大判例

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東京地方裁判所 昭和45年(借チ)15号 決定

〔主文〕本件申立を棄却する。

〔理由〕(申立の要旨)

1 申立人は、相手方から、東京都千代田区四番町四番一七宅地1,822.64平方米(551坪3合5勺、以下本件土地という。)を非堅固建物所有の目的で賃借中にして、存続期間は昭和四七年一一月一〇日までである。

2 本件土地附近は、借地契約成立の昭和二七年一一月当時は戦災の焼跡で野菜畑に利用されていたが、昭和三八年一月準防火地域に指定され、現在は周辺に高属ビルが林立し、客観的事情の変更により堅固建物の所有が相当になつたので、借地契約の目的を堅固建物所有に変更したいが、相手形と協議が調わない。

3 よつて、本件土地賃貸借契約の目的を堅固建物所有に変更する裁判を求める。

(決定理由)

本件の資料によると、相手形は、申立外鏑木汽船株式会社から昭和二八年八月一三日その所有にかかる本件土地を学校用建物の敷地に用いる目的で買い受け、同年一二月一六日所有権移転登記を経由したのであるが、これより先、申立外野村十郎は、鏑木汽船株式会社から本件土地を普通建物所有の目的、期間昭和二七年一一月一〇日から昭和四七年一一月一〇日まで、賃貸人の承諾を要せずに譲渡、転貸しうる約で賃貸し、昭和二八年二月二二日右賃借権設定の登記を経由し、申立人は、野村十郎から同年二月二日右賃借権の譲渡を受け、同年二月一四日その旨の登記を経由し、賃借権の存するかぎり相手方は申立人の賃借権を対抗される結果となつたので、相手方は、賃借権の存否を訴訟で争つたが、昭和四二年一〇月四日東京高等裁判所言渡の判決により敗訴し、右判決は確定し、現在、申立人、相手方双方とも本件土地上に建物を所有していないこと、申立人は、勝訴の判決が確定したので、本件土地の隣地の所有者申立外野村はる、同鏑木武盛と共同で、鉄筋コンクリート造八階建のビルを本件土地に跨り建築する計画を樹てているが、相手方も、昭和四七年一一月一〇日の期間満了の際は、自己使用を理由に更新拒絶の意思であることが認められる。右のように、借地期間は約二年を残すのみならず、相手方が建築しようとする建物は学校用の建物であり、通常のビルと異るので、今、本件申立が認容され、申立人らが右の如きビルを建築すると、相手方の更新拒絶が正当事由に基づくとしても、買取請求権を行使されると利用目的に副わない建物を買い取らねばならないことになり、相手方としては、土地の利用上多大の不利益を受けることになり、かかる事案において正当事由の有無を予測することは困難であり、残存期間も僅かでもあるので、右の決着は訴訟手続でつけるのが相当であると考えられるので、本件申立は、これを棄却することとする。 (小山俊彦)

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