大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京地方裁判所 昭和44年(特わ)60号 判決 1970年2月16日

本店所在地

東京都北区滝野川七丁目二三番地の二

株式会社飯田百貨店

右代表者代表取締役

飯田信太郎

本籍

東京都北区滝野川七丁目二五番地七

住居

埼玉県入間郡三芳村大字藤久保一一一一番地

職業

会社役員

飯田信太郎

昭和二年一月三日生

右の者らに対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は検察官上田政夫・弁護人倉井藤吉出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

被告会社を罰金一、〇〇〇万円に、被告人飯田信太

郎を懲役六月に処する。

但し、被告人飯田信太郎に対し、本裁判確定の日か

ら二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社は、東京都北区滝野川七丁目二三番地の二に本店を置き、一般食料品、荒物、洋品雑貨、依類等の販売を営業目的とする資本金一億二千万円の株式会社であり、被告人飯田は被告会社の代表取締役として業務の全般を統括していたものであるが、被告人飯田は、被告会社の業務に関し法人税を免れようと企て、売上の一部を除外して簿外預金を蓄積する等の方法により所得を秘匿したうえ、

第一、昭和四〇年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額は一三一、六七九、四九七円であり、これに対する法人税額が四六、四二一、七二〇円であつたにもかかわらず、昭和四一年二月二六日東京都北区王子三丁目二二番一五号所在の所轄王子税務署において、同税務署長に対し、同事業年度の被告会社の所得金額は七二、一六六、一九四円でこれに対する法人税額が二四、四〇八、五三〇円である旨の虚偽の法人税額確定申告書を提出し、右正規の法人税額と申告税額との差額二二、〇一三、一九〇円を法定の納付期限までに納付しないで免れ、

第二、昭和四一年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額は一三六、五一三、四一二円であり、これに対する法人税額が四五、七三六、九八〇円であつたにもかかわらず、昭和四二年二月二八日前記所轄王子税務署において、同税務署長に対し、同事業年度の被告会社の所得金額は八二、五一八、四六四円で、これに対する法人税額が二六、八五二、八三〇円である旨の虚偽の法人税額確定申告書を提出し、右正規の法人税額と申告税額との差額一八、八八四、一五〇円を法定の納付期限までに納付しないで免れ

たものである。

(各事業年度の所得の確定内容は、別表一、二の各修正貸借対照表記載のとおりである。)

(証拠の標目)

略語例

(検)=検察官に対する供述調書

(大)=大蔵事務官に対する質問てん末書

(上)=上申書

一、被告人の当公判廷における供述

一、被告人の(大)八通、(検)二通、(上)五通

一、閉鎖登記簿謄本

一、登記簿謄本

一、飯田高次の(上)五通及び(大)七通

一、松沢志一の(検)

一、谷口広士の(大)二通

一、関根光一の(検)及び(大)

一、木下弘の(大)二通

一、名武金治の(大)

一、佐々木次男の(大)

一、相原富夫の(大)

一、牧田荘次郎の(上)

一、市橋進の(上)

一、森広茂夫の(上)

一、森聰の(上)

一、内田一男の(上)

一、加文字棟一郎の(上)

一、吉村明の(上)

一、鈴木富太郎の(上)

一、平井保雄の(上)

一、大蔵事務官北島文雄作成の手帳解明調査書、飯田商事売上除外調査書、裏賞与支給計算書、法人税額計算書

一、大蔵事務官森猪久居作成の飯田商事売上除外調査書

一、大蔵事務官伊藤昭二作成の現金・預金等調査書、個人収支調査書

一、王子税務署長の青色申告書提出の承認取消証明書

一、押収してある以下の証拠物件(いずれも当庁昭和四三年押第五九九号、末尾カツコ内の数字はその符号番号)飯田百貨店関係綴一綴(1)、41/12期確定申告書綴一綴(2)、四〇年度売上仕入帳一綴(3)、同年度補助元帳一綴(4)、同年度売上総括帳一冊(5)、金銭出納帳一冊(7)、四一年度売上仕入帳一綴(8)、同年度補助元帳一綴(9)、同年度金銭出納帳一冊(10)、同年度売上総括帳(12)、飯田信太郎分所得税確定申告書三綴(39、40、41)、飯田信助分所得税確定申告書三綴(42、43、44)

(法令の適用)

一、被告会社につき法人税法一六四条、一五九条、刑法四五条前段、四八条二項。

一、被告人飯田につき法人税法一五九条(懲役刑選択)、刑法四五条前段、四七条本文、一〇条、二五条一項。

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 小島建彦)

別紙一 修正貸借対照表

株式会社 飯田百貨店 昭和40年12月31日

<省略>

別紙二 修正貸借対照表

株式会社 飯田百貨店 昭和41年12月31日

<省略>

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例