大判例

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東京地方裁判所 昭和45年(ワ)4884号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕被告は、裁判官の職務上の行為に関する国家賠償請求は、司法的判断の終局性または裁判官の独立性という司法に固有な高次の基本的要請に照らし、当然右賠償請求権は制約されるべきであるから、裁判官の訴訟指揮、それに伴う発言および公開禁止措置に関する本訴請求は、刑事訴訟手続の系列において許される不服申立方法により、その適否の審判を求めるにとどまると解すべきであつて、原告らの請求は主張自体理由がない旨主張する。

思うに、裁判官のなす職務上の行為についても、一般に、国家賠償法の適用があると解すべきであり、本件で原告らが被告小野の不法行為と主張するのは、同被告のなした法廷警察権の行使に関するものと認められるが、かかる裁判官の行為だからといつて直ちにその例外を認むべき理由はない。尤も法廷警察権は、その性格上、適時、迅速の発動が要請されるから、その行使については広い裁量権が保障されねばならない。また、右裁量権を逸脱した違法な処分がなされた場合でも、かかる訴訟手続上の中間的判断事項については、当事者に関する限り、これが救済は原則として、専ら、当該訴訟手続内の救済に委ねられるべきであつて、訴訟制度は本来そのようなものとして制度として存するのである。それ故、右の違法な処分が当事者以外の者の権利を侵害する場合とか、甚だしく裁量権を逸脱して当事者の救済を当該訴訟手続内のそれのみに委ねることが不適当と認められる如き場合に、その処分は国家賠償法上の違法な行為として、国は同法に基づく責を負うべきこととなる。

(田中永司 堀口武彦 栗栖康年)

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