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東京地方裁判所 昭和54年(特わ)58号 判決 1979年4月23日

本店所在地

東京都中野区本町一丁目二番二号

株式会社イーストンソツクス

右代表者代表取締役

石井功

本籍

東京都新宿区西早稲田二丁目七六番地

住居

東京都中野区本町一丁目二番二号

会社役員

石井功

大正一四年三月二六日生

右の者らに対する法人税法違反被告事件につき、当裁判所は、検察官江川功出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。

主文

被告人株式会社イーストンソツクスを罰金一、二〇〇万円に、被告人石井功を懲役一年にそれぞれ処する。

被告人石井功に対し、この裁判確定の日から三年間、右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人株式会社イーストンソツクス(以下「被告会社」という。)は、肩書地に本店を置き、靴下の製造販売等を目的とする資本金一、〇〇〇万円の株式会社であり、被告人石井功(以下「被告人」という。)は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統括していたものであるが、被告人は、被告会社の業務に関し法人税を免れようと企て、架空仕入を計上して簿外預金を蓄積する等の方法により所得を秘匿したうえ、

第一  昭和五〇年一月一日から同五〇年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が六、三五一万〇、四八八円あつた(別紙(一)の修正損益計算書参照)のにかかわらず、同五一年二月二八日、東京都中野区中野四丁目九番一五号所在の所轄中野税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一、二五五万九、一二八円でこれに対する法人税額が三八一万三、八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(昭和五四年押第四七二号の符号一)を提出し、そのまま納期限を徒過させ、もつて不正の行為により被告会社の右事業年度における正規の法人税額二、四一四万〇、五〇〇円(税額の算定は別紙(四)の一計算書参照)と右申告税額との差額二、〇三二万六、七〇〇円を免れ、

第二  昭和五一年一月一日から同五一年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が五、〇五二万四、二二八円あつた(別紙(二)の修正損益計算書参照)のにかかわらず、同五二年二月二八日、前記中野税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が三、一〇一万五、九六一円でこれに対する法人税額が一、一一四万五、三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(前同号の符号二)を提出し、そのまま納期限を徒過させ、もつて不正の行為により被告会社の右事業年度における正規の法人税額一、八九三万八、四〇〇円(税額の算定は別紙(四)の二計算書参照)と右申告税額との差額七七九万三、一〇〇円を免れ、

第三  昭和五二年一月一日から同五二年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が七、九〇八万三、二八八円あつた(別紙(三)の修正損益計算書参照)のにかかわらず、同五三年二月二四日、前記中野税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が二、八七四万七、〇三〇円でこれに対する法人税額が一、〇二四万六、〇〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(前同号の符号三)を提出し、そのまま納期限を徒過させ、もつて不正の行為により被告会社の右事業年度における正規の法人税額三、〇三六万一、八〇〇円(税額の算定は別紙(四)の三計算書参照)と右申告税額との差額二、〇一一万五、八〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

第一判示冒頭事実を含む判示事実全般につき、

一  被告人の当公判廷における供述並びに大蔵事務官に対する質問てん末書(五通)及び検察官に対する供述調書(二通)(乙1ないし7)

一  金澤国雄の大蔵事務官に対する質問てん末書(二通)(甲一2、3)

一  登記官作成の登記簿謄本(甲一1)

第二  別紙(一)ないし(三)の各修正損益計算書掲記の各勘定科目別「当期増減金額」欄記載の数額のうち、

(イ)  売上((二)(三)<1>)につき、

一 大蔵事務官作成の売上除外調査書(甲一4)及び小口売上除外額調査書(甲一6)

(ロ)  装飾包装費((二)(三)<7>)につき、

一 大蔵事務官作成の装飾包装費調査書(甲一6)

(ハ)  期首製品棚卸高((二)(三)<2>)、期首材料棚卸高((二)(三)<3>)、期末製品棚卸高(各<30>)、期末材料棚卸高((一)(二)<5>)につき、

一 大蔵事務官作成の簿外在庫調査書(甲一7)及びたな卸除外調査書(甲一8)

(ニ)  材料仕入高(各<4>)、支払手数料(各<73>)につき、

一 大蔵事務官作成の架空仕入及び支払手数料調査書(甲一9)並びに代表者からの仕入調査書(甲一10)

(ホ)  減価償却費(各<27>)につき、

一 大蔵事務官作成の減価償却の超過額及び認容額計算書(甲一11)

(ヘ)  雑費((二)(三)<45>)につき、

一 大蔵事務官作成の雑費調査書(甲一12)

(ト)  受取利息((二)(三)<49>)につき

一 大蔵事務官作成の受取利息調査書(甲一13)

(チ)  仕入割戻((三)<52>)につき、

一 大蔵事務官作成の仕入割戻調査書(甲一16)

(リ)  価格変動準備金戻入益((二)(三)<54>)、価格変動準備金繰入損(各<61>)につき、

一 大蔵事務官作成の価格変動準備金の是否認額調査書(甲一17)

一 中野税務署長作成の証明書(甲一18)

(ヌ)  事業税認定損((二)(三)<74>)につき、

一 大蔵事務官作成の事業税調査書(甲一19)

第三  別紙(一)ないし(三)の各修正損益計算書掲記の各勘定科目別「公表金額」欄記載の数額及び過少申告の事実につき、

一  押収にかかる被告会社の法人税確定申告書三袋(昭和五四年押第四七二号の符号一ないし三)

(法令の適用)

法律に照すと、判示各所為は、各事業年度ごとに法人税法第一五九条第一項(被告会社については、さらに同法第一六四条第一項)に該当するところ、被告会社については情状に鑑み同法第一五九条第二項を適用し、被告人については所定刑中懲役刑を選択することとし、以上は刑法第四五条前段の併合罪であるから、被告会社については同法第四八条第二項により合算した金額の範囲内において罰金一、二〇〇万円に、被告人については同法第四七条本文、第一〇条により犯情最も重いと認める判示第一の罪の刑に法定の加重をした刑期範囲内において懲役一年にそれぞれ処し、被告人に対し同法第二五条第一項を適用してこの裁判確定の日から三年間、右刑の執行を猶予することとし、主文のとおり判決する。

(裁判官 半谷恭一)

別紙(一)

修正損益計算書

株式会社イーストンソックス

自 昭和50年1月1日

至 昭和50年12月31日

<省略>

修正損益計算書

株式会社イーストンソックス

自 昭和50年1月1日

至 昭和50年12月31日

<省略>

別紙(二)

修正損益計算書

株式会社イーストンソックス

自 昭和50年1月1日

至 昭和50年12月31日

<省略>

修正損益計算書

株式会社イーストンソックス

自 昭和51年1月1日

至 昭和51年12月31日

<省略>

別紙(三)

修正損益計算書

株式会社イーストンソックス

自 昭和52年1月1日

至 昭和52年12月31日

<省略>

修正損益計算書

株式会社イーストンソックス

自 昭和52年1月1日

至 昭和52年12月31日

<省略>

別紙(四)の一

計算書

自 昭和50年1月1日

至 昭和50年12月31日

<省略>

別紙(四)の二

計算書

自 昭和51年1月1日

至 昭和51年12月31日

<省略>

別紙(四)の三

計算書

自 昭和52年1月1日

至 昭和52年12月31日

<省略>

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