東京地方裁判所 昭和44年(借チ)2116号 決定
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〔主文〕 申立人が相手方に金一二七万円を支払うことを条件に、(一)申立人が、東京都目黒区緑が丘一丁目一〇番一七号小西要一に対し、別紙目録記載の土地賃借権を譲渡することを許可し、(二)本件賃貸借契約の賃料を右金員が支払われた月の翌月分から一カ月坪当り六五円に改定する。
〔申立の要旨〕 一、申立人は、昭和一六年三月二〇日亡野口常蔵から別紙目録記載の土地六一坪(契約上は六六坪であるが、実測は六一坪、以下本件土地という。)を期間を定めずに賃借し、同地上に家屋番号一八七番六木造瓦葺平家建居宅床面積二三坪二合五勺(登記簿上一七坪五合以下本件建物という。)を所有している。
二、賃貸人野口常蔵は昭和二二年三月一七日死亡し、相手方が家督相続により、賃貸人の地位を承継し、賃貸借契約の現在の内容は、別紙記載のとおりである。
三、申立人は、主文掲記の小酉要一に本件建物及び本件土地賃借権を譲渡したいが、土地賃借権の譲渡につき相手方の承諾が得られないので、賃貸人の承諾に代わる許可の裁判を求める。
〔決定理由〕一、本件の資料によれば、申立の要旨として掲げた前記一、二の事実のほか、申立人が本件土地賃借権を小酉要一に譲渡しても賃貸人である相手方の不利になるおそれがないことが認められるので、本件申立は、これを許可すべきである。
二、附随処分
鑑定委員会は、本件土地の更地価格を一、二〇七万二、〇〇〇円、借地権価格をその七〇にあたる八四五万〇、四〇〇円と評価し、本件土地附近における名義書替料の慣行は更地価格の一〇ないし一五%であるとしている。しかし、当裁判所が扱つたこれまでの事件によると東京都内における名義書替料は、借地権価格の一〇ないし一五%とするものが大部分であり、本件のように自然発生的借地権価格の場合には名義書替料の額も右の範囲において高額とするようである。よつて、財産上の給付は、鑑定委員会の評価による借地権価格の約一五%にあたる一二七万円を相当とし、鑑定委員会の意見に従い賃料を坪当り一カ月六五円に改定することとし、主文のとおり決定する。(小山俊彦)
目録
(土地賃借権)
一、当事者
賃貸人 相手方
賃借人 申立人
二、借地
東京都大田区石川町一丁目一八七番八宅地393.38平方米(一一九坪)のうち201.65平方米(六一坪)但し、私道9.91平方米(三坪)を含む
三、契約の目的
非堅固建物所有
四、期間 昭和四六年三月一九日まで
五、賃料
昭和四四年七月一日以降一ケ月三三〇〇円(坪当り五〇円)