東京地方裁判所 昭和51年(ワ)11198号 判決
一 原告が本件特許権の特許権者であること及び本件特許発明の願書に添附した明細書に記載された「特許請求の範囲」が請求の原因二1のとおりであることは、当事者間に争いがない。
二 右争いのない事実と成立に争いのない甲第二号証(本件特許公報)の記載(ただし、特許請求の範囲の欄の最末行の一行は、誤植による余事記載と認める。)によれば、本件特許発明は、メリーゴーランド玩具用花弁の製造方法に関するものであつて、
(A) 合成樹脂製素材を電熱器にて加熱する第一工程、
(B) 焼き板の上で熱せられた砲金製の雌型の中に右合成樹脂製素材を入れ、プレス機械の下で雄型で圧しつけて花弁を打ち抜く第二工程、
(C) 絞り出しと穴穿け加工とを同時に行う第三工程、
(D) 花弁の中心に開口した心棒孔に針によつて吊紐を挿入する第四工程
をその構成要件とするものと認められる。
三 しかして、被告がメリーゴーランド玩具用花弁を製造、販売していることは当事者間に争いがないが、その製造のために被告が使用している方法が、原告が主張するようにイ号方法であること、したがつてイ号方法中の(B)´、(C)´、(D)´の構成を有するものであるとの事実を認めるに足る証拠がない((A)´の構成を有するものであることは被告の認めるところである。)から、被告がイ号方法を使用していることを前提として、被告に対し、イ号方法によりメリーゴーランド玩具用花弁の製造販売をすることの差止及び損害賠償の支払を求める原告の請求は、その余の点について判断するまでもなく、理由がない。
四 よつて、原告の本訴請求はいずれもこれを棄却する。