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東京地方裁判所 昭和44年(借チ)2101号・昭44年(借チ)2086号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔主文〕 1、村田純一が栗原茂に別紙目録(一)記載の建物及び同目録(二)記載の土地賃借権を代金五一九万円で売り渡すことを命ずる。

2、村田純一は、栗原茂に対し、前項の代金の支払を受けるのと引換に、右建物につき所有権移転登記手続をし、かつ、右建物を明け渡せ。

3、栗原茂は、村田純一に対し、右登記手続の履行及び右建物明渡義務の履行と引換に、前記代金の支払をせよ。

〔決定理由〕(甲事件の申立の要旨)

1、村田純一は、栗原茂から、別紙目録(二)記載の土地82.64平方米(以下本件土地という。)を賃借中にして、その契約内容は同目録(二)記載のとおりである。

2、村田純一は、本件土地上に別紙目録(一)記載の建物(以下本件建物という。)を所有している。

3、村田純一は、本件建物及び本件土地賃借権を東京都渋谷区本町五丁目一九番三号小田繁明に譲渡したいが、土地賃借権の譲渡につき栗原茂の承諾が得られないので、賃貸人の承諾に代わる許可の裁判を求める。

(決定理由)

1、本件の資料によると、甲事件の申立の要旨として掲げた1、2の事実が認められるので、甲事件の申立は、適法である。

2、よつて、乙事件について考える。

鑑定委員会は、

(一) 賃貸人が借地権を買い受ける場合の代金は、通常の借地権価格から名義変更料相当分を差し引いたものであるとし、本件土地の更地価格を一平方米七万七、一〇〇円、借地権割合を七〇%、名義変更料を借地権価格の一〇%を相当とする意見を提出した。右意見は相当であるので、本件借地権譲受代金は、四〇一万円(万円未満四捨五入)となる。

(二) 本件建物買受代金につき、復成価格を三九三万九、〇〇〇円とし、現在価格を求めるに当り、減価修正は、耐用年数を標準とする方式のうち定額法を採用し、耐用年数二四年、経済的残存耐用年数八年、残価率零とし、なお、市場性による減価相当分一割を控除するのが相当であるとする。右意見に従うこととし、本件建物の復成現価を求めると一一八万円(万円未満四捨五入)となる。賃貸人栗原茂は、鑑定委員会の提出した意見書には、本件建物の建築時期を昭和三一年一二月としているか、昭和二九年四月に建築されたものであるから、本件建物の買受代金は計算上異るべきであるというが、建物の減価修正を行う場合、建築後の経過年数のみによつて処理する方式もあるが、本件鑑定委員会は、経済的残存耐用年数に重点を置く方式によるのが相当としたものであり、従つて、建築時期の多少の違いは、右の評価を左右するものではない。

よつて、本件建物及び本件土地賃借権の買受代金を合計五一九万円と定め、賃貸人栗原茂において右代金の支払を拒絶しうる事情(本件建物に抵当権の設定登記があるなど)は本件の資料からはないものと認められるので、代金の支払と建物の所有権移転登記手続と建物の明渡義務とを同時履行の関係に立たせるのを相当とし、主文のとおり決定する。

(小山俊彦)

目録

(一) 建物

東京都中野区南台一丁目一〇番地九

家屋番号同町一〇番二五

木造瓦葺二階建居宅 一棟

床面積 一階 50.41平方米

(一五坪二合五勺)

二階 36.36平方米

(一一坪)

(二) 土地賃借権

1、当事者

賃貸人 栗原茂

賃借人 村田純一

2、借地

東京都中野区南台一丁目一〇番の九宅地649.28平方米(196坪4合1勺)

のうち82.64平方米

3、目的

非堅固建物所有

4、期間

昭和五四年三月二三日まで

5、賃料

昭和四〇年一月一日以降一ケ月一二五〇円

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