東京地方裁判所 昭和55年(タ)99号 判決
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【判旨】
二法例一六条によれば、本件離婚の準拠法は、その原因事実発生当時における夫たる被告の本国法すなわちフィリピン共和国の法律によるべきところ、同国法においては、離婚を許した規定若しくは反致を認めた規定は存在しないものと解される。
しかしながら、本件は妻である原告が日本の国籍を有し現在日本に在住していること、及び右認定した原被告間の婚姻の実情からすると、なお夫の本国法を適用して原告の離婚請求を認めないことは、実質上つながりの希薄なフィリピン法により原告を永久に拘束してその幸福追求の機会を奪うことに帰し、わが国における公の秩序、善良の風俗に反するものというべきである。
従つて、本件については、法例三〇条により夫の本国法であるフィリピン法の適用を排除し、日本民法を適用すべきものと解するのが相当である。
また、離婚に伴う親権者の指定は、離婚に際し必ず処理されるべき事柄であるから、離婚の準拠法に従うものと解するのが相当であり、右同様日本民法が適用される。
(牧山市治 古川行男 池田光宏)