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東京地方裁判所 昭和51年(行ウ)140号 判決 1979年4月23日

原告 森とみ子

被告 国

代理人 藤村啓 桜井卓哉 ほか七名

主文

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  原告

(一)  原告が一般職に属する国家公務員である地位を有することを確認する。

(二)  訴訟費用は被告の負担とする。

二  被告

主文同旨

第二当事者の主張

一  原告の請求原因

(一)  郵政省東京地方貯金局長(以下単に東京貯金局長という。)は、郵政大臣から東京地方貯金局(以下単に東京貯金局という。)に勤務する臨時補充員たる一般職に属する職員を含む一定範囲の職員に対する任命権を委任されているものであるが、原告は昭和四九年二月一日同局長より同局に勤務する被告の一般職に属する職員である臨時補充員として採用された。

(二)  しかるに被告は同五一年三月三一日以降原告が被告の一般職の職員である地位にあることを争つている。

(三)  よつて原告は原告が一般職に属する国家公務員である地位を有することの確認を求める。

二  請求原因に対する被告の認否

請求原因一、二の事実は認め、三は争う。

三  被告の抗弁

(一)  東京貯金局長は、同四九年一月中旬頃、東京貯金局の休職者を補充するため、国公法第六〇条、人事院規則八―一二第一六条、第一七条及び同規則八―一三第四条により任命される臨時補充員を募集したところ、原告がこれに応募してきたので、選考の上同年二月一日から同年七月三一日までの任期とする臨時補充員に任用し、同日原告に対し、任用期間の満了により臨時補充員を免じ、翌八月一日任期を同五〇年一月一八日までとする臨時補充員に再び任用(以下同四九年二月一日から同五〇年一月一八日までの任用を第一回任用という。)した。

同局長は右任用期間満了日の約一か月前の同四九年一二月一七日原告に対して解雇予告を行ない、同五〇年一月一八日任用期間の満了により臨時補充員を免じ、同月二〇日原告に対して国家公務員等退職手当法に基づき退職手当を支給した。

(二)  東京貯金局では郵便振替の機械化(EDPS化)を企画し、その実施に伴なう定員削減を予定し、欠員を生じた官職については一年以内に廃止されることが予想されるものとして臨時補充員をもつて補うこととし、同月下旬頃同局長が同局において生じた欠員を補充するため臨時補充員を募集したところ、原告がこれに応募してきた。そこで同局長は選考のうえ同月二七日から同年七月二六日までの任期とする臨時補充員に任用し、同日任用期間満了により臨時補充員を免じ、同月二七日任期を同年一二月二六日までとする臨時補充員に再び任用(以下同年一月二七日から同年一二月二六日までの任用を第二回任用という。)した。

同局長は右任用期間満了日の約一か月前の同年一一月二五日原告に対し解雇予告を行ない、同年一二月二六日任用期間の満了により臨時補充員を免じ、同月二七日原告に対して国家公務員等退職手当法に基づき、退職手当を支給した。

(三)  同局長は同様に欠員補充のため同五一年一月中旬頃臨時補充員を募集したところ、原告がこれに応募してきたので、選考の上同月三〇日から同年三月三〇日までの任期とする臨時補充員に任用(以下同年一月三〇日から同年三月三〇日までの任用を第三回任用という。)し、右任用期間満了日の約一か月前の同年二月二八日原告に対し解雇予告を行ない、同年三月三〇日任用期間の満了により臨時補充員を免じた。

(四)  右任用歴から明らかなとおり、原告は第一回任用については同五〇年一月一八日の期間満了により身分を失い、また同五一年三月三一日以降一般職の職員としての身分を有していないものである。

四  抗弁に対する原告の認否

抗弁(一)ないし(三)のうち被告の臨時補充員募集が東京貯金局の休職者、及び欠員を補充するためであるとの点及び臨時補充員任命の根拠法令については知らない。(一)ないし(三)のその余の事実は認める。

五  原告の再抗弁

(一)  国公法は労働基本権の保障という憲法的要請を受けて国家公務員任用の根本基準として身分保障(同法一条一項)を掲げているが、その趣旨からすれば職員の任用については任期の定めのない任用を原則として定めたものと解すべきであり、少くとも恒常的に置く必要のある常勤の職員ないし勤務の実態が常勤の職員と同様であるような職員については職員としての身分を保障し、安んじてその職務に専念させ、もつて公務の能率的運用に資するために期限の定めなしに任用するのが国公法の建前というべきである。従つて、職員の任期を定めた任用はそれを必要とする特段の事由が客観的かつ具体的に存在し、かつ任期を定めることが右法の趣旨に反しない場合に限定して許されると解すべきであり、国公法六〇条の臨時的任用の規定は国公法の原則に対する例外の規定であつてその適用解釈は厳格でなければならないのである。

(二)  郵政省当局は昭和四七年頃より郵政事業のオンライン計画の研究に着手し、大規模な合理化計画の実施を図つてきたが、全逓信労働組合はこれを労働者に犠牲を強いる合理化計画として強く反対してきた。同組合東京貯金局支部(以下単に組合という。)も活発な反対活動を展開してきたのであつて臨時補充員の大量導入は将来の合理化実施の際の組合側の強い抵抗を回避するためになされたことが明らかである。正規の職員を採用することが可能であり、身分の不安定な臨時補充員を採用しなければならない必然性と合理性は何らないのに合理化の際の過員の解消を容易になすために大量の臨時補充員を採用し、習熟すれば他の職務に配転させて、組合員と親しくなるのを妨げ、組合加盟を阻止し、形式的には任用の更新の限度を回避するために任用を繰返してきたのである。被告は臨時補充員の法令上の根拠として人事院規則八―一二第一六条一項二号をあげるが、東京貯金局における臨時補充員なる官職は一年に満たない期間内に廃止されることが予想される臨時的なものではなく、その性格・実態は同号に該当しないのである。

(三)  以上のとおり本件臨時補充員の採用は本来任期の定めのない正規職員を採用すべきであるのに、その採用によつて生ずる身分保障の適用を回避するという国公法の趣旨、目的に反する意図に基づいてなされたもので、原告に対する任用において任期を定めて処遇したことは合理的根拠のない差別待遇として憲法一四条、二七条に違反し、右第一ないし第三回任用の各任期の定めは国公法一条に反して無効である。また、かかる脱法的意図のもとに原告は任用されたのであるから被告は本件訴訟において任期の定めを主張することは許されない。

六  再抗弁に対する被告の答弁と主張

(一)  再抗弁(一)のうち国公法一条一項が国家公務員任用の根本基準の一つとして身分保障を掲げていることは認め、その余は争う。

(二)  同(二)のうち郵政省が郵政事業のオンライン計画の研究実施に着手し、人員削減を図つてきたこと、被告が原告任用(第二、第三回任用)の法令上の根拠として人事院規則八―一二第一六条二号にあげていることは認め、その余は争う。

(三)  同(三)は争う。

(四)  被告の主張

第一回任用は東京貯金局における休職者の後補充であつて第二、第三回任用とは何ら関連性がない。

第二、第三回任用は郵便振替の利用の増加対策として従来手作業にたよつていた郵便振替の受払記録などの口座事務の機械化が企画、導入されることになつたため、その実施後は定員の削減が余儀なくされるので生じた欠員については臨時補充員を任用して補うことにしたのである。このような方法をとらないときはいたずらに過員を発生せしめ、経費は上昇し、事業目的を達成することもできなくなるのであつて、臨時補充員は国公法の定める競争試験或は選考といつた成績主義の原則の例外として一定の緩やかな要件のもとに任用されるのであるから任期の定め、その他の取扱いが正規の職員と異なる点があるのは国公法の是認するところであり、原告の身分保障を奪うとか不合理な差別であると非難することはできないのである。

第三証拠 <略>

理由

一  請求原因(一)、(二)の事実は当事者間に争いがない。

二  そこで次に抗弁、再抗弁について判断する。

(一)  東京貯金局における原告の地位と任免手続及び任免の経緯の概要

1  抗弁(一)ないし(三)のうち原告に対する臨時補充員任免の手続、任用の期間及び第一、第二回任用後の退職手当支給の事実についてはいずれも当事者間に争いがない。

2  そこで一般職に属する国家公務員の臨時的任用職員の任免手続、任用期間等につき法規の規定を概観すると国公法六〇条は「任命権者は人事院規則の定めるところにより、緊急の場合、臨時の官職に関する場合又は任用候補者がない場合に六月を越えない任期で臨時的任用を行なうことができる。」と定めている。同法条をうけて人事院規則八―一二第一六条一項は常勤官職欠員の際に臨時的任用を行うことができる場合として「<1>当該官職に採用、昇任、転任、配置転換又は降任の方法により職員を任命するまでの間欠員にしておくことができない緊急の場合、<2>当該官職が臨時的任用を行なう日から一年に満たない期間内に廃止されることが予想される臨時のものである場合、<3>当該任用候補者名簿がない場合又は任用候補者名簿による職員の任用についての第八条若しくは第一二条第一項後段の規定による任命すべき者の選択の範囲に入るべき者が五人に満たない場合」を掲げ、更に退職に関して同規則七四条一項は「次の各号の一に該当する場合においてその任用が更新されないときは、職員は当然退職するものとする。」と規定して一号として「臨時的任用の期間が満了した場合」をあげている。また、<証拠略>によれば郵政省では右各法条と人事院規則八―一三第四条に基づき「郵政省臨時補充員任用規程」(昭和二八年公達第一二七号、以下単に「任用規程」という。)及び郵政省臨時補充員任用規程の運用について」(郵人人第五四〇号の二、以下単に「運用通達」という。)を定めて臨時補充員制度を採用し、「運用通達」第二条関係は右臨時補充員を任用しうる事由として「<1>休職者が発生した場合、<2>郵政事業の合理化等に伴ない過員の発生が予想される局所またはその周辺の局所において欠員が発生した場合、<3>国家公務員採用試験の結果に基づき作成された採用候補者名簿に記載されている者のうち、当該官職への採用を希望する者がいない場合および郵政省職員採用規程別紙「職員採用試験実施要綱」に基づく採用試験合格者がいない場合」を定めていることが認められる。

3  更に<証拠略>を総合すると原告任用の経緯について次の事実が認められる。

(1) 第一回任用について

昭和四九年一月はじめ頃東京貯金局では前記「運用通達」第二条関係三項による臨時補充員任用の選考が行なわれた。同選考における応募資格は一八才以上で教養、人物、作文の各試験及び適性、身体の各検査が行なわれるなど郵政省職員の採用選考に準じることになつており、任用後は郵政研修所初等部前期訓練を受け、その修了後は職員採用試験合格者とみなされ、郵政事務官に任用される予定の者であつた。原告(当時姓は荒巻)は右選考に応募し、不合格となつたが、東京貯金局ではたまたま休職者があり、令達のあつた前記「運用通達」第二条関係一項に基く休職後補充の臨時補充員として採用することとし、その旨原告に連絡して右臨時補充員の選考に応募させ、選考資料は前記人物試験及び身体検査の結果を援用し、他の応募者については所定の人物試験、身体検査を実施し、原告を含め合計九名の臨時補充員の採用を決定した。同年二月一日原告は臨時補充員に任用され、同日その旨の辞令書の交付を受け、為替部第二為替課に配属されたが、同辞令書には任期を同年七月三一日とする旨明記してあり、また辞令書交付にあたつて貯金局係官から臨時補充員の地位、待遇等についての説明がなされた。

(2) 第二回任用

送金決済の手段としての郵便振替は全国的に行なわれていたが、更に漸増の傾向にあつた。そこで郵政省では事務処理の効率化を図るため、郵便振替の受払記録などの口座事務の機械化(以下単にEDPS化という。)が企画され、それに伴なう人員の削減については機械化による要員削減効果が直ちにはあらわれないこともあつて退職者等の欠員については臨時補充員を任用して補い、その後定員減を行なう方法によることになり、EDPS化に関連する労使間交渉が行なわれた後、同年一二月にはじめて同局に機械の設置がなされたのをはじめ、漸次EDPS化が実施された。

東京貯金局では新聞広告により、或は職安等を通じて右EDPS化実施に伴なう臨時補充員を募集し、任用していたが、原告に対しても更に任用を希望するか否かを確認したところ原告は応募する旨回答した。同局では臨時補充員に対して日頃から任用に期限が付されていること、従つて将来性がないので他に職を捜すよう各人の注意を喚起していたが、任用期間満了後の臨時補充員について更に応募する場合これを拒否する理由もなかつたので原告に対しては第一回任用と継続した任用期間にならないよう第一回任用について退職の手続をし、第二回任用のための人物試験等を実施(但し、第一回任用期間中である。)したうえ、第二回任用をして原告を第一回任用と同じ為替部第二為替課に配属した。

(3) 第三回任用について

第二回任用期間満了後原告は組合を通じてEDPS化に伴なう臨時補充員に採用されるよう同局と交渉した。同局においてそれまで臨時補充員を三回任用された事例はなかつたが、同局長は採用を決め、同五一年四月に定員削減が予定されていたので任用期限を同年三月三〇日までとして原告を臨時補充員に任用した。

なお東京貯金局ではEDPS化に伴い、同年四月一日に七二名の定員削減が行なわれ、更に同五二年三月末をもつて同局の臨時補充員は全て退職し、同年四月一日に一一七名の定員削減が行なわれてEDPS化は完了した。

以上の事実が認められ、右認定を覆えすに足る証拠はない。

(二)  右国公法六〇条をはじめ臨時補充員関係法規等によれば郵政省における臨時的職員である臨時補充員は期限を付して任用され、一回を限度として再任用されることがあるが、任用期間(再任用されたときはその期間)が満了した時は当然退職するという法規制を受けていることが明らかである。そうすると右当事者間に争いのない原告に対する臨時補充員任免の手続、任用期間によれば原告は第一回任用については同五〇年一月一八日をもつて、第二回任用については同五一年一二月二六日をもつて、第三回任用については同五一年三月三〇日をもつて、それぞれ期間満了により臨時補充員の身分を喪失したということができる。

従つて抗弁は理由がある。

(三)  原告は任用期限を付した原告ら臨時補充員の任用についてはそれを必要とする特段の事由があるときのみ許される旨主張するが、法律上の明文根拠規定のない期限付任用の場合は格別、臨時的任用は国公法自体が六〇条において規定し、許容するところであるから、国公法の定める成績主義の原則を阻害しないよう留意しつつ、緊急の場合等に公務の円滑な運営を図るとの同規定が設けられた趣旨及び同法の臨時的任用職員についての処遇の規定に従つて当該職員を処遇する限り不当な差別とか違法であるとかいうことはできないのである。

原告は臨時補充員の身分が不安定であるのに正規の職員と同様の業務に就かせるのは不当な差別である旨主張するが、臨時補充員は常勤職員に欠員の生じた場合に任用されるのであるからその職務内容について正規の職員と格別の差異がない運用がなされるのは当然である。原告本人尋問の結果によれば原告は臨時補充員として任用されていた間終始任用期間満了後の再任用について不安を感じ、慎重な行動をとらざるを得なかつたことが認められるが、それも任用に期限が付され、分限について国公法七五条(身分保障)等の適用が排除されているなどの臨時的職員の地位に鑑みればやむを得ないものであつて、そのほかの勤務時間、休暇等について臨時的職員であることを理由に被告が原告を不利益に取扱つたことを認めるに足る証拠はない。またEDPS化に伴う臨時補充員は人事院規則八―一二第一六条一項二号の予定しないところであるとの原告の主張についてみても事業の合理化に伴う過員の発生を理由に分限に付する(国公法七八条四号)ことは職員の地位を不安定ならしめ、望ましいことではないことを考えると、同項同号は本件のように事業の機械化、合理化により過員の発生、定員削減が近く予想される場合の臨時的任用を否定しているとは解されないし、<証拠略>によれば、EDPS化に伴い削減された定員は合計一八九名であるのに任用された臨時補充員数が一時期それを越えたことがあつたことが認められるが、それは東京貯金局における減員の見通しの齟齬にすぎないと評価し得るのであつて、右各証拠によればEDPS化に伴う臨時補充員が最初に任用された同四九年二月から完了した同五二年三月三一日までの間、臨時補充員の任用は自然減により生じた欠員数の範囲内で、即ち定員から現在員を控除した枠内でなされたことが認められるから原告ら臨時補充員の任用が国公法の定める臨時的職員任用の制度を濫用し、その目的を逸脱してなされたとまでいうことはできない。

また原告は原告ら臨時補充員の任用は組合の合理化反対闘争を回避するためであるとか、臨時補充員が組合に加入するのを阻止したと主張するが、これを認めるに足る証拠はないし、その主張のような事実が存するからといつて原告が前記国公法の定める臨時的職員の地位と異なつた法的地位を取得し、処遇されるべき理由はない。

原告は第一ないし第三回の各任用は一体としての任用であり、これによつて期限の定めのない公務員関係が発生した趣旨の主張をし、原告に対する合計任用期間が二年余にわたつたこと、原告は第一回任用中に第二回任用について応募し、人物試験も受けるなど一部原告が継続した任用を期待する事情があつたことは前記認定のとおりであるが、期限付任用と任期の定めのない任用とは性質を異にする別個の任用行為であり、常勤職員の任用行為は厳格な要式行為であるから(人事院規則八―一二第七五条)、任命権者による任期の定めのない職員への任用行為がなければ、任期の定めのない職員への任命が有効に成立し得る余地はないのである(なお、東京貯金局長が原告を期限の定めのない職員に任用したというのであれば、国公法六〇条一項に違反する任用として任用自体が同条三項により取消されるべきものである。)。原告に対する第一ないし第三回の任用行為はその辞令書の記載形式に照らして任期の定めのない任用行為といえないことは明らかであるし、また前記のとおり第一回任用は第二、第三回任用と異なり、休職者後補充としての任用であるうえ、同じ臨時補充員ではあるが任用期限の定めのない郵政省職員となるべき途が開かれた選考に不合格となつた後、休職後補充の臨時補充員に応募して任用された第一回任用の経緯と東京貯金局では再三にわたり原告らに身分保障がない旨注意を喚起し、第一、第二回任用期間満了の際は退職金支給など所定の退職の手続をとり、一定の期日をおいて任用するなど任用が継続しているとの誤解のないよう配慮していた事実及び第三回任用においても原告は組合を通じての交渉により任用された経緯に徴すると原告は将来身分を失うことを知悉しながら任用されてきたというほかないから原告の右主張は採用することができない。

以上のとおり原告に対する臨時補充員としての処遇は国公法の定める臨時的任用による職員制度を逸脱してなされたものではなく、従つて任用期限は有効と解するほかないから原告の再抗弁は採用しない。

三  結論

よつて原告の請求は理由がないからこれを棄却し、訴訟費用の負担については民訴法八九条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判官 牧弘二)

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