大判例

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東京地方裁判所 昭和44年(行ウ)124号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕被告は、法が青色申告の更正につき理由附記を要求するのは、青色申告にかかる所得の計算はその帳簿等を無視して更正されることがないことを保障したものと解されるところ、法定帳簿には本件営業譲渡の取引についてなんらの記載がない本件のような場合には、更正につき法定帳簿の記載を否定した場合には該らないというべきであるから、理由附記として法の要求をみたしている旨主張する。

たしかに、青色申告納税義務者に対する更正通知書に理由附記が要求されている規定の趣旨は、右納税義務者に対して法定帳簿の記載を無視して更正を行なつてはならない旨を保障したものと解すべきである。

しかし、そうであるからといつて、そのことから直ちに、被告の右主張のような結論に達するものとは解せられない。むしろ、本件においてハンデルスの在日支店の法定帳簿の記載事項全体にその真実性を疑うに足りる不実の記載があつて青色申告の承認を取消す場合でもあれば格別、そうでない以上は、たとえ帳簿に東京、大阪両支店の営業譲渡代につきなんらの記載がない場合であつても、更正するにつき帳簿の記載を無視してはならないとの青色申告納税義務者に対する前示の保障は維持されて然るべきである。また、右譲渡代につき帳簿に記載がある場合の更正と記載がない場合の更正とでは、帳簿に当該記載がされていることを否定するかあるいは記載がされていないことを否定するかの相違はあるにしても、いずれにせよ当該帳簿全体からみれば、その記載を否定する結果となることにおいては彼此同一というべきである。

そうとすれば、ハンデルスの在日支店の法定帳簿に前記譲渡代につき記載がないことは当事者間に争いがないところであるけれども、右事実は本件更正通知書に附記されるべき理由の程度になんらの影響を及ぼすものではないというべきであるから、被告の前記主張は失当といわざるをえない。

(高津環 内藤正久 佐藤繁)

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