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東京地方裁判所 昭和48年(特わ)164号 判決 1973年4月09日

被告人

1. 本店所在地 東京都渋谷区本町三丁目三〇番地

法人名

有限会社協同新聞出版発送所

代表者

取締役 林見太吉

2.

本籍 東京都渋谷区本町三丁目三〇番地八

住居

東京都渋谷区本町三丁目三〇番二号

職業

会社役員

氏名

林見太吉

生年月日

大正元年八月二五日生

被告事件

1、2とも法人税法違反被告事件

出席検察官

三ッ木健益

主文

1  被告人有限会社協同新聞出版発送所を罰金七〇〇万円に、

被告人林見太吉を懲役六月に

それぞれ処する。

2  被告人林見太吉に対し、本裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人有限会社協同新聞出版発送所は、東京都渋谷区本町三丁目三〇番地の八に本店を置き、新聞ならびに出版物の荷造発送を目的とする資本金五〇〇、〇〇〇円の会社であり、被告人林見太吉は、被告人会社の取締役として同会社の業務全般を統括掌理しているものであるが、被告人林見は被告人会社の業務に関し法人税を免れようと企て、収入金の一部を除外して簿外預金を設定するなどの方法により被告人会社の所得を秘匿したうえ、

第一、昭和四四年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告人会社の実際所得金額が別紙第一記載のとおり四二、三六六、八四八円あつたのに、昭和四五年二月一八日、東京都渋谷区宇田川町一番三号所在の所轄渋谷税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一、一九〇、四二五円で、これに対する法人税額が三〇三、二〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、被告人会社の右事業年度における正規の法人税額一四、五七四、一〇〇円と右申告税額との差額一四、二七〇、九〇〇円については、法定の納期限までにこれを納付せず、

第二、昭和四五年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告人会社の実際所得金額が別紙第二記載のとおり二四、四七四、八五三円あつたのに、昭和四六年二月二五日、前記所轄渋谷税務署において同税務署長に対し、所得金額が七、七二六、〇二七円で、これに対する法人税額が二、三〇九、五〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、被告人会社の右事業年度における正規の法人税額八、四二六、六〇〇円と右申告税額との差額六、一一七、一〇〇円については、法定の納期限までにこれを納付せず、

第三、昭和四六年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告人会社の実際所得金額が別紙第三記載のとおり四一、一二三、四四五円あつたのに、昭和四七年二月二九日、前記所轄渋谷税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一二、五五七、六八四円で、これに対する法人税額が四、〇六三、七〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、被告人会社の右事業年度における正規の法人税額一四、五三八、〇〇〇円と右申告税額との差額一〇、四七四、三〇〇円については、法定の納期限までにこれを納付せず、

もつて、いずれも不正の行為により右各差額の法人税を免れた(右各事業年度の法人税額の算定は別紙第四記載のとおり)ものである。

(証拠の標目)

一、被告人林見の当公判廷における供述

一、被告人林見の検察官に対する供述調書三通ならびに同被告人に対する大蔵事務官の質問てん末書四通

一、登記官吏認証の登記簿謄本

一、池田はま子の検察官に対する供述調書ならびに同人に対する大蔵事務官の質問てん末書

一、林見栄造に対する大蔵事務官の質問てん末書

一、曽我連由作成の「個人預金の明細表等について」「仮名無記名預金の明細表等について」「修正申告書等の写の提出について」と題する各書面

一、久保泰啓作成の「林見太吉氏との取引について」「預金取引内容について」と題する各書面

一、井上富三作成の「預金取引内容について」と題する書面

一、岩崎光義作成の「預金取引内容について」と題する書面

一、山下実、高橋叔子、山田澪子、岡崎省三、矢島栄作成の各回答書

一、高橋叔子、山田澪子、岡崎省三の検察官に対する各供述調書

一、大蔵事務官高田泰作成の「簿外立替金計算書」「個人収支計算書」「給料計算書」「未納事業税計算書」

一、渋谷税務署長認証の法人税決議書謄本

一、押収してある昭和四四年分法人税確定申告書一綴(昭和四八年押第463号の1)、昭和四五年分法人税確定申告書一綴(同押号の2)、昭和四六年分法人税確定申告書一綴(同押号の3)、領収証等綴一綴(同押号の7)昭和四五年分元帳一冊(同押号の9)、振替伝票一綴(同押号の15)、昭和四六年分総勘定元帳一綴(同押号の16)

(法令の適用)

一、罰条と刑種の選択

被告人会社につき法人税法一五九条、一六四条一項

被告人林見につき同法一五九条(懲役刑選択)

一、併合加重

被告人会社につき刑法四五条前段、四八条二項

被告人林見につき同法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情最重の判示第一の罪の刑に法定の加重)

一、執行猶予

被告人林見につき刑法二五条一項

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 池田真一)

別紙第一

修正貸借対照表

有限会社 協同新聞出版発送所 昭和44年12月31日

<省略>

<省略>

別紙第二

修正貸借対照表

有限会社 協同新聞出版発送所 昭和45年12月31日

<省略>

<省略>

別紙第三

修正貸借対照表

有限会社 協同新聞出版発送所 昭和46年12月31日

<省略>

<省略>

別紙第四 ほ脱税額計算書

有限会社 協同新聞出版発送所

昭和44年1月1日~昭和44年12月31日

昭和45年1月1日~昭和45年12月31日

昭和46年1月1日~昭和46年12月31日

事業年度分

<省略>

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