東京地方裁判所 昭和56年(モ)8466号 判決
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【説明】
「申立の理由」は、次のとおりである。
「1、被申立人は、債務者に対し、東京地方裁判所に不動産仮処分申請をなし、同裁判所は、本件仮処分決定をした。
2、債務者は、昭和五五年八月一日、右仮処分に対して起訴命令の申立をなし、東京地方裁判所は同月五日、被申立人に対し、命令到達後一四日以内に本案訴訟を提起すべき旨命令し、同命令は同月六日被申立人に到達した。
3、しかるに、被申立人は、昭和五五年八月一五日、東京地方裁判所に売掛代金請求事件を提起したが、右訴は本件仮処分に対応する本案訴訟ではなかつた。本件仮処分に対応する本案訴訟が提起されていない。
4、よつて、本件仮処分目的物件を、債務者から買受けた申立人は、債権者代位権によつて本件仮処分の取消しを求める。」というにある。
【判旨】
三 そこでまず申立人に取消申立権があるか否か検討するに、申立人は本件仮処分目的物件の特定承継人であることは当事者間に争いがないところ、保全処分の債務者が本案不提起による保全命令の取消申立をしない場合には、特定承継人は債務者に対する自己の請求権を保全する必要から、債権者代位権によつて取消申立ができると解するのが相当である。
(岩田嘉彦)