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東京地方裁判所 昭和46年(特わ)1007号 判決 1971年12月11日

主文

被告人を懲役四月に処する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、

第一、公安委員会の運転免許を受けないで、昭和四六年三月一五日午前八時三〇分頃東京都杉並区天沼二丁目一六番地付近道路において普通貨物自動車を運転し、

第二、右日時頃同所付近道路において前同車を運転し天沼三丁目から天沼一丁目方面に向け時速約三〇キロメートルで進行中、付近の交通整理が行われていない交差点にさしかかつて直進するに際し、自車の進行する道路の幅員が約五・八メートル、左右道路の幅員が約七・七メートルで、同交差点の右手前角は高さ約一・八メートルの石塀、左手前角は高さ約一・五メートルの生垣となつており、同交差点の手前では左右道路に対する見とおしがきかないから、徐行しなければならないのに、同じ速さのまま同交差点に進入しようとしたところ折柄右方道路から同交差点に進入して来た普通乗用自動車を避けるため急制動をかけたが及ばず同交差点内に進入、同車に衝突してしまい、もつて同交差点に進入するに際して徐行せず、

第三、右日時頃同所付近道路において前同車を運転中、付近交差点の右方道路から同交差点に進入して来た春山好夫の運転する普通乗用自動車に自車を衝突させて相手車両を損壊する交通事故を起こしたのに、その事故発生の日時・場所、損壊した車両、損壊の程度を直ちにもよりの警察署の警察官に報告しなかつた

ものである。

(証拠の標目)(省略)

(法令の適用)

被告人の判示第一の所為は道路交通法六四条一一八条一項一号、同第二の所為は同法四二条一一九条一項二号、同第三の所為は同法七二条一項後段一一九条一項一〇号にそれぞれ該当するところ、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから所定刑中いずれも懲役刑を選択したうえ同法四七条本文一〇条により最も重い第一の罪の所定刑に法定の加重をした刑期範囲内で、被告人を懲役四月に処する。

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