東京地方裁判所 昭和45年(借チ)2069号・昭45年(借チ)2118号 決定
〔主文〕1 申立人に対し、別紙目録(一)記載の建物及び同目録記載の土地賃借権を相手方に譲渡することを命じ、譲渡の対価を金四〇〇万円と定める。
2 申立人は、相手方から前項の対価の支払を受けるのと引き換えに、相手方に対し、前項の建物につき所有権移転登記手続をし、かつ、同建物の明渡をせよ。
3 相手方は、前項の登記手続及び建物明渡と引き換えに、申立人に対し、第一項の対価の支払をせよ。
〔理由〕(甲事件の申立の要旨)
1 申立人は、相手方から別紙目録(二)2記載の土地(以下本件土地という)を非堅固建物所有の目的で賃借中にして、同地上に同目録(一)記載の建物(以下本件建物という)を所有している。右借地契約の存続期間及び賃料は別紙目録(二)記載のとおりである。
2 申立人は、本件建物及び本件土地賃借権を中村正作に譲渡したいが、相手方の承諾が得られないので、賃貸人の承諾に代わる許可の裁判を求める。
(決定理由)
1 本件の資料によると、甲事件の申立の要旨として掲げた前記1の事実が認められ、右によると甲事件の申立は適法である。
2 よつて、乙事件の申立に基づき、申立人に対し、本件建物及び本件土地賃借権を相手方に譲渡することを命ずる。本件の資料によると、申立人は、昭和三九年四月二三日相手方から本件土地を賃借するにあたり、権利金として四九〇万円を支払うことを約したにかかわらず、六〇万円を支払つたに止ることが認められ、鑑定委員会は、右七〇万円が現実に支払つた権利金として非常に低額であることを考慮し、(一)本件土地附近の借地権価格は概ね更地価格の七〇%程度であるが、本件土地の借地権価格は更地価格の五五%が相当であり、(二)本件土地附近において借地権を他に譲渡する場合の名義書替料は更地価格の一〇%程度であるが、本件の場合は更地価格の二〇%以上が相当であるとし、本件土地の更地価格を一平方米当り四万円と評価し、本件建物を無価値と評価する。右によれば、本件建物及び本件土地賃借権の譲渡対価は、借地権価格から名義書替料(更地価格の二〇%)を控除したものを相当とし、計算すると四〇一万円となるので、対価を四〇〇万円と定める。
対価の支払と建物所有権移転登記義務及び建物明渡義務を同時履行の関係にするのが相当である。(小山俊彦)
目録
(一) 建物
東京都大田区中央六丁目二四七番地
家屋番号二四七番六
木造瓦葺平家建居宅 床面積61.22平方米
(二) 土地賃借権
1 当事者
賃貸人 相手方
賃借人 申立人
2 借地権の目的たる土地
東京都大田区中央六丁目二四七番
山林(現況宅地)一三四五平方米
のうち 287.60平方米
(87坪)
実測 286.92平方米
3 使用目的
非堅固建物所有
4 存続期間
昭和五九年四月二二日まで
5 賃料
昭和四五年一月一日以降一ケ月六七八六円