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東京地方裁判所 昭和49年(特わ)718号 判決 1974年11月20日

被告人

本店所在地

東京都大田区上池台三丁目一三番一号

株式会社大岩機器工業所

右代表者代表取締役

大岩順二

本籍

同都同区上池台四丁目二三六番地

住居

同都同区上池台四丁目四二番二〇号

職業

会社役員

大岩順二

明治三九年三月一七日生

事件名

法人税法違反

出席検察官

河野博

主文

被告人株式会社大岩機器工業所を罰金二、八〇〇万円に、被告人大岩順二を懲役一年二月に処する。

被告人大岩順二に対し、この裁判確定の日から三年間その刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人株式会社大岩機器工業所(以下被告会社という。)は、東京都大田区上池台三丁目一三番一号に本店を置き、ポンプ・冷凍機・送風機の据付販売及び修理等を目的とする資本金三、〇〇〇万円の株式会社であり、被告人大岩順二は、被告会社の代表取締役として同会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人大岩順二は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上を繰延べ、架空仕入を計上するなどして所得を秘匿したうえ、

第一、昭和四五年四月一日から同四六年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が三一八、九一七、六四四円あつたのにかかわらず、昭和四六年五月三一日、東京都大田区雪谷大塚町四丁目一二番地所在所轄雪谷税務署において、同税務署長に対し、所得金額が九七、八六二、一七一円でこれに対する法人税額が三三、六五九、五〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて右不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額一一四、八八八、五〇〇円と右申告税額との差額八一、二二九、〇〇〇円を免れ(別紙第一、第三)

第二、昭和四六年四月一日から同四七年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が二八一、五三一、四八三円あつたのにかかわらず、昭和四七年五月三〇日、前記雪谷税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一五七、七六一、二三八円でこれに対する法人税額が五五、二四六、九〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて右不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額一〇〇、六九七、二〇〇円と右申告税額との差額四五、四五〇、三〇〇円を免れ(別紙第二、第四)

たものである。

(証拠の標目)(証拠書類については検察官の証拠請求番号をかつこ内に示す。)

一、被告会社代表者大岩順二の収税官吏に対する各質問てん末書(乙1、2)

一、同人の検察官に対する供述調書(乙3)

一、次の者の作成にかかる各上申書

根来春男(甲一2、3、4、12、13、21、25)、冨永新男(甲一45)、藤井晃(甲一46、47)、中川圭司(甲一48)、稲垣岩三郎(甲一22)

一、次の者の作成にかかる各調査書

川崎昭治(甲一8、9、10、14、15、17、27、35、49、51)大沢重(甲一11)、戸田徳松(甲一30)、横田実(甲一32、33、34)

一、次の者に対する収税官吏の各質問てん末書

稲垣岩三郎(甲一20)、山路一男(甲一24)、根来春男(甲一37、38)、中川圭司(甲一39)

一、次の者の作成にかかる各回答書

額田ふさ子(甲一26)、黒田隆治(甲一29)

一、次の者の作成にかかる各証明書

株式会社三菱銀行新橋支店(甲一31)、西脇秀夫(甲一40、41、42)、増田勝志(甲一43、44)、木村幸二(甲一50、54)

一、戸田徳松作成にかかる検査てん末書(甲一36)

一、次の証拠物

総勘定元帳綴(45・4~46・3)一冊(当庁昭和四九年押第一一〇三号の二)、同元帳綴(46・4~47・3)一冊(同号の三)、メモ等一袋(同号の三八)、預金利息計算書等一袋(同号の三九)、法人税確定申告書三綴(同号の五七、五八、五九)

(法令の適用)

被告人株式会社大岩機器工業所の判示各所為は、いずれも法人税法一五九条一項、一六四条一項に該当するが、免れた法人税の額が、いずれも五〇〇万円をこえているので、情状により、同法一五九条二項を適用し、以上は刑法四五条前段の併合罪なので、同法四八条二項により各罪所定の罰金の合算額の範囲内で同被告人を罰金二、八〇〇万円に処し、

被告人大岩順二の判示各所為はいずれも法人税法一五九条一項に該当するが、各所定刑中いずれの罪についても懲役刑を選択し、以上は刑法四五条前段の併合罪なので、同法四七条本文、一〇条により犯情の重い判示第一の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で同被告人を懲役一年二月に処し、情状により同法二五条一項を適用してこの裁判の確定した日から三年間右刑の執行を猶予することとする。

(裁判官 日浦人司)

別紙第二(その一)

修正損益計算書

株式会社大岩機器工業所

自 昭和45年4月1日

至 昭和46年3月31日

<省略>

別紙第二(その一)

修正損益計算書

株式会社大岩機器工業所

自 昭和46年4月1日

至 昭和47年3月31日

<省略>

別紙第三

脱税額計算書

自 昭和45年4月1日

至 昭和46年3月31日

<省略>

税額の計算

<省略>

別紙第四

脱税額計算書

自 昭和46年4月1日

至 昭和47年3月31日

<省略>

<省略>

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