大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京地方裁判所 昭和44年(借チ)1065号 決定

〔主文〕申立人が、相手方に対し、本裁判確定の日から三月以内に金二〇万円を支払うことを条件に、申立人が別紙目録(一)記載の建物を取り毀して同目録(三)2記載の土地上に同目録(二)記載の建物を建築することを許可し、本件借地契約の賃料を右金員支払の翌月分から一ヵ月一九一〇円に改める。

〔理由〕(申立の要旨)

1 申立人は、相手方から、別紙目録(三)2記載の土地140.33平方米(42坪4合5勺、以下本件土地という。)を賃借中にして、同地上に同目録(一)記載の建物(以下本件建物という。)を所有している。右借地契約の現在の内容は、同目録(三)記載のとおりである。

2 申立人は、本件建物を取り毀し、本件土地上に別紙目録(二)記載の建物を建築したいが、相手方の承諾が得られないので、賃貸人の承諾に代わる許可の裁判を求める。

(決定理由)

1 本件の資料によると、申立の要旨として掲げた前記1の事実のほか、本件借地契約には増改築をするには賃貸人の承諾を要する旨の特約が附されていること、本件改築は土地の通常の利用上相当であることが認められるので、本申立は、これを許可すべきである。

2 附随処分

本件許可の裁判により本件借地権の存続は強化されることになるので、申立人に財産上の給付を命ずるのが相当である。鑑定委員会は、更新料を基礎に給付額を算定しているが、賃貸人が借地人に更新料を請求しうる法的根拠はなく、更新料の授受は当事者間の自治に委せるべき性質のものであるから、右の算定には賛し難い。本件の資料によれば、本件建物は戦前の建築にかかり、相当老朽化していることが認められ、右事実に改築後の建物は二階を賃貸用に供する構造であることを併せ考え、給付額は、従来の裁判例に徴し、更地価格(鑑定委員会の意見に従い3.3平方米当り一三万五、〇〇〇円と認める。)の3.5%に当る二〇万円(万円未満四捨五入)を相当とする。

なお、鑑定委員会の意見に従い、本件許可の裁判に伴い、賃料を一ヵ月一九一〇円に改めることとする。(小山俊彦)

目録

(一) 東京都練馬区錦一丁目二六二番地

家屋番号二四番三一

木造木皮葺平家建居宅

床面積 25.48平方米(7坪7合1勺)

(二) 木造二階建居宅

床面積 一階 65.28平方米

(一九坪七合五勺)

二階 28.92平方米

(八坪七合五勺)

(三) 賃貸借契約

1 当事者

賃貸人 相手方

賃借人 申立人

2 借地

東京都練馬区錦一丁目二六二番四

宅地 165.14平方米

の内 140.33平方米

(四二坪四合五勺)

3 目的

非堅固建物所有

4 期間

昭和五三年八月三一日まで

5 賃料

一ヵ月六三八円

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!