東京地方裁判所 昭和46年(ワ)9168号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔判決理由〕三 傷害の部位・程度
<証拠>ならびに本件弁論の全趣旨によれば、原告は、本件事故により、第五頸椎圧迫骨折、第六頸椎棘突起骨折、脊髄損傷、外傷性右肋膜炎の傷害を受け、事故当日より昭和四四年六月一一日まで横浜市鶴見区所在の橋爪病院に、ついで同日から昭和四七年七月一二日まで東京都大田区大森南四丁目所在の東京労災病院に、各入院して治療を受けたこと、その間当初四ケ月半の間は、肋膜炎のほか、腸閉塞膀胱炎や腎孟炎を併発して危篤状態にあり、そのうち三ケ月問は病弱な実父に付添をしてもらつたが、その後も褥創のため、二回の手術を要したこと、以上のような治療によつても、原告は脊髄損傷のため胸部から足さきまでの部分の知覚と運動が全く麻痺したほか、直腸膀胱障害や両上肢の筋力低下、両肢外側部褥創等が残り、ただ尿便の自排は可能であることが認められ、右認定を覆えすに足りる証拠はない。
これによると、原告の後遺症状は、自賠法施行令別表の第一級に該当するもので、原告は終身全く労働能力を喪失したものと認めるのが相当である。
四 損害
(一) 積極的損害
1 付添看護費
原告の前記のごとき後遺障害の程度に照らすと、原告は昭和四七年六月以降平均余命の期間である四六年間、概ね一日当り一、〇〇〇円を下らない付添看護費の支出を余儀なくされることが推認され、これの事故時の現価を、本判決言渡時まではホフマン式により、それ以降はランプニッツ式により年五分の割合による中間利息を控除して算出すると五八三万四、〇五〇円となる。
原告は、一日当り二、五〇〇円のの支出を余儀なくされると主張するが、右後遺症状に照らすとこれを認めることはできない。
(高山晨 田中康久 大津千明)