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東京地方裁判所 昭和44年(借チ)39号 決定

〔主文〕本件借地契約(別紙記載)の目的を堅固建物の所有に、借地期間を昭和七五年八月二六日までに賃料を本裁判確定の月の翌月から月額3.3平方米あたり六七二円に各変更する。

申立人らは相手方に対し金一、三〇〇万円を支払え。

〔理由〕一、申立の要旨

申立人らは別紙記載の土地を相手方から木造建物所有の目的で賃借している。右土地は昭和二三年八月二七日に申立人らの先代が期間二〇年の約で賃借し、申立人らが借地権を相続し、昭和四三年八月二七日に契約が更新された。右土地は借地契約締結後、防火(一部準防火)地域、商業地域、第七種容積地区に指定され、附近の土地の利用状況の変化により現に借地権を設定する場合は堅固な建物の所有を目的とすることが相当な状況にある。申立人らは現在本件土地上に二階建建物三棟を所有し、割ぽう料理店を営んでいるが、これを鉄骨コンクリート七階建以上の建物に改築し、これを賃貸して収益の増加を計画している。

二、鑑定委員会の意見の要旨

本件申立にかかる借地条件の変更は相当であり、これにともない財産上の給付を命じ、地代を増額することが相当である。財産上の給付の額については、本件土地の更地価格は坪あたり一六〇万円と評価され、木造建物の所有を目的とし、借地期間を二〇年延長する場合の更新料は更地価格の七%程度が相当と認められるので、本件の場合は借地期間が三〇年延長されるものとして、一九年後に支払われるべき更新料の年利六分の複利現価と三九年後に支払われるべき更新料の同利率による複利現価の半額(一〇年分)の合計を求めると三四六万八、九〇〇円となり、これとこの金額に二階建建物を地下一階地上七階建建物に改築した場合の標準的効用増加率一七二%を乗じた六〇四万六、五〇〇円を加えて算定すると九五一万五、四〇〇円となる。賃料は従前賃料に東京都内の平均上昇率を乗じた額と、近隣相場による比準賃料を勘案し、月額坪当り六七二円に増額するのが相当である。

三、当裁判所の判断

取調べた資料によれば、本件借地は借地契約成立後防火(一部準防火)地域、商業地域、第七種容積地区に指定され、附近の土地は高層ビル街を形成し、事情の変更により現に借地権を設定する場合は堅固建物の所有を目的とすることが相当となるに至つているものと認められ、その他借地条件の変更を不相当とすべき事情はないと認められるので本件申立はこれを認容することとする。これにともない借地期間を、今後約三〇年となるように昭和七五年八月二六日までに変更することを相当と認める。財産上の給付については、本件土地の状況、借地に関する従前の経過等を考慮し、本件土地の鑑定委員会の意見による更地価格の約一〇%にあたる一、三〇〇万円を相当と認める。賃料については本裁判確定の月の翌月から鑑定委員会の意見のとおり増額することを相当と認める。(白石悦穂)

現在の借地契約の内容

一、借地

(一) 東京都港区赤坂三丁目二一五番

宅地 140.56平方米

(二) 同二一六番

宅地 128.66平方米

二、目的 非堅固建物の所有

三、期間 昭和六三年八月二七日まで

四、賃料 昭和四三年四月以降月額3.3平方米あたり五一八円

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