東京地方裁判所 昭和44年(借チ)2045号・昭44年(借チ)2037号 決定
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右中村朋太郎の申立にかかる昭和四四年(借チ)第二〇三七号土地賃借権譲渡許可申立事件(甲事件)につき、同事件の相方手石川智誉から建物及び土地賃借権譲受の申立(乙事件)があつたので、当裁判所は、次のとおり決定する。
〔主文〕1 中村朋太郎が、石川智誉に対し、別紙目録(その一)記載の建物及び別紙目録(その二)記載の土地賃借権を代金四三三万七、〇〇〇円で売り渡すことを命ずる。
2 中村朋太郎は、石川智誉に対し、別紙目録その一記載の建物を明け渡し、かつ、同建物につき所有権移転登記手続をせよ。
3 石川智誉は、前項の建物明渡義務の履行を受け、かつ、右建物の登記簿上存する抵当権設定登記が抹消された場合、これと引換に、中村朋太郎に対し、第一項の代金の支払をせよ。
〔決定理由〕(甲事件の申立の要旨)
1 申立人中村朋太郎は、相手方石川智誉から、昭和二六年九月四日別紙目録(その二)記載の宅地109.09平方米三三坪(以下本件土地という。)を木造建物所有の目的で期間を定めずに賃借し、同地上に別紙目録(その一)記載の建物(以下本件建物という。)を所有している。
2 申立人中村朋太郎は、本件建物及び右借地権を東京都品川区西大井五丁目二二番二二号田村博に護渡したいと考え、相手方石川智誉の承諾を求めたが、拒絶されたので、賃貸人の承諾に代わる許可の裁判を求める。
(決定理由)
1 本件の資料によると、甲事件の申立の要旨として掲記した1の事実は、期間の点を除きこれを認めることができる。本件の資料によると、期間は当初二〇年と定められたが、賃貸人石川智誉において多数の借地契約を整理するため、借地人らと協議した結果、中村朋太郎を含む借地人らとの合意の上、期間を一律に昭和五〇年一二月末日までと改めたこと及び本件借地契約の賃料が昭和四三年四月一日以降一カ月三、〇六九円であることが認められる。
2 以上のように、中村朋太郎は、本件土地の賃借人であり、かつ、右土地上に本件建物を所有しているので、甲事件申立は適法である。
3 そこで、乙事件について考える。
鑑定委員会は、本件借地権の価格を四〇四万円、本件建物の価格を七〇万一、〇〇〇円と評価し、その合計額から名義変更料四〇万四、〇〇〇円(借地権価格の一〇%)を控除した四三三万七、〇〇〇円をもつて本件建物及び本件借地権の買受代金とするのを相当とする意見書を提出した。右意見は相当であるので、中村朋太郎に対し主文第一項の売買を命じ、本件建物の登記簿謄本によると、本件建物には、……の根抵当権が設定されていることが認められるので、買主たる石川智誉は、滌除の手続が終わるまで代金の支払を拒むことができ、従つて代金支払義務と本件建物の明渡義務及び本件建物所有権移転登記義務とは同時履行の関係にないので、中村朋太郎に対し、建物明渡義務及び所有権移転登記義務の先給付を命ずべく、建物明渡義務の履行を受け、かつ、本件建物につき存する抵当権設定登記が抹消された場合、これと引換に、石川智誉に対し、代金の支払を命ずるのを相当とし、主文のとおり決定する。 (小山俊彦)
目録(その一)
東京都品川区南大井四丁目一六三四番地
家屋番号同町一六三四番八
木造瓦葺二階建居宅兼作業所
床面積 一階一八坪五合五勺(61.32平方米)
二階二〇坪三合三勺(67.20平方米)
目録(その二)
(土地賃貸借契約の内容)
1 賃貸人 石川智誉
賃借人 中村朋太郎
2 借地権の目的たる土地
東京都品川区南大井四丁目一六三四番宅地1335.96平方米(四〇四坪一合三勺)のうち109.09平方米(三三坪)
3 契約の目的
木造建物所有
4 期間
昭和二六年九月四日から昭和五〇年一二月末日まで
5 賃料
昭和四三年四月一日以降一ヶ月三、〇六九円