被告は、本件土地上空に右送電線を架設維持するについては、原告の前々主訴外石井福松と前記訴外東京電力との間で地役権の設定を受ける合意ないしは地役権類似の内容を有する契約上の使用権の設定を受ける合意が成立しており、この権利を承継取得した旨主張するところ、<証拠>を総合すれば、前記訴外東京電力株式会社は、本件送電線を架設するにあたり、訴外石井との間で本件送電線の架設による上空通過を目的として石井の所有権の範囲に属する本件土地中別紙物件目録2および3の土地を目的とし、その上空使用を内容とする契約を締結して石井は土地利用上の制限を承認し、爾来、右送電線の所有者が交替するに伴い、その所有者が右契約上の地位を承継し、石井に対し、線下地補償料の名目で使用料を支払つてきたものであり、被告も昭和二六年五月に設立され、日本発送電株式会社から本件送電線を含む南武線の送電施設の所有権を取得して後は、ひき続き右石井に対して線下地補償料の支払をしてきたことが認められ、この認定に反する証拠はない。

そこで、右石井と訴外東京電力との間に成立した本件土地上空使用契約の法的性質について考えると、その使用の内容は土地上空に送電線を通過させることを目的とするため、土地所有者による線下地部分の占有使用を全面的に排除するものではなく、送電線の架設に必要な限度で土地所有者による土地の利用が制限されるにすぎないものであること、土地使用の性質上期間は極めて長期にわたるものであることなどに徴すれば、被告の所有地である南部線第一号および第二号鉄塔の敷地を承役地とし、本件土地中別紙目録記載2および3の土地を要役地とする地役権が設定されたものと認めるのが相当である(前記第一号および第二号鉄塔の敷地が被告所有地であることは当事者間に争いがなく、このことと<証拠>によつて認められる右各土地の位置関係と形状とに徴すれば、右各土地は当時訴外東京電力の所有に属していたものと認めるのが相当である。)。そして、被告は、右東京電力が石井に対して有していた地役権を本件送電線の所有権取得に伴い承継取得したものといわなければならない。

しかしながら、右地役権については、その旨の登記が経由されていないことは当事者間に争いがない。

三原告は、まず、被告の取得した右地役権は原告に対抗できないものであるとして本件送電線の撤去を求めるところ被告は、抗弁として、右撤去請求権の行使は所有権を濫用するものである旨主張するので検討する。

1  <証拠>によれば、本件土地の前所有者である訴外木村は、原告代表者坂本正憲の内縁の妻であつたもので、昭和二八年に本件土地を購入するにあたつては、夫である原告代表者自身が実地に臨んで土地の状態を検分したうえ、みずから代金を出捐して石井から買受けたもので法律上は木村の所有としたが、実質上は原告代表者の所有であつたこと、その後は当初は原告代表者個人が、昭和三〇年に原告が設立されてからは原告が木村からこれを賃借し、また昭和四七年一一月に原告が木村から買受けた後は原告の所有地としてその地上にガソリンスタンドの営業設備を設けてこれを経営してきたこと、<証拠>によれば、本件送電線は、本件土地の南方七、八〇メートルの地点に位置する第一号鉄塔と本件土地の北方四、五〇メートルの地点に位置する第二号鉄塔との間(その間隔は一五九メートル)を十数メートルの高さに電線が架設されているもので、また、前記木村が買受けた当時は別紙物件目録記載4の土地上空には旧東京製鋼線の送電線も同様の状態で架設され通過しており、これらの送電線の存在は本件土地附近からは容易に目に入る状況であつたと認められることに徴すれば、原告代表者は訴外木村において石井から本件土地を買受けた当時から本件土地上空に送電線が存在していることを熟知していたものと認めるのが相当であり、この認定に反する原告代表者尋問の結果は措信できない。

2  次に、本件送電線および本件土地の機能、利用関係につき検討する。

(一) <証拠>を総合すれば、本件送電線は、川崎火力発電所で発電され川崎変電所に送られた電力を南武変電所に送電する高圧架空送電線であり、本件送電線により送電される電力は、川崎市北東部東京都西部の病院、ガス、水道等の公共施設および約一五万所帯の一般家庭の需要を賄つており、右の電力需要に応ずる施設として本件送電線ないしはその代替施設の存在は不可欠であることが認められ、右認定に反する証拠はない。

(二) <証拠>によれば、本件送電線を撤去して移設し、もしくは地下ケーブル化による代替施設を設置することは技術的に必ずしも不可能ではないものの、その建設費だけでも、昭和四九年当初頃の概算で、移設するには二億一〇〇〇万円ないし三億七〇〇〇万円、地下ケーブル化をするには九億三〇〇〇万円を要し、これに用地確保の費用を加算すれば、その費用総額は莫大なものとなるうえ、新送電線用地として予定される前記需要先付近の市街地化の現状等からみて利用権の設定等について新たに地主の承諾をうることが困難で、用地の確保は実際上不可能に近いことが認められ、右認定を覆すに足りる証拠はない。

(三) 他方<証拠>を総合すれば、原告は、本件土地上において、本件送電線の上空通過に伴う前記利用制限に従いながらも、昭和二八年頃より現在までガソリンスタンドの営業を継続してきたこと、右の制約をうける本件土地中の線下敷部分も、右営業に必要な車両の出入、駐停車、ガソリンタンクの地下埋設等の用地として有効に利用されていること(末段の点は当事者間に争いがない。)が認められ、右の認定事実によれば、本件送電線の撤去がなされなくとも、原告が、本件土地を利用しつつガソリンスタンドの営業を現在の規模形態で継続するのにさしたる障害はないものと認めるのが相当であり、右認定を左右するに足りる証拠はない。

3  なお、原告は、本件送電線は、人口密集の市街地を通過するにもかかわらず老朽化して、危険であるから撤去するのが相当である旨主張し、<証拠>中には右原告の主張に添う部分もあるが、<証拠>によれば、右記載はすでに撤去ずみの旧東京製鋼線の鉄塔の建替えに関するもので、本件送電線に関する記載ではないことが認められ、他に、原告主張のような本件送電線が存在することによる危険性を認めるに足る証拠はない。

4 そこで、以上に認定した事実関係、ことに本件送電線はその設置以来原告代表者の妻である訴外木村が本件土地の所有権を取得するまで約三〇年にわたつてその撤去について特別の紛争を生ずることもなく平穏に経過してきたこと、原告代表者は本件送電線の存在により土地の利用が制限されるべきことを知りながら本件土地の取得に関与し、その後みずから経営する原告にその所有権を取得せしめて本訴を維持しているものであること、本件送電線の撤去による代替施設を設けることの現実的困難さ本件施設の公益的性格等を考慮するときは、原告が本件電線の撤去が実現するならば、いつそう本件土地を原告に有利に活用できることが予測されるとしてもなお原告において本件送電線の撤去を求めることは土地所有権を濫用するものと認めるのほかなく、かかる権利の行使は、許されないものといわなければならない。したがつて、被告の抗弁は理由があり、原告のこの点の請求は理由がないものといわなければならない。

第二損害賠償請求について

一ところで、土地所有権者が権原のない土地占有者に対してその明渡を請求することが権利の濫用となるために許されない場合であつても、そのことから直ちにその土地占有が権原に基づく適法なものとなつたり、土地占有の違法が阻却されるものではないと解すべきであるから、右の占有が土地所有者に対する関係において不法行為としての要件を備えるときは、土地所有者は不法な占有によつて生ずる損害の賠償を求めることができるものというべきである。しかるところ、被告が抗弁1(二)に主張するところによれば、被告は、訴外木村が昭和二八年三月に本件土地の所有権を取得したことについて新旧所有者のいずれからもその旨の通知を受けなかつたためこれを知らず、昭和三二年まで訴外石井に対して線下地補償料を支払つてきたというのであり、右は原告の明らかに争わない事実であるからこれを自白したものとみなすべく、右の事実と<証拠>を総合すれば、被告はおそくとも昭和三五年一二月二六日には本件土地の所有者が、石井福松から訴外木村に移転したことを知つたものと認めるのが相当である。

そして、被告が本件土地中別紙物件目録記載2および3の土地について設定を受けた地役権についてはその登記が可能であるにもかかわらず登記をしなかつたため不法占有となる事態を生じたのであるから被告にはこの点に過失があり、右の時期以降被告による本件送電線の架設維持は違法のものとなつたものといわなければならない。

なお、この点に関連し、被告は、権利濫用の抗弁と択一的に、原告が民法第一七七条の登記欠缺を主張することのできない背信的悪意者である旨の主張をしているところ、右主張が容認できれば、被告の本件送電線の架設維持は不法行為を構成しないこととなるのでこの主張について言及するに、前認定のように、本件土地は法律上は訴外木村の所有になつたが、実質上は原告代表者の所有として購入されたものであるところ、<証拠>を総合すれば、訴外木村ないし原告代表者は当初から被告に対し本件送電線の撤去を求める意思で本件土地を買受けたわけではなく、当時田地であつた本件土地を造成して現状において、事業用地として使用すべく買受けたものであつて、やがて原告代表者によりガソリンスタンドの経営が開始され、他方、線下地補償料も支払われないまま推移したが、昭和三八年末頃から原告と被告との間で線下地補償料の支払等の交渉がなされるうち、昭和四二年二月一日になつてはじめて原告から本件送電線の撤去要求が持ち出されたものであることを認めるに足り、この認定に反する証拠はない。そして、本件土地は線下地についての制限の範囲内においては土地の利用が可能であつて、第三者がこれを買受けて利用しようとすることは、送電線の存在を知つていたからといつて何らの責むべきものもないことを考慮するときは、訴外木村ないしその代理人として行動した原告代表者は被告主張の趣旨における背信的悪意者には該当しないものと解すべく、また、原告代表者尋問の結果によれば、訴外木村から原告に本件土地の所有権が移転されたのは、原告代表者と右木村とが離婚した跡始末としてなされたものであつて、法律上の所有権の移転はともかく、実質的な所有権が原告代表者に存することについては変更がないと認められるので、原告もまた右にいう背信的悪意者と解すべきものではないものというべきである。また、右認定の事実関係のもとでは原告は被告の地役権者としての地位を認容し、その契約上の地位を承継したものとも認めがたい。

二そこで、原告ないしその前主訴外木村の被つた損害について検討する。

1  この点につき原告は、本件送電線の撤去請求に対する予備的請求の形式で、本件送電線が存在することによつて本件土地の価額が四億五八〇〇万円から二億二九〇〇万円に減価したと主張し、その差額分二億二九〇〇万円がその損害であるとして内金三〇〇〇万円の損害賠償を請求し、他面、主位的請求に対する附帯請求として本件送電線の撤去に至るまでの線下敷の使用料相当額を損害金として請求しているところ、右はいずれも本件送電線が存在することによつて原告が被りまた被ることがあるべき損害額の算定方法の違いにほかならないので、これを一括して検討する。

上来説示してきたように被告による本件土地の占有は、当初から不法な占有として開始されたものではなく、従来訴外石井との間では適法な占有であつたにもかかわらず、原告に対してはその占有権原を対抗することができない結果違法に化したものであるところ、原告の所有下で当初から不法な占有が開始されたものである場合においてその不法の占有が社会通念上少なくとも半永久的に排除される見込がないと認定されうるようなときであるならば、本件土地の所有権の価額に減価を生じたものとしてその減価分を一時に請求することもまた損害額の算定方法としてこれを検討する余地があるが、本件の場合には、訴外木村ないし原告は、不法の占有を排除できない状態のもとに本件土地の所有権を取得したのであるから(原告はもちろん、訴外木村が本件土地を取得した際、右訴外人ないしその代理人となつた原告代表者が本件土地上に送電線の存在することを知つていた以上、その売買代金額もその現状に相応するものとして定められたものと推認するのが相当であつて、この認定に抵触する原告代表者尋問の結果は措信しがたい。)右の方法によつて損害額を算定するのは相当でなく、このような場合に土地所有者に通常生ずる損害を算定するには、土地の相当賃料額を基準とすべく、所有者にとつて土地の利用が全く排除されるわけではなく、利用上の制限を受ける本件のような場合には、土地を利用上の制限のない状態で所有する者が他に賃貸した場合に得られるべき賃料額と利用上の制限のある現状において他に賃貸した場合に得られる賃料額との差額をもつてその損害と考えるのが原則的方法であると解される。しかしながら、このような算定方法もまた、たとえば所有者と占有者との間の契約関係が終了したにもかかわらず占有者が利用上の制限となる物件(たとえば本件送電線)を撤去しないというような一般的事案において、その損害を請求する場合には妥当するといえるけれども、原告や訴外木村のようにすでに送電線が架設されていることを承知の上でこれを買受けた者である場合には妥当しないものといわなければならない。けだし、かかる買主は、本件のような送電線の存在する線下地については利用上の制限のあることを知るべきであり(訴外木村が買受けた当時には、電気及びガスに関する臨時措置に関する法律(昭和二七年法律第三四一号)により旧公益事業令(昭和二五年政令第三四三号)附則三項に基づく旧電気事業法(昭和六年法律第六一号)下の規制(電気工作物規程、昭和二四年通産省令第七六号)があり、その後は、前記電気設備に関する技術基準を定める省令が施行されるまで電気工作物規程(昭和二九年通産省令第一三号)の規定に基づく制限があつたことが明らかである。)、かかる制限があることを知りながら、買受けた者は、本件のような場合に直ちに前主との契約関係を承継する意思があつたとはいえないまでも、その制限の範囲内で土地を利用することになりうべきことを承知のうえで買受けたものというべきであるから(訴外木村の代理人でもあつた原告代表者もまた当初は右のような意向であつたことはさきに認定したとおりである。)、後に至つて当該土地に利用上の制限がなければ、いつそう高度の土地の活用が可能であると主張してその差額相当の損害賠償を求めることは社会生活上の道義ないしは信義則に反して許されないのであり、かような場合には事を形式的に捉えて差額相当の損害ありとしたうえで過失相殺の法理を適用するまでもなく、そのような意味における不法行為上の損害は発生する余地がないと解するのが相当である。

そして、右のような利用上の制限は、事柄の性質上重要であつて、かつ、かかる制限に関する規定は、電気事業者自身に関するものではあるけれども、容易に一般に知りうるものであるから、過失によつてかかる制限を知らなかつた者についても、右の点が妥当するものといわなければならない。

もつとも、本件土地については、古くから石井に対し、線下地補償料の名目で使用料が支払われてきていたことはさきに認定したとおりであつて、被告がかかる使用料相当金を支払わないまま本件土地上に送電線を存置することは被告にとつて不当の利得となるのみならず、訴外木村ないし原告にとつては契約関係が存在するならば当然に得られるべき金銭を得られない意味において、右金額相当分は被告の不法使用による損害にあたると解するのが相当である。

3 そこで、本件土地につき支払われるべき補償料相当の額について検討するに、<調拠>により、本件土地と同じ程度の土地の補償額を基準とするときは、本件土地に対する補償料相当額は、原告が支払いを求める期間については、一平方メートルにつき年額で、昭和四二年四月一日から同四五年三月三一日までは四八円、同年四月一日から同四八年三月三一日までは八〇円、同年四月一日から同五〇年三月三一日までは一三六円が相当と認められ、これに反する証拠はない。また、同年四月一日以降の分については的確な証拠はないが、右認定の事情に照らして一平方メートルにつき年額一三六円を下ることはないものと認めるのが相当である。

なお、<証拠>によれば、昭和三九年頃からの原告代表者と被告間の交渉の過程において昭和四〇年初め頃に向後の補償額を一平方メートルにつき年額六〇〇円とする案が原告から提示され、同四二年三月にはほぼ了解点に達していた事実が認められるが、右交渉は結局妥結に至らなかつたことが認められるから右交渉時の提示額は基準となりえないものというべきである。

4  しかして、訴外木村が、昭和四七年一一月一八日、被告に対して有する右補償料相当額の損害賠償請求権の全額を原告に譲渡するとともに、同四九年八月三〇日に被告に到達した書面をもつてこれを通知したことは当事者間に争いがない。

してみれば、被告は、原告に対し、昭和四四年九月二三日以降については本件送電線の撤去に至るまで、本件線下敷部分508.7平方メートルにつき右に認定した金額、すなわち、昭和四四年九月二三日から同四五年三月三一日までは一年につき二万四四一七円六〇銭、同年四月一日から同四八年三月三一日までは一年につき四万六九六円、同年四月一日から本件送電線の撤去に至るまでは一年につき六万九一八三円二〇銭の割合による限度の損害賠償の義務を負担するものというべきである。

第三結論

以上の次第で、原告の本訴各請求は、被告に対し、損害賠償として一年につき昭和四四年九月二三日から同四五年三月三一日まで二万四四一七円六〇銭、同年四月一日から同四八年三月三一日まで四万六九六円、同年四月一日から本件送電線の撤去に至るまで六万九一八三円二〇銭の割合による金員の支払を求める限度では理由があるからこれを認容すべきであるが、その余は失当であるから棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条、九二条を、仮執行の宣言につき同法一九六条一項を適用して主文のとおり判決する。

(吉井直昭 小田泰機 大竹たかし)

物件目録<省略>

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