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東京地方裁判所 昭和53年(ワ)1170号 判決 1979年9月05日

原告(反訴被告) 菊池ノブ子 ほか四名

被告(反訴原告) 国 ほか一名

代理人 石川達紘 鈴木実 ほか五名

主文

一  原告(反訴被告)らの本訴請求をいずれも棄却する。

二1  反訴原告(被告国)と反訴被告(原告)らとの間において、別紙物件目録記載の土地につき、反訴原告(被告国)が所有権を有することを確認する。

2  反訴被告(原告)らは、反訴原告(被告国)に対し、前項の土地につき、昭和一九年九月五日ころの売買を原因とする所有権移転登記手続をせよ。

三  訴訟費用は、本訴反訴を通じて、原告(反訴被告)らの負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  原告(反訴被告)ら

1(一)  別紙物件目録記載の土地が原告(反訴被告)らの共有に属することを確認する。

(二)  被告国(反訴原告)及び被告東京部は、各自、原告(反訴被告)らに対し、昭和五〇年一〇月四日から前項の土地を原告(反訴被告)らに明け渡すまで一か月金七万円の割合による金員を支払え。

2  反訴原告(被告国)の反訴請求をいずれも棄却する。

3  訴訟費用は、本訴反訴を通じて、被告国(反訴原告)及び被告東京都の負担とする。

4  1項(二)につき仮執行の宣言

二  被告国(反訴原告)

1  本訴

主文第一項と同旨

2  反訴

(一) 主文第二項1と同旨

(二)(1) 主位的請求の趣旨

主文第二項2と同旨

(2) 予備的請求の趣旨

反訴被告(原告)らは、反訴原告(被告国)に対し、別紙物件目録記載の土地につき、

(第一次的請求)

昭和一九年一一月一三日時効取得を原因とする

(第二次的請求)

昭和三七年四月二七日時効取得を原因とする

所有権移転登記手続をせよ。

3  訴訟費用

主文第三項と同旨

4  仮執行免脱の宣言

本訴請求の趣旨1項(二)につき、担保を条件とする仮執行免脱の宣言

三  被告東京都

1  主文第一、三項と同旨

2  本訴請求の趣旨1項(二)につき、担保を条件とする仮執行免脱の宣言

第二当事者の主張

(本訴)

一  原告(反訴被告。以下「原告」という。)らの請求原因

1 別紙物件目録記載の土地(以下「本件土地」という。)は、訴外亡菊池正登(以下「亡正登」という。)の所有であつたところ、同人は、昭和四〇年一二月二八日死亡し、同人の妻である原告菊池ノブ子及び子であるその余の原告らが相続により本件土地の所有権を承継取得した。

2 被告国(反訴原告。以下「被告国」という。)及び被告東京都(以下、両者併せて「被告ら」という。)は、昭和五〇年一〇月四日以前より本件土地を占有している。

3 被告らは、本件土地が原告らの共有に属することを争うので、原告らは、本件土地が原告らの共有に属することの確認を求めるとともに、被告ら各自に対し、昭和五〇年一〇月四日から本件土地を原告らに明け渡すまで相当賃料額一か月金七万円の割合による損害金の支払を求める。

二  請求原因に対する被告らの認否

1 請求原因1項のうち、本件土地が亡正登の所有であつたこと、同人は昭和四〇年一二月二八日死亡し、原告らがその主張のとおり同人の相続人であることは認めるが、原告らが本件土地の所有権を承継取得したことは争う。

2 同2項の事実は認める。

3 同3項は争う。

三  被告らの抗弁

1 売買

被告国(所管庁旧海軍省)は、昭和一九年九月五日ころ、亡正登との間において、同人から本件土地を旧海軍八丈島飛行場の敷地として代金一四五四円で買い受ける旨の売買契約(以下「本件売買契約」という。)を締結した。

2 時効取得

(一)(1) 被告国は、本件売買契約締結後遅くとも昭和一九年一一月一三日には亡正登から本件土地の引渡しを受けて占有を開始し、それから一〇年後の昭和二九年一一月一三日を経過した時点においても本件土地を占有していた。

(2) 被告国は、亡正登から本件土地を買い受けてその占有を開始したものであるから、本件土地が被告国所有のものであると信ずべき正当の理由があり、無過失である。

(二) 仮に、前項(2)の事実が認められないとしても、被告国は、昭和一九年一一月一三日から二〇年後の昭和三九年一一月一三日を経過した時点においても本件土地を占有していた。

(三) 仮に、前記(一)、(二)項の事実が認められないとしても、

(1) 被告国は、昭和三七年四月二七日、旧海軍八丈島飛行場敷地のうち本件土地を含む実測七三四五・三七坪の土地を被告東京都に対し八丈島亜熱帯植物公園用地として貸し付け、同被告を占有代理人として本件土地の占有を開始し、それから一〇年後の昭和四七年四月二七日を経過した時点においても、右と同様に本件土地を占有していた。

(2) 被告国は、本件土地を被告東京都に貸し付け使用させた昭和三七年四月二七日当時、本件土地が被告国の所有に属すると信じたことにつき、過失はない。

(四) 被告国は、本訴において、前記(一)ないし(三)の時効を援用する。

被告東京都も、昭和三七年四月二七日本件土地を被告国から借り受けているものであるから、右時効を援用する。

四  抗弁に対する原告らの認否

1 抗弁1項の事実は否認する。

2 同2項(一)(1)、(2)及び(三)(2)の事実は否認するが、同項(二)及び(三)(1)の事実は認める。

五  原告らの再抗弁

1 被告らの抗弁2項(一)ないし(三)記載の被告国による本件土地の占有は、所有の意思に基づく占有ではない。

被告国は、亡正登から本件土地を買い受けた事実はないから、所有の意思に基づく占有はありえない。

2 同項(一)、(二)記載の被告国による本件土地の占有は、強暴の占有である。

被告国は、太平洋戦争のさ中に、軍事目的遂行という名目で、有無を言わせずに民有地の取り上げをはかり、亡正登から本件土地を強奪したものである。

3 同項(一)、(三)記載の被告国による本件土地の占有は、同被告において本件土地が同被告の所有でないことを認識しており、悪意の占有である。

4 仮に、以上1ないし3項の主張が認められないとしても、被告らの取得時効の援用は、信義則に違反し、許されない。

被告国は、太平洋戦争のさ中、世情の戦意高揚を利用して、必要な買収手続をとらずに亡正登から本件土地を一方的に取り上げて飛行場の建設に着手し、その結果、亡正登による本件土地の管理を著しく困難にさせた。さらに、戦争が終了した時点においても、本来なら、本件土地について、直ちに国有財産として移転登記をするか、私有財産として亡正登に占有を回復させるか、いずれかの方法がとられるべきところ、被告国は、漫然とこれを放置し、終戦後一七年も経過した昭和三七年に至つて、ようやく亡正登に所有権移転登記を求めるようになつた。亡正登がこれを拒絶しても、被告国は、右移転登記の要求を漫然と繰返し、時効期間が経過してもなんら法的手続をとることもなく、亡正登をして、本件土地の権利の帰すうは、もつぱら本件売買契約の有無にかかるものと信じさせた。亡正登としては、被告国との交渉の中で、本件売買契約の存否についての亡正登の主張を明確にすることによつて、本件土地の権利を主張し、占有を回復できる機会を待つていたものである。

被告国は、右のとおり、強制的に本件土地を取り上げて亡正登の占有回復を困難な状況にしたうえ、いたずらに長期間売買の存否とそれに基づく移転登記について交渉を続けて時効期間の完了を待ち、期間が経過するや時効取得を主張するに至つたものであり、これは、私人の法的無知を悪用した信義にもとる行為というべきである。

六  再抗弁に対する被告らの認否

再抗弁1ないし3項の事実は否認し、同4項の主張は争う。

(反訴)

一  請求原因

1 主位的請求原因

被告国は、本訴抗弁1項記載のとおり、本件土地の所有者であつた亡正登との間において本件売買契約を締結した。

2 予備的請求原因

被告国は、本訴抗弁2項(一)ないし(四)記載のとおり、本件土地を時効取得した。

3 亡正登は、昭和四〇年一二月二八日死亡し、原告らは、その相続人である。

4 よつて、被告国は、本件土地について被告国が所有権を有することの確認を求めるとともに、原告らに対し、本件土地について、

(一) 主位的請求として

昭和一九年九月五日ころの売買を原因とする所有権移転登記手続

(二) 予備的請求として

第一次的に、昭和一九年一一月一三日、第二次的に、昭和三七年四月二七日各時効取得を原因とする所有権移転登記手続

を求める。

二  請求原因に対する原告らの認否

1 請求原因1項のうち、亡正登が本件土地の所有者であつたことは認めるが、その余の事実は否認する。

2 同2項についての認否は、本訴抗弁2項についての認否と同旨

3 同3項の事実は認める。

三  原告らの抗弁

本訴再抗弁1ないし4項と同旨

四  抗弁に対する認否

本訴再抗弁に対する認否と同旨

第三証拠<略>

理由

第一本訴について

一  請求原因1項のうち、本件土地が亡正登の所有であつたこと、同人は昭和四〇年一二月二八日死亡し、原告らがその相続人であることは、当事者間に争いがなく、同2項の事実も、当事者間に争いがない。

二  そこで、抗弁1項について検討する。

1  <証拠略>を総合すると、次の各事実が認められ、<証拠略>のうち右認定に反する部分は、<証拠略>と対比してにわかに信用し難く、他に、右認定を左右するに足りる証拠はない。

(一) 被告国(当時の所管庁旧海軍省)は、昭和一九年ころ、八丈島に旧海軍飛行場を建設するため、八丈島の旧三根村及び旧大賀郷村の土地三〇万坪余を約二〇〇名の地主から買収した。

(二) 亡正登は、当時東京都内に居住し、八丈島に本件土地の外、登記簿上、

(1) 八丈島大賀郷村字八重見ヶ原

山畑 三畝六歩

(2) 八丈島大賀郷村字大とんぶ

山畑 八畝歩

と表示された土地(以下、(1)の土地を「八重見ヶ原」の土地、(2)の土地を「大とんぶ」の土地という。)を所有していたが、昭和一九年ころ、亡正登のもとに、横須賀海軍施設部より、亡正登所有の前記三筆の土地のうち、前記飛行場建設予定地内にある「八重見ヶ原」の土地及び他の一筆の土地(これが本件土地か「大とんぶ」の土地かの判断はしばらくおく。)の買収に関する書類が郵送され、亡正登は、右書類から右二筆の土地が飛行場敷地となることを知り、当時の社会情勢からこれを拒むことなく、右買収の書類に署名捺印して返送した。

(三) 被告国による前記飛行場敷地の買収手続は、旧海軍省経理局長、建設局長の昭和一六年一月二八日付通牒「土地買収代金ノ支払促進ニ関スル件」(<証拠略>。以下「通牒」という。)に基づいてなされたが、右通牒には、買収土地については、売渡者より承諾書及び売渡書を提出させること、売渡書に記載すべき地積は土地台帳面積によること、売渡者より地積の実測を要求する場合には、売渡書に、但書として、速やかに実測を行ない、その結果により代金の増減が行なわれるべき旨の記入をすること、この場合には、速やかに実測を行ない、その結果により代金の追給又は回収を行なうことなどの規定が存するところ、亡正登所有の前記三筆の土地を含む八丈島の土地については当時土地台帳や公図がなく、亡正登所有の土地のうち、「八重見ヶ原」の土地については、当時亡正登より土地の管理を委されていた訴外奥山助一が立会い、本件土地については、当時これを耕作していた訴外平戸陽の母が立会つて、それぞれ実測調査が行なわれた。

(四) その後、「八重見ヶ原」の土地については、昭和一九年一一月一三日受付をもつて地積を二反三畝五歩とする更正登記及び亡正登に対する家督相続を原因とする所有権移転登記がなされ、「大とんぶ」の土地についても、同日受付をもつて地目を山林に、地積を二反五畝二六歩とする更正登記及び亡正登に対する右同様の家督相続の登記がなされたが、本件土地については、同日受付をもつて亡正登に対する右同様の家督相続の登記がなされるにとどまつた。

(五) 亡正登所有の前記三筆の土地のうち、被告国に買収された「八重見ヶ原」の土地外一筆の土地代金合計二四九六円五〇銭(「八重見ヶ原」の土地分一〇四二円五〇銭)は、訴外奥山助一が横須賀海軍施設部より受取り、戦後間もなくこれを亡正登に渡したが、横須賀海軍施設部宛の右領収書(乙第一号証)には、買収土地として「八重見ヶ原」の土地と「大とんぶ」の土地が表示されている。

(六) 亡正登は、昭和二二年ころ、八丈島を訪れた際、訴外平戸陽に本件土地に案内され、旧海軍省により買収された土地である旨の説明を受けたが、なんら疑問を呈さなかつた。

本件土地は、前記飛行場敷地内にあり、その当時本件土地の表土は全部飛行場整備のための埋立てに使われ、赤砂利だけになつていたが、「大とんぶ」の土地は、前記飛行場の敷地外にあり、訴外平戸陽の親の代より亡正登の管理人奥山助一より借りて耕作していたので、訴外平戸陽は、前記のとおり亡正登が八丈島を訪れた際、同人に対し、「大とんぶ」の土地購入の意向を示し、その後、昭和三一年九月ころ、亡正登は、「大とんぶ」の土地を代金八〇〇〇円で訴外平戸陽に売却した。

(七) 戦後旧海軍省から前記飛行場敷地の管理を順次承継した大蔵省関東財務局の職員が昭和三七年一〇月ころ及び昭和四〇年一一月ころ東京都深川所在の亡正登宅を訪れ、亡正登及び同人の妻原告菊池ノブ子に対し、被告国が既に買収した土地であるとして、「八重見ヶ原」の土地と「大とんぶ」の土地について所有権移転登記の承諾書を求めたところ、亡正登らは、買収の事実は別段争わず、「大とんぶ」の土地は既に訴外平戸陽に売却し、代金も受領済みであるとして承諾書の提出を拒み、「八重見ヶ原」の土地についてもその返還を希望してこれに応じなかつた。

(八) 亡正登は、「大とんぶ」の土地を訴外平戸陽に売却後、その登記をする段階になつて、右訴外人からの手紙で、目測一反歩少々しかない「大とんぶ」の地積が登記簿上二反五畝二六歩に更正され、地目も山畑が山林に更正されており、そのうえ、書類上被告国に買収されたと表示されているのは本件土地ではなく、「大とんぶ」の土地であることを知るに及び、前記のとおり、「大とんぶ」の土地については、被告国に対する所有権移転登記を拒むとともに、訴外平戸陽に対する所有権移転登記にもちゆうちよしたが、その後、右訴外人から亡正登に対し、右所有権移転登記手続を求める訴訟が提起され、欠席判決により右訴外人が勝訴して、昭和四〇年九月三日受付をもつて右所有権移転登記手続がなされた。

(九) なお、前記通牒には、売渡書を徴するとともに代金の支払を行ない、売渡書の日付をもつて国有財産台帳に登録すること、支出の証憑書には右登録年月日を記載することの各規定が存するところ、その形式より右証憑書に該当することの明らかな亡正登名義の土地買収代金の領収書(乙第一号証)には、欄外に、「昭和一九年九月五日国有財産台帳登録済」の記載がある。

2  以上認定した各事実に基づき、本件売買契約の成立の有無について検討するに、(二)、(三)及び(九)の事実によれば、亡正登が横須賀海軍施設部に返送した買収の書類には、「八重見ヶ原」の土地外一筆の土地の売渡書が含まれ、右売渡書の日付は昭和一九年九月五日であつたこと及び右書類はそのころ横須賀海軍施設部に到達したことを優に推認することができ、右事実に(一)ないし(九)の事実を総合すれば、亡正登は、昭和一九年九月五日ころ、旧海軍飛行場敷地として、その所有の「八重見ヶ原」の土地外一筆の土地を被告国に売り渡したものと認定するに十分である。

進んで、亡正登が被告国に売り渡した土地は、「八重見ヶ原」の土地の外に、本件土地と「大とんぶ」の土地のいずれであるかについて検討するに、(五)で認定したとおり、乙第一号証には買収土地として本件土地でなく「大とんぶ」の土地が表示され、また、(四)で認定したとおり、「大とんぶ」の土地については買収された「八重見ヶ原」の土地とともに昭和一九年一一月一三日受付をもつて地積の更正登記がなされているのに対し、本件土地については右のような地積の更正登記はなされておらず、右事実よりすれば、被告国に買収された土地は、本件土地でなく、「大とんぶ」の土地であるようにみえなくもない。

しかしながら、被告国による亡正登の土地の買収は、あくまでも旧海軍飛行場敷地を取得するためになされたものであるところ、(三)で認定したとおり、昭和一九年当時、買収された「八重見ヶ原」の土地と並んで本件土地の実測調査が行なわれているうえ、(六)で認定したとおり、本件土地は旧海軍飛行場敷地内にあり、本件土地の表土は全部右飛行場整備のための埋立てに使われていたのに対し、「大とんぶ」の土地は、右飛行場の敷地外にあり、訴外平戸陽の親が以前より耕作していたものであつて、それ故に、(六)及び(八)で認定したとおり、亡正登も訴外平戸陽も、被告国に右飛行場敷地として買収された土地は、「大とんぶ」の土地ではなく、本件土地であることを当然の前提として、右両者間において、「大とんぶ」の土地について売買契約を締結したものと推察される。

してみれば、単に乙第一号証の記載や「大とんぶ」の土地について地目、地積の更正登記がなされた事実から、直ちに被告国に買収された土地は「大とんぶ」の土地であると結論づけるのは早計であり、むしろ、買収の当事者たる被告国と亡正登との間において、買収の目的土地として意思の合致をみていたものは、旧海軍飛行場敷地外にある「大とんぶ」の土地ではなく、右飛行場敷地内にある本件土地であると認定するのが相当である。乙第一号証の記載及び「大とんぶ」の土地についての地目、地積の更正登記は、(三)で認定したとおり当時土地台帳や公図がなかつたことから、買収にあたつた旧海軍省の担当者が本件土地と「大とんぶ」の土地とを誤認混同したために生じた単なる表示上の過誤に基づくものというほかはない。

そうすると、昭和一九年九月五日ころ、本件売買契約が成立したものというべきであるから、被告らの抗弁1項は理由がある。

三  以上によれば、原告らの本訴請求は、その余の争点について判断するまでもなく、いずれも理由がないことに帰する。

第二反訴について

一  反訴請求原因1項及び3項の事実は、本訴において既に認定したとおりであるから、被告国が本件土地について所有権を有していることは明らかであり、原告らは、被告国に対し、本件土地について本件売買契約を原因とする所有権移転登記手続をすべき義務がある。

二  したがつて、被告国の反訴請求(所有権移転登記手続請求については主位的請求)は、いずれも理由がある。

第三結論

よつて、原告らの本訴請求は、いずれも理由がないから棄却し、被告国の反訴請求(所有権移転登記手続請求については主位的請求)は、いずれも理由があるから認容し、訴訟費用の負担について民訴法八九条、九三条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 横山匡輝)

別紙 物件目録<略>

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