東京地方裁判所 昭和45年(借チ)2013号 決定
〔主文〕申立人が相手方に対し金八八〇、〇〇〇円を支払うことを条件に別紙目録記載の賃借権を東京都千代田区神田二丁目七番一一号互興商事株式会社に譲渡することを許可する。
〔理由〕一 本件申立の要旨
1 相手方は、昭和三三年一二月三一日別紙目録記載の土地(以下「本件土地」という。)を中島俊夫に期間二〇年の約で賃貸し、申立人は、同三五年一〇月一日右中島の賃借人たる地位を承継し、申立人相手方間の現在の賃貸借契約の内容は別紙目録記載のとおりである。
2 申立人は、本件土地のうえに家屋番号四番の一四、木造瓦葺二階建居宅、倉庫、一、二階とも各44.72平方米(13.53坪)の建物を所有しており、これを本件土地賃借権とともに主文掲記の互興商事株式会社に譲渡したいが、土地賃借権の譲渡につき相手方の承諾がえられないので、これに代わる許可の裁判を求める。
二 当裁判所の判断
1 本件で取調べた資料によれば、前記一の事実のほか、申立人が互興商事株式会社に本件土地賃借権を譲渡しても相手方に不利となるおそれがないことが認められるので、本件申立は、これを認容すべきである。
2 附随の処分について。
鑑定委員会は、本件土地の更地価格を一平方米当り金二〇万円、借地権価格をその八〇%と査定したうえ、財産上の給付額を期間の延長をしない場合は、金六八五、〇〇〇円(借地権価格の八%)、期間を二〇年延長した場合は金一、〇〇〇、〇〇〇円が相当であるとしている。
本件許可の裁判をするにあたり、当事者間の利益の衡平をはかるため申立人に財産上の給付を命ずべく、その額は、鑑定委員会の意見および当事者双方の意見ならびに本件賃貸借の経緯にてらし、本件土地の賃借権価格(更地価格の八〇%。更地価格については3.3平方米当り金八五〇、〇〇〇円であることに当事者間で争いがないのでこれに従う。)の八%にあたる八八〇、〇〇〇円(千以下切捨て)とするのが相当である。(筧康生)
目録
(賃貸借契約の内容)
1 目的土地
東京都千代田区神田錦町三丁目四番
宅地 630.80平方米(190.82坪)のうち添付図面斜線部分53.523平方米(16.191坪)
2 当事者
賃貸人 相手方
賃借人 申立人
3 目的
非堅固建物所有
4 期間
昭和五三年一二月三一日まで
5 現在の地代
一か月 金四、二三〇円
(図面略)