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東京地方裁判所 昭和45年(借チ)1004号 決定

〔主文〕1 申立人が別紙目録(二)記載の建物を取り毀し、同目録(一)記載の土地上に同目録(三)記載の建物を建築することを許可する。

2 申立人は、相手方に対し、金四〇万円の支払をせよ。

3 別紙(一)目録記載の土地に関する申立人・相手方間の賃貸借契約の賃料を本裁判確定の月の翌月分から3.3平方米当り一カ月三五円に改める。

〔理由〕(申立の要旨)

1 申立人は、相手方から、別紙目録(一)記載の土地(以下本件土地という。)を非堅固建物所有の目的で賃借中にして、同地上に同目録(二)記載の建物(以下本件建物という。)を所有している。

2 本件建物は昭和一六年に建築されたもので、築後相当年数を経過し、柱、土台に腐蝕が見られ、また、申立人家族六名の居住には狭隘であるので、これを全面的に改築し、別紙目録(三)記載の建物を建築したいが相手方は右改築を承諾しないので、賃貸人の承諾に代わる許可の裁判を求める。

(決定理由)

1 本件の資料によると、申立外田中森八は、相手方から、昭和一六年六月一日本件土地を非堅固建物所有の目的で期間を定めずに賃借し、同地上に本件建物を所有し、申立人は、昭和四三年九月田中森八から本件建物および本件土地賃借権を買い受け、右土地賃借権の譲渡につき賃貸人である相手方の承諾を得て賃借人の地位を承継し、賃料は昭和四三年九月分から年額五、〇〇〇円に改訂され現在にいたつていることが認められ、右借地契約に増改築制限に関する特約が附されているか否か不明であり、本件改築は、土地の通常の利用上相当であると認められるので、本件申立は、これを許可するのが相当である。

2 附随処分

本件改築に伴い、借地上建物の耐用年数が大幅に延長されることになるので当事者間の利益の衡平を図るため、申立人に対し、相手方に対する財産上の給付を命ずるのが相当であるその額は本件建物が相当老朽化していることと改築後の建物の一部が賃貸用であることを考慮し、更地価格(鑑定委員会の意見に従い一三四〇万円と評価)の約三%に当る金四〇万円を相当する(申立人は、田中森八から本件建物を買い受けた際、相手方に対し、増改築承諾料を含め名義書替料名義で金一〇万円支払つたので、財産上の給付額決定につき右の点を考慮すべきであると主張するが、右一〇万円が如何なる性質のものであるか、また、相手方に支払つたのは申立人であるか田中森八であるのかも判然としないのであるから、右の点を特に考慮する必要はないと考える。)。

なお、鑑定委員会の意見に従い、賃料を3.3平方米当り月額三五円に改めるのが相当である。(小山俊彦)

目録

(一) 東京都三鷹市井の頭五丁目八八五番一宅地2,136.54平方米の内198.09平方米

(二) 東京都三鷹市井の頭五丁目八八五番地

家屋番号 二〇二番四

木造瓦葺平家建居宅

床面積 42.97平方米

附属

木造平家建物置

床面積 8.26平方米

(三) 木造二階建居宅兼共同住宅

床面積 一階 63.95平方米

二階 52.31平方米

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