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東京地方裁判所 昭和54年(特わ)249号 判決 1979年4月20日

被告人

本籍

長野県北安曇郡池田町大字会染八、一九三番地

住居

埼玉県上福岡市中央二丁目七番三号

歯科医業

師岡道夫

昭和一三年四月二七日生

右の者に対する所得税法違反被告事件について、当裁判所は検察官乙部二郎出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人を懲役一年および罰金二、五〇〇万円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金五万円を一日に換算した期間、被告人を労役場に留置する。

この裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人師岡道夫は、埼玉県上福岡市上福岡一丁目一二番六号において、「師岡歯科医院」の名称で歯科医業を営んでいたものであるが、自己の所得税を免れようと企て、自由診療収入の一部を除外するなどの方法により所得を秘匿したうえ

第一  昭和五〇年分の実際総所得金額が三七、五四九、一一九円(別紙(一)修正損益計算書参照)あつたのにかかわらず、昭和五一年三月一五日、埼玉県川越市三光町三六番地の一所在の所轄川越税務署において、同税務署長に対し、同年分の総所得金額が八、七二五、七一八円でこれに対する所得税額が九二三、二〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同年分の正規の所得税額一五、七七四、六〇〇円(別紙(四)の一税額計算書参照)と右申告税額との差額一四、八五一、四〇〇円を免れ

第二  昭和五一年分の実際総所得金額が五二、二〇三、〇〇一円(別紙(二)修正損益計算書参照)あつたのにかかわらず、昭和五二年三月一四日、東京都新宿区三栄町二四番地所在の所轄四谷税務署において、同税務署長に対し、同年分の総所得金額が一〇、六五八、五五六円でこれに対する所得税額が一、五六六、一〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同年分の正規の所得税額二四、二二四、一〇〇円(別紙(四)の二税額計算書参照)と右申告税額との差額二二、六五八、〇〇〇円を免れ

第三  昭和五二年分の実際総所得金額が六二、〇六六、八九五円(別紙(三)修正損益計算書参照)あつたのにかかわらず、昭和五三年三月一四日、前記四谷税務署において、同税務署長に対し、同年分の総所得金額が一五、七五六、八七一円でこれに対する所得税額が三、六六八、五〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同年分の正規の所得税額三一、三九六、二〇〇円(別紙(四)の三税額計算書参照)と右申告税額との差額二七、七二七、七〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)(甲番号は検察官証拠請求番号を示す)

判示冒頭の事実及び全般にわたり

一、被告人の当公判廷における供述

一、被告人の検察官に対する各供述調書(二通)

判示各事実添付の別紙(一)、(二)、(三)各修正損益計算書に掲げる各料目別当期増減金額欄記載の数額について

(事業所得)

<診療収入金額>

一、収税官吏鶴田忠功作成の診療収入調査書(甲1)

<売上原価>

一、収税官束鶴田忠功作成の売上原価調査書(甲2)

<接待交際費(昭和五二年分のみ)>

一、収税官吏鶴田忠功作成の接待交際費調査書(甲3)

<減価償却費>

一、収税官吏鶴田忠功作成の減価償却費調査書(甲4)

一、同じく固定資産除却損調査書(甲5)

<給料賃金>

一、収税官吏鶴田忠功作成の給料賃金調査書(甲6)

<利子割引料>

一、収税官吏鶴田忠功作成の利子割引料調査書(甲7)

<薬品・貴金属(昭和五〇年分のみ)>

一、収税官吏鶴田忠功作成の売上原価調査書(甲2)

<外注加工費>

一、収税官吏鶴田忠功作成の外注加工費調査書(甲8)

<研究費>

一、収税官吏鶴田忠功作成の雑費等調査書(甲9)

<賃借料(リース料)(昭和五一年分、昭和五二年分のみ)>

一、収税官吏鶴田忠功作成のリース料(賃借料)調査書(甲10)

<営業所移転費用(昭和五〇年分のみ)>

一、収税官吏鶴田忠功作成の雑費等調査書(甲9)

一、押収してある被告人の昭和五一年所得税青色申告決算書(当庁昭和五四年押第四七〇号符四)

<雑費>

一、収税官吏鶴田忠功作成の雑費等調査書(甲9)

<専従者給与・事業専従者控除>

一、収税官吏鶴田忠功作成の専従者給与調査書(甲11)

一、大蔵事務官山田芳郎作成の証明書(甲12)

<青色申告控除額(昭和五〇年分のみ)>

一、大蔵事務官山田芳郎作成の証明書(甲12)

<雑収入(昭和五二年分のみ)>

一、収税官吏鶴田忠功作成の雑収入調査書(甲13)

(利子所得)

<利子収入金額・源泉分離選択課税分等>

一、収税官吏鶴田忠功作成の定期預金利息調査書(甲14)

(配当所得)(昭和五二年分のみ)

<配当収入金額>

一、収税官吏迫野毅の白木哲也に対する質問てん末書(甲15)

(不動産所得)

<不動産収入金額>

一、収税官吏鶴田忠功作成の不動産収入調査書(甲16)

<租税公課・修繕費(昭和五一年分のみ)・減価償却費・管理費>

一、収税官吏鶴田忠功作成の不動産所得の必要経費調査書(甲17)

<利子割引料>

一、収税官吏鶴田忠功作成の不動産所得の必要経費調査書(甲17)

一、同じく利子割引料調査書(甲7)

<固定資産除却損(昭和五〇年分のみ)>

一、収税官吏鶴田忠功作成の固定資産除却損調査書(甲5)

<青色申告控除額(昭和五一年分、昭和五二年分のみ)>

一、大蔵事務官山田芳郎作成の証明書(甲12)

(譲渡所得)

<車両譲渡収入・車両譲渡原価(昭和五〇年分、昭和五二年分のみ)>

一、収税官吏鶴田忠功作成の減価償却費調査書(甲4)

<ゴルフ会員権譲渡収入・ゴルフ会員権譲渡原価(昭和五〇年分、昭和五一年分のみ)>

一、収税官吏池田俊一作成のゴルフ会員権調査書(甲18)

<純金売却収入・純金売却原価>

一、収税官吏池田俊一作成の純金売買及び期末在高調査書(甲19)

一、押収してある被告人の昭和五二年分所得税確定申告書(前同押号符五)

一、被告人の検察官に対する昭和五四年二月一日付供述調書

(給与所得)

<給与収入金額(昭和五二年分のみ)>

一、収税官吏の白木哲也に対する質問てん末書(甲15)

一、押収してある被告人の昭和五二年分所得税確定申告書(前同押号符五)

(雑所得)

<雑収入(昭和五〇年分のみ)>

一、押収してある被告人の昭和五〇年分所得税確定申告書(前同押号符一)

一、被告人の検察官に対する昭和五四年二月三日付供述調書

<商品取引売上金額・同仕入金額・同支払手数料(昭和五〇年分、昭和五一年分のみ)>

一、収税官吏鶴田忠功作成の商品取引調査書(甲20)

<手数料収入・人件費(人件費につき昭和五二年分のみ)>

一、収税官吏鶴田忠功作成の手数料収入関係調査書(甲21)

<白木商事貸付金利息(昭和五一年分、昭和五二年分のみ)>

一、収税官吏鶴田忠功作成の(株)白木商事貸付金調査書(甲22)

<利益分配金収入(昭和五一年分、昭和五二年分のみ)>

一、収税官吏池田俊一作成の(株)財商(利益分配金)調査書(甲23)

一、山田英夫の検察官に対する供述調書(甲27)

<利子割引料(昭和五一年分、昭和五二年分のみ)>

一、収税官吏鶴田忠功作成の利子割引料調査書(甲7)

<接待交際費(昭和五一年分、昭和五二年分のみ)>

一、収税官吏鶴田忠功作成の交際接待費(雑所得)調査書(甲24)

ほ脱税額計算における「合算対象世帯員の資産所得」(昭和五二年分)につき

一、収税官吏鶴田忠功作成の師岡絢子関係調査書(甲25)

ほ脱税額計算における各年分の源泉徴収税額につき

一、収税官吏鶴田忠功作成の査察官報告書(甲26)

別紙(一)、(二)、(三)各修正損益計算書に掲げた公表金額及び過少申告の事実について

一、押収してある被告人の昭和五〇年分所得税確定申告書一袋(当庁昭和五四年押第四七〇号符一)、同昭和五〇年分総勘定元帳一綴(前同押号符二)、同昭和五一年分所得税確定申告書一袋(前同押号符三)、同昭和五一年分青色申告決算書(前同押号符五)、同昭和五二年青色申告決算書一袋(前同押号符六)

(法令の適用)

いずれも所得税法二三八条(いずれも懲役刑および罰金刑併科)。刑法四五条前段。懲役刑につき同法四七条本文、一〇条(判示第三の罪の刑に加重)。罰金刑につき同法四八条二項、一八条。懲役刑につき同法二五条一項。

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 松澤智)

別紙(一)

修正損益計算書

師岡道夫

自 昭和50年1月1日

至 昭和50年12月31日

No.1

<省略>

修正損益計算書

師岡道夫

自 昭和50年1月1日

至 昭和50年12月31日

No.2

<省略>

修正損益計算書

師岡道夫

自 昭和50年1月1日

至 昭和50年12月31日

No.3

<省略>

修正損益計算書

師岡道夫

自 昭和50年1月1日

至 昭和50年12月31日

No.4

<省略>

別紙(二)

修正損益計算書

師岡道夫

自 昭和51年1月1日

至 昭和51年12月31日

No.1

<省略>

修正損益計算書

師岡道夫

自 昭和51年1月1日

至 昭和51年12月31日

No.2

<省略>

修正損益計算書

師岡道夫

自 昭和51年1月1日

至 昭和51年12月31日

No.3

<省略>

修正損益計算書

師岡道夫

自 昭和51年1月1日

至 昭和51年12月31日

No.4

<省略>

別紙(三)

修正損益計算書

師岡道夫

自 昭和52年1月1日

至 昭和52年12月31日

No.1

<省略>

修正損益計算書

師岡道夫

自 昭和52年1月1日

至 昭和52年12月31日

No.2

<省略>

修正損益計算書

師岡道夫

自 昭和52年1月1日

至 昭和52年12月31日

No.3

<省略>

修正損益計算書

師岡道夫

自 昭和52年1月1日

至 昭和52年12月31日

No.4

<省略>

別紙(四)の一

税額計算書

師岡道夫

昭和50年分

<省略>

別紙(四)の二

税額計算書

師岡道夫

昭和51年分

<省略>

別紙(四)の三

税額計算書

師岡道夫

昭和52年分

<省略>

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