東京地方裁判所 昭和57年(行ウ)36号 判決
本件訴えは、請求の趣旨第一項記載の商標権取得登録(以下本件取得登録という。)が原告の意思に基づかずして作成された出願書類により原告不知の間にされた登録であることを理由に、行政事件訴訟法第三六条の規定に基づき、本件取得登録が無効であることの確認を求めるというものである。
ところで、行政事件訴訟法第三六条の規定によれば、行政処分の無効確認の訴えは、当該処分の存否又はその効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによつて目的を達することができないものに限り提起することができるものであるところ、原告が請求の原因において主張する事実関係を前提とすれば、原告は、その主張する商標権の権利者として、当該商標権に基づき、訴外株式会社ニコラスに対し、本件取得登録の抹消登録請求訴訟を提起することができ、これによつて、その目的を達することができることが明らかであるから、同条の規定に照らせば原告が本件訴えを提起することは許されないものといわなければならない。
そうすると、原告の本件訴えは、被告国が被告適格を有するか否かを判断するまでもなく、行政事件訴訟法第三六条所定の原告適格を有しないものの提起にかかるものであつて不適法であり、その欠缺を補正することができない場合に当たるから、同法第七条、民事訴訟法第二〇二条の各規定により口頭弁論を経ないで判決をもつてこれを却下することとする。