東京地方裁判所 昭和59年(ワ)568号 判決 1985年12月27日
原告
山本邦畝
被告
長岡運送有限会社
主文
一 被告は、原告に対し、金五五二万三五三八円及びこれに対する昭和五七年三月二六日から支払済みに至るまで年五分の割合による金員を、支払え。
二 原告のその余の請求を棄却する。
三 訴訟費用はこれを四分し、その一を被告の、その余を原告の、各負担とする。
四 この判決は、原告勝訴の部分につき、仮に執行することができる。
事実
第一当事者の求めた裁判
一 請求の趣旨
1 被告は、原告に対し、金二〇四八万円七七四九円及びこれに対する昭和五七年三月二六日から支払済みに至るまで年五分の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
3 仮執行の宣言
二 請求の趣旨に対する答弁
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
第二当事者の主張
一 請求の原因
1 事故の発生
原告は、左記の交通事故により、左大腿骨転子間骨折兼大腿骨外側剥離骨折、左大腿腓骨骨幹部骨折、頭頂部打撲兼巨大血腫、顔面挫傷、両手関節挫傷等の傷害を被つた。
(一) 日時 昭和五七年三月二六日午後二時四五分ころ
(二) 場所 茨城県鹿島郡神栖町大字奥野谷五七五四番地先交差点(以下、「本件交差点」という。)
(三) 加害車 事業用大型貨物自動車(水戸一一あ一〇五三。以下、「被告車」という。)
(四) 右運転者 野口信夫(以下、「野口」という。)
(五) 被害車 原動機付自転車(神栖町い八九。以下、「原告車」という。)
(六) 右運転者 原告
(七) 態様 本件交差点は信号機のある十字路交差点であり、鹿島石油方面から波崎方面に走行してきた原告車が、同交差点を右折するため一時停止をしていたところ、原告車と同一方向に走行してきた被告車がブレーキをかけたことにより、同車の積荷であるドラム罐が固定不完全のため路上に落下し、落下したドラム罐が原告の身体を直撃したもの。
2 責任原因
被告は、被告車を所有し、同車の運転者である野口は被告の被用者で被告の業務のため被告車を運転していた。
よつて、被告は、自動車損害賠償保障法三条本文に基づき、本件事故により原告が被つた損害を賠償すべき義務がある。
3 損害
(一) 治療費 金一一四八万四九八〇円
原告は、治療費として、社会福祉法人白十字会鹿島白十字病院(以下、「白十字病院」という。)に対し金三七万九七七〇円、栗原整形外科に対し金二四八万七五一〇円、山本整骨院に対し金八六一万七七〇〇円を、各支出した。
(二) 付添看護費用 金一〇四万四五四九円
原告は、栗原整形外科に入院中の昭和五七年四月八日から同年七月二三日まで要付添の状態にあり、職業付添人の付添を受け、右付添看護費用として金一〇四万四五四九円を支出した。
(三) 休業損害 金三二六万八八二四円
原告は、助産婦として稼働し、昭和五六年三月から昭和五七年二月まで金二三一万二二五〇円の収入を得ていたところ、本件事故による受傷のため、右の稼働が不可能となつた。
よつて、事故日から原告の受傷につき症状固定をみた昭和五八年八月二三日までの五一六日間について、右収入の日割計算により、休業損害を算出すると、金三二六万八八二四円となる。
(四) 逸失利益 金五二八万一二二五円
原告の受傷については、前記のとおり昭和五八年八月二三日に症状固定をみたところ、なお、自動車損害賠償保障法施行令二条別表後遺障害別等級表(以下、「別表」という。)八級に認定された後遺症を残すに至つた。したがつて、原告は、本件事故により、その労働能力の四五パーセントを喪失したものである。
しかるに、原告は、右症状固定時において満七二歳であつたから昭和五六年簡易生命表による余命年数は一二・四七年である。そこで、同年数の二分の一弱に当たる六年間を稼働可能期間とした上、前記収入金二三一万二二五〇円を基礎として四五パーセントの労働能力喪失によるこの間の逸失利益につきライプニツツ方式により年五分の割合による中間利息を控除して右症状固定時の現価を求めると、金五二八万一二二五円となる。
(五) 慰藉料 金七五〇万円
原告は前記のとおり重傷を被り、そのため入院一三六日、通院約一年の各治療を余儀なくされたが、なお、前記のとおりの後遺症を残すに至つた。
右を慰藉するには金七五〇万円を下らない。
(六) 損害の填補
原告は、本件事故による損害の填補として、被告から金三九一万一八二九円、自動車損害賠償責任保険から金五九八万円、合計金九八九万一八二九円を受領した。
そこで、前記(一)ないし(五)の合計金二八五七万九五七八円から右填補額を控除すると、損害残額は金一八六八万七七四九円となる。
(七) 弁護士費用 金一八〇万円
原告は、原告訴訟代理人に対して本件訴訟の提起・追行を委任し、相当額の報酬の支払を約したが、右弁護士費用としては金一八〇万円とするのが相当である。
よつて、原告は、被告に対し、本件事故による損害賠償として、金二〇四八万七七四九円及びこれに対する本件事故の日である昭和五七年三月二六日から支払済みに至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。
二 請求の原因に対する認否
請求の原因1については、原告主張の日時、場所において野口が運転する被告車と原告が運転する原告車が衝突し、原告が顔面挫創、頭部打撲、左大腿骨々折等の傷害を受けたことは認めるが、その余は否認する。
同2前段は認める。
同3(一)は認める。但し、山本整骨院分については、医師の同意、指示を受けずに、治療の必要性がないにもかかわらず、山本整骨医が、母である原告に対し三五六日間も往診治療をしたものであるから、右治療費と本件事故との間の相当因果関係を争う。(二)は認める。(三)、(四)は不知。(五)は争う。(六)の前段は認める。(七)は不知。
三 抗弁(過失相殺)
本件事故は、野口運転の被告車が原告主張の日時に本件交差点に直進進入しようとしたところ、被告車進行にかかる片側二車線の道路の左側端の被告車の左斜め前方を、被告車と同方向に進行していた原告車が、本件交差点の入口付近で同道路左側端から、右斜め後方を見ずに突然右折を開始したため、道路中央寄りを進行していた被告車は避け切れず、このため原告車が被告車の左前輪付近に接触転倒したものであり、これによれば、原告の過失を控え目に見ても、原告の損害につき、八割の過失相殺がされるべきである。
四 抗弁に対する認否
争う。
第三証拠
当事者双方の証拠の提出、援用については、本件記録中の書証目録及び証人等目録各記載のとおりであるから、これを引用する。
理由
一 事故の発生及び態様
成立に争いのない甲第二、第三号証の各一、同第一五、第一七、第一八号証、乙第一、第二号証、証人野口信夫の証言及び原告本人尋問の結果(但し、甲第一五、第一七号証、証人野口信夫の証言及び原告本人尋問の結果のうち、各後記措信しない部分を除く。)並びに弁論の全趣旨を総合すれば、昭和五七年三月二六日午後二時四〇分ころ、野口は被告車の荷台にスチレンモノマー入りのドラム罐(重量二〇一・八キログラム、直径〇・五八メートル、高さ〇・九メートル)計四〇本を積載した上、被告車を運転して、荷積み先である茨城県鹿島郡神栖町大字東和田所在の三菱油化株式会社を出発し、同会社から約四キロメートルの位置にある荷降ろし先である同郡波崎町柳川所在の岡野倉庫に向かつたこと、野口は、前記ドラム罐の積載に当たり、ドラム罐の下に敷いた樹脂パレツト二列各五枚の二段重ねにした合計二〇枚のうち五枚が荷台幅より一センチメートル程度外にはみだし、このため荷台側面のあおりを上げて締めることができなかつたことから、荷台後部のあおりを上げたのみで、左右両側面の各二枚のあおりをいずれも上げることなく各側面の外側に開放したままとし、他方、荷台の右パレツト上に立てて並べた前記ドラム罐について、荷降ろし先が近いことから気を許し、これを縄掛するなどの固定の措置を特段講ずることもせず、右の如き状態で路上に出たものであること、その後野口は、鹿島石油方面から波崎方面に向け時速約六〇キロメートルで通称産業道路の片側二車線のうち中央線寄りの車線を進行の上、本件交差点を直進すべくこれに接近したところ、自車前方左側の走行車線を時速約二五キロメートルの速度で同一方向に走行する原告車を約九八・二メートル前方に認めるとともに、本件交差点の信号機が青色信号を表示していることを認めたが、原告車が左側の走行車線を進行していることから同車もまた本件交差点を直進するものと考えてそのまま前同速度で進行したこと、ところが、同日午後二時四五分ころ、被告車の前方約二七・二メートルの位置において、原告車が、本件交差点内に進入した直後、にわかに右折の方向指示器を出すとともに、ほぼ同時に、減速しながら右折を開始し、被告車の進路前方に急に大きく進路を変更してきたため、これを認めた野口は、原告車との衝突を避けるべく急制動の措置を講じながら右転把をなしたが、この時、被告車の荷台から積載中の前記ドラム罐のうち合計二二本が次々と路上に落下し始め、そのうちの一本が原告車又は原告の身体のいずれかに接触し、これにより原告は、原告車もろとも路上に転倒し、よつて、原告主張の傷害を被つたものであること、以上の事実が認められ、甲第一五、第一七号証、証人野口信夫の証言及び原告本人尋問の結果のうち右認定に反する部分はいずれも措信できず、他に右認定を左右する証拠はない。
二 責任原因
請求の原因2の前段の事実は当事者間に争いがなく、右によれば、被告は、被告車を自己のため運行の用に供したものと認めることができるから、自動車損害賠償保障法三条本文に基づき、本件事故により原告が被つた損害を賠償すべき義務がある。
三 損害
進んで、損害について判断する。
1 治療費
原告が治療費として白十字病院に対し金三七万九七七〇円、栗原整形外科に対し金二四八万七五一〇円、山本整骨院に対し金八六一万七七〇〇円を各支出したことは、当事者間に争いがない。
ところで、前掲甲第二、第三号証の各一、二、成立に争いのない同第三号証の二、三、同第六号証の一ないし四、同第八号証、同第九号証の一、原告本人尋問の結果により成立が認められる同第七号証の一、二、原告本人尋問の結果(但し、後記措信しない部分を除く。)並びに弁論の全趣旨を総合すれば、原告は、本件事故による前記受傷の後、昭和五七年三月二六日から同年四月五日まで白十字病院(茨城県鹿島郡神栖町大字賀二一四八所在)に入院(一一日)した後、同年四月五日栗原整形外科(埼玉県朝霞市幸町一丁目一番地五号所在)に転院の上、同日から同年七月二三日まで入院(一一〇日)し、この間の同年四月一六日大腿骨骨折部位の観血整復術を施行され、その後安静療法、理学療法を受けたほか相当期間の機能訓練を積んだ上、経過良好にて前記七月二三日に退院し、更に同月二四日から同年一一月三〇日までの間に同病院に五日通院し、同年一二月一日から同月一五日まで同病院に再入院(一五日)して髄内釘抜去を施行されたこと、このほか、昭和五七年三月二六日から、昭和五八年八月二三日の間、前記各入院期間以外に一四日白十字病院に通院し、昭和五八年八月二三日症状固定となり、同病院においてその旨の診断を得ていること、ところが、原告は栗原整形外科の第一回目の入退院にかかる退院日の翌日である昭和五七年七月二四日から昭和五八年八月二八日までの三九三日(栗原整形外科への再入院期間一五日を除くと、三七八日となる。)のうち三五六日にわたり山本整骨院の山本光博(柔道整復師)の原告方への全回往診による施術治療を受け、その治療費が前記のとおり金八六一万七七〇〇円という高額に達していること、右山本は原告の子で原告方から二キロメートル余の近傍に居住して前記整骨院を営んでいるもので、同整骨院作成名義の診療報酬明細書(甲第七号証の一、二)上、前記治療費の内訳としては、初検料金二五〇〇万円、後療料金四五二万一二〇〇円、電療料金一四二万四〇〇〇円、温罨法料金八九万円、往療料金一七八万円、以上合計金八六一万七七〇〇円とされているが、その施術治療の詳細は不明であること、なお栗原整形外科の入院治療の経過から見て、原告は、同病院の第一回目の入退院の後は(再入院の期間はさておき)、松葉杖を使用することはあるとしても、自宅近傍の多少の距離であるならば自力歩行が可能な状態にまで身体機能が回復していた可能性を否定できないこと、以上の事実が認められ、甲第四号証の一、二及び原告本人尋問の結果のうち右認定に反するかに見える部分はいずれも措信できず、他に右認定を左右する証拠はない。
右によれば、原告は、白十字病院及び栗原整形外科での前記入通院治療と併行して、入院期間を除く三七八日のうち三五六日というほぼ連日ともいうべき極めて多数回にわたり、右山本の往診による施術治療を受けていたものであるところ、前掲甲第三号証の三、同第九号証の一及び原告本人尋問の結果によれば、原告が柔道整復師による後療法等の施術を受けることそれ自体については、医師により概括的な同意を得ていることを認めることができる(右認定を左右する証拠はない。)ものの、本件全証拠によるも、前記入通院治療に加えて、その上かくも濃厚過密な施術治療をなすべき必要性が存在したことは到底これを肯認するには足りず、もとより、医師から右程度内容の施術治療をなすべき旨の具体的指示があつたことを窺うこともできない。もつとも、前認定のとおりの医師の概括的な同意を得ていることからすれば、右施術治療の全部についてその必要性を否定することも相当とはいえず、結局、原告の前記入通院治療の経過と対比しながら、山本整骨院の治療費の金額・内容その他の事情を総合勘案すると、同整骨院の治療費については、右支出額の二〇パーセントに当たる金一七二万三五四〇円については本件事故と相当因果関係ある損害と認め得るものというべきである。
したがつて、原告の治療費損害としては、これに白十字病院分及び栗原整形外科分の前記各支出額を加え、合計金四五九万〇八二〇円となる。
2 付添看護費
原告が栗原整形外科に入院中の昭和五七年四月八日から同年七月二三日まで要付添の状態にあり職業付添人の付添を受け、右付添看護費用として金一〇四万四五四九円を支出したことは、当事者間に争いがない。
3 休業損害
前掲甲第一七号証、原本の存在及び成立に争いのない甲第一一号証、原告本人尋問の結果(但し、後記措信しない部分を除く。)並びに弁論の全趣旨を総合すれば、原告(明治四五年四月一日生れ)は昭和二七年一二月に助産婦の免許を取得し、本件事故当時も自宅に「浜野助産所」名義の助産所を開業し、月平均金一〇万円、即ち年収金一二〇万円相当の収入を得ていたところ、本件事故により、同事故の日である昭和五七年三月二六日から症状固定日である昭和五八年八月二三日までの五一六日間休業し、この間右収入を得られなかつたことが認められ、甲第一三号証及び原告本人尋問の結果中右認定に反する部分はいずれ措信しえず、他に右認定を左右する証拠はない。
右によれば、原告は、本件事故により、金一六九万六四三八円の休業損害を被つたものと認めるのが相当である。
(算式 1,200,000円×516日÷365日)
4 逸失利益
前認定のとおり、原告は昭和五八年八月二三日に症状固定となつたものであるところ、前掲甲第九号証の一によれば、原告には、(一)左股関節機能障害(別表一二級七号該当)、(二)左膝関節機能障害(別表一〇級一一号該当)、(三)左下肢短縮(別表一〇級八号該当)、(四)局所の神経症状(別表一四級一〇号該当)の後遺症が残存し、自動車損害賠償責任保険の適用上、併合して別表八級相当との認定を受けたものであることが認められる。他方、原告は前記症状固定時において満七一歳に達していたことが明らかであり、昭和五八年簡易生命表によれば七一歳女子の平均余命は一三・六一年であるから、以上によれば、原告は、前記症状固定時から起算して原告主張の六年間を稼働可能期間とし、本件事故による前記後遺症により、この間その労働能力の四五パーセントを喪失したものと見るのを相当とするので、事故前の原告の前記年収額である金一二〇万円を基礎として右期間の労働能力喪失による逸失利益につき、ライプニツツ方式により年五分の割合による中間利息を控除の上右症状固定時の現価を求めると、金二七四万〇八二四円となる。
(算式 1,200,000円×0.45×5.0756)
5 慰藉料
原告の傷害の部位・程度、治療経過、後遺症の内容・程度その他諸般の事情に照らし、本件事故による原告に対する慰藉料としては、金六五〇万円が相当である。
6 過失相殺
本件事故の態様は前記一認定のとおりであり、これによれば、野口はドラム罐四〇本を被告車の荷台に積載しながら左右両側面のあおりを開放したままとし、しかも右ドラム罐を縄掛けするなどの固定の措置を特段講ずることもなく、右の如く、制動時等におけるドラム罐の路上落下の危険が当初から予想される状態で被告車の運行をなした点において極めて重大な過失があつたものというべきである。(なお、前掲乙第一号証によれば、被告車が進行した本件交差点付近の道路は道路標識等によりその最高速度が指定されていなかつたものと認められ、これによれば最高速度は時速六〇キロメートルとされることとなる(道路交通法二二条一項、同法施行令一一条一号参照)ので、被告車の速度の点を独立に取り上げてこれを過失と見るのは必ずしも相当でない。)他方、原告についても、交差点における右折の場合には予めその前からできる限り道路の中央に寄る等(道路交通法三四条二項参照)とされているにもかかわらず、このような走行方法をとることなく、急にいわゆる大回り右折をなした点において過失があつたことを否定することができず、本件事故発生についての双方の過失の寄与割合は、野口九に対し原告一と見るのが相当である。
以上により、原告の前記1ないし5の損害合計金一六五七万二六三一円から過失相殺としてその一割を控除すると、右残額は金一四九一万五三六七円となる。
7 損害の填補
原告が本件事故による損害の填補として被告から金三九一万一八二九円、自動車損害賠償責任保険から金五九八万円、合計金九八九万一八二九円を受領したことは当事者間に争いなく、右金額を前記過失相殺後の損害額から差し引くとその残額は金五〇二万三五三八円となる。
8 弁護士費用
原告が原告訴訟代理人に本件訴訟の提起・追行を委任し、相当額の報酬の支払を約したことは弁論の全趣旨によりこれを認めることができ、右弁護士費用としては金五〇万円とするのが相当である。
四 以上の次第であるから、原告の本訴請求は、被告に対し金五五二万三五三八円及びこれに対する本件事故の日である昭和五七年三月二六日から支払済みに至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからこれを認容し、その余は失当であるからこれを棄却し、訴訟費用の負担について民事訴訟法八九条、九二条を、仮執行の宣言について同法一九六条を各適用の上、主文のとおり判決する。
(裁判官 福岡右武)