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東京地方裁判所 昭和54年(ワ)12229号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【説明】

請求原因の要旨は次のとおりである<被告欠席、民訴一四〇条適用>。

一 原告は被告と次の契約を締結した。

(一) 被告が、訴外会社から代金五三万四、六〇〇円で買受けた自動販売機一台の代金を原告が立替払いし、被告は原告に対し、右立替金を昭和五四年六月二万四、〇〇〇円、同年七月から昭和五六年五月まで毎月二万二、〇〇〇円ずつ分割弁済する。

(二) 被告が、右分割金の支払を遅滞したときは、期限の利益を失い、未払金全額及びこれに対し支払ずみまで日歩八銭の割合による遅延損害金を付加して支払う。

二 原告は、昭和五四年六月訴外会社に対し、右代金を立替払いした。

三 ところが、被告は、昭和五四年七月分ないし同年九月分の分割金の支払いをしなかつたので分割弁済の期限の利益を失つた。

四 よつて、原告は被告に対し、右立替金五三万四、六〇〇円から支払ずみの二万四、〇〇〇円を差し引いた金五一万六〇〇円及びこれに対する期限の利益を失つた日の翌日である昭和五四年一一月三日から支払ずみまで、日歩八銭の割合による約定遅延損害金の支払を求める。

【判旨】

右事実によれば、原告と被告との右契約は、原告が割賦販売法にいう指定商品である自動販売機(同法施行令一条別表第一の十八の二)の購入代金を売主に対し被告のために立替払いをし、その金額を二か月以上の期間にわたり、かつ、三回以上に分割して受領することを条件としているものである。これは、立替払いという方法が介入したとしても、その実質は割賦販売における代金の支払いと解して差し支えない。そして、割賦販売法は、商品の購入者等の利益を保護することを主たる目的とした消費者保護立法であることに鑑みると、本件立替金請求には同法を類推適用するのを相当とする。

割賦販売法六条は、割賦販売契約が解除された場合には、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、同条各号に定める金額とこれに対する法定利率による遅延損害金の額とを加算した金額をこえる額の金銭の支払を購入者に対し請求することができない旨定めている。右規定が本件のように契約の解除のない場合に類推適用されるかどうか疑いがないわけではない。しかし、同条の趣旨は、消費者が指定商品を割賦購入する場合に、割賦販売業者が一方的に定めた損害賠償の予定等を含む定型的契約条項に従うことを余儀なくされ、そのため支払が遅延したときに過大な遅延損害金を請求されることのあることに鑑み、右の場合に、買主を保護することを目的とするものであり、それに、契約の解除のない場合を特に除外する合理的理由も見出し難いので、本件のように契約の解除のない場合にも、同条の類推適用ありと解するのを相当とする。

そうすると、本件約定遅延損害金日歩八銭(年二割九分二厘)のうち、商事法定利率年六分を超える部分は、割賦販売法六条に違反し、無効というべきである。

(永吉盛雄)

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