東京地方裁判所 昭和46年(借チ)1068号 決定
〔主文〕申立人が本裁判確定の日の翌日から三か月以内に相手方に対し金七万円を支払うことを条件に、別紙目録(二)の2記載の増改築を許可する。
〔理由〕一 本件申立の要旨
(一) 申立人は、昭和三八年六月一五日相手方から別紙目録(一)記載の土地(以下「本件土地」という。)を期間二〇年の約で賃借し、現地代は、一か月金二、〇五〇円(3.3平方米当り金八五円)である。
(二) 申立人は、本件土地のうえに、同目録(二)の1記載の建物を所有しているが、これを同目録(二)の2のとおり増改築すべく計画中であるが、本件賃貸借契約には、増改築につき賃貸人の承諾を要する旨の特約が存し、相手方との協議が調わないので、賃貸人の承諾に代わる許可の裁判を求める。
二 当裁判所の判断
本件で取調べた資料によれば前記一の事実(たゞし、本件賃貸借は、昭和二五年申立人が黒沢修次から賃借人たる地位を承継し、昭和三八年六月一五日更新料金四万円を支払つて合意のうえ更新したものである。)および本件増改築計画は土地の利用上、法令の制限上適法かつ相当であることが認められる。他に右計画を不当とする事由はない。そこで、本件増改築は後記の条件の下に許可することとする。
附随の処分について判断する。
鑑定委員会は、本件土地価格を金一六一、二〇〇円とし、申立人に対し、その1.7%にあたる金七〇、〇〇〇円の給付金の支払を命ずるのを相当としている。
当裁判所も、本件賃貸借の経緯、特に合意更新後でなお約一〇年の残期間が存することおよび本件増改築の程度にかんがみ右意見を相当と認める。(筧康生)
目録
(土地)
東京都墨田区墨田一丁目一二六二番地
宅地 816.72平方米
のうち、76.29平方米(23.08坪)
目録
1 現存建物
東京都墨田区墨田二丁目一二六二番地
家屋番号 三一五番
木造瓦葺平家建居宅
33.05平方米(現況約38.93平方米)
2 増改築計画
現存建物中約5.27平方米を改築し、二階部分(木造瓦葺モルタル塗り)24.46平方米を増築する。