東京地方裁判所 昭和62年(ワ)5237号 判決 1991年2月27日
東京都大田区南馬込一丁目五番一四号
原告
日本開閉器工業株式会社
右代表者代表取締役
大橋重雄
右訴訟代理人弁護士
及川昭二
神奈川県川崎市高津区二子字南耕地五一〇番地
被告
株式会社オーガット
右代表者代表取締役
岩花長生
右訴訟代理人弁護士
羽田野宣彦
高橋謙
右訴訟復代理人弁護士
大貫裕仁
右当事者間の昭和六二年(ワ)第五二三七号商標権侵害差止等請求事件について、当裁判所は、次のとおり判決する。
主文
原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
事実
第一 当事者の求める裁判
一 請求の趣旨
1 被告は、別紙目録(一)(1)、(2)記載の標章(以下「被告標章(1)」、「被告標章(2)」といい、これらを総称して「被告標章」という。)を、化粧用枠を装着した開閉器及び右化粧用枠(以下「開閉器等」という。)並びにその包装箱に使用し、又は開閉器等の販売のためのカタログ及びチラシ等の印刷物に使用してはならない。
2 被告は、開閉器等及びその包装箱並びに右のカタログ及びチラシ等の印刷物に表示している被告標章を抹消せよ。
3 訴訟費用は被告の負担とする。
二 請求の趣旨に対する答弁
主文と同旨
第二 当事者の主張
一 請求の原因
1 商標権に基づく請求
(一) 原告は、次の商標権(以下「本件商標権」といい、その登録商標を「本件登録商標」という。)を有している。
登録番号 第一一八〇九四七号
出願 昭和四七年一二月一八日
登録 昭和五一年一月二六日
更新登録 昭和六〇年一二月二三日
商品の区分 第一一類
指定商品 開閉器、その他本類に属する商品
商標の構成 別紙目録(二)記載のとおり
(二) 被告は、昭和六一年一月ころから、開閉器等に被告標章を付してこれを販売し、また、その販売のためのカタログ及びチラシ等の印刷物に被告標章を使用している。
(三) 被告標章(1)は、外観、称呼及び観念において本件登録商標と同一であり、また、被告標章(2)は、称呼及び観念において本件登録商標と同一である。
(四) 被告標章が付されている開閉器等は、本件登録商標に係る指定商品の範囲に属する。
2 不正競争防止法一条一項一号の規定に基づく請求
(一) 原告は、電気機器及びその部品の製造販売等を業とする株式会社であるが、本件登録商標の商標登録出願前の昭和四五年一二月一五日から現在に至るまで、開閉器等の原告の商品に本件登録商標と同一の標章を付して同商品を販売してきた。したがって、本件登録商標は、その商品の斬新さとあいまって、全国的に広く認識された商標となっている。
(二) 請求の原因1(二)のとおりである。
(三) 被告標章は、本件登録商標と同一又は類似しており、かつ、被告が被告商標を付している商品は、開閉器等であって、原告の商品と同一である。
(四) 被告の前(二)の行為は、被告の商品を原告の商品と混同を生ぜしめるものであり、これにより、原告は、営業上の利益を害されるおそれがある。
3 よって、原告は、被告に対し、選択的に、本件商標権又は不正競争防止法一条一項一号の規定に基づき、開閉器等に被告標章を使用することの差止めとこれらに表示している被告標章の抹消を求める。
二 請求の原因に対する被告の認否及び主張
1 請求の原因1(商標権に基づく請求)について
(一) 同1(一)は認める。
(二) 同1(二)のうち、開閉器に関する事実については、当初これを認める旨の陳述をしたが、次に述べるとおり、それは真実に反する陳述で錯誤に基づいてしたものであるから、その自白を撤回して、否認する。その余の事実は認める。すなわち、被告の開閉器には、それぞれ共通仕様があって、その共通仕様の開閉器について、極数、回路特性、操作部形状、接点メッキ、色等の各要素ごとに顧客の要求に応じた個別仕様のバリエーションが用意されており、被告の開閉器は、それぞれの共通仕様に右の各個別仕様が組み合わされてはじめて一つの開閉器として認識される。そして、被告は、その開閉器のカタログにおいて、右の個別仕様の操作部形状について、化粧用枠を装着したものを「ベゼル付」と表示して、右化粧用枠について被告標章を使用しているが、開閉器自体については使用していないのである。
(三) 同1(三)及び(四)の事実は認める。
2 同2(不正競争防止法一条一項一号の規定に基づく請求)について
(一) 同2(一)のうち、原告が電気機器及びその部品の製造販売等を業とする株式会社であることは認めるが、その余の事実は知らない。
(二) 同2(二)に対する認否は、前1(二)のとおりである。
(三) 同2(三)の事実は認める。
(四) 同2(四)の事実は否認する。
三 被告自白の撤回に対する原告の主張
被告の自白の撤回には、次に述べるとおり、異議がある。すなわち、被告は、化粧用枠を装着した開閉器を「ベゼル付」と表示しているところ、右化粧用枠が開閉器それ自体又は開閉器本体でないとしても、商標法及び商標実務において、「開閉器」の範疇に開閉器それ自体とその部品及び付属品が含まれることは明らかであって、右化粧用枠は、開閉器の付属品としてこれと一体的に結合されて使用され、開閉器以外の商品に使用することができない専用部品であるから、被告が右化粧用枠を装着した開閉器を「ベゼル付」と表示することは、開閉器自体について被告商標を使用しているというべきである。したがって、請求の原因1(二)のうち、開閉器に関する事実について、これを認める旨の被告の陳述は、真実に反するものではない。
四 被告の主張
被告標章(1)の「ベゼル」は、英語の普通名詞「BEZEL」の音表示であり、また、被告標章(2)は、右英語の普通名詞それ自体であって、被告標章は、「斜面溝(指輪の宝石のはまる所、自動車のヘッドライトのレンズのはまる溝ぶち等)」、「(指輪腕輪などの宝石の)受けみぞ、受け座、(指輪の宝石や時計のガラスぶたをはめる)爪、わくの座穴、みぞぶち」という意味を有するものであり、主たる物品をそこに固着させて使用に供する受け座、つめ、枠を示す意味で普通に用いられる。被告は、前二1(二)のとおり、その開閉器のカタログにおいて、右の個別仕様の操作部形状につき、化粧用枠を装着したものを「ベゼル付」と表示して、右化粧用枠について被告標章を使用しているけれども、右化粧用枠は、正に開閉器という主たる製品をそこに固着させて使用に供する受け座又は枠であるから、被告標章の使用は、右化粧用枠の普通名称ないしその用途、形状の記述的名称を普通に用いられる方法で使用しているにすぎない。
五 被告の主張に対する原告の反論
被告標章(1)の「ベゼル」及び被告標章(2)の「BEZEL」には、「(指輪の宝石や時計のガラスぶたをはめる)つめ、枠の座穴、みぞぶち」という意味があるが、これは、枠というよりも物品を形成する特徴的な部分を表す語として用いられていることが明らかであり、開閉器のフランジ部に取り付けるための枠体(化粧用枠)に設けた溝部を示すものであって、その普通名称といわなければならない。このことは、同業他社において、化粧用枠に「取付枠」、「化粧枠」、「化粧板」、「FRAME」等の語を使用していることからも明らかである。しがも、被告は、その上面に発光体(LED)を配備した化粧用枠についても被告標章である「ベゼル」の語を使用しているのであり、これを右化粧用枠の普通名称というには無理がある。したがって、被告標章の使用は、化粧用枠の普通名称ないしその用途、形状の記述的名称を普通に用いられる方法で使用しているものではない。
第三 証拠関係
本件記録中の書証目録記載のとおりであるから、これを引用する。
理由
一 商標権に基づく請求について
1 請求の原因1(一)は、当事者間に争いがない。
2(一) 被告は、当初、請求の原因1(二)のうち、開閉器に関する事実を認める旨の陳述をしたが、その後、右自白を撤回して否認する。そこで、まず、右自白の撤回の効力について検討する。
成立に争いのない甲第七四号証、第一三一号証ないし第一三三号証、弁論の全趣旨により真正に成立したものと認められる甲第一三四号証及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められ、他に右認定を覆すに足りる証拠はない。
(1) 甲第七四号証は、被告が一九八六年(昭和六一年)一月一〇日に作成した開閉器のカタログであって、アルコGEMINIシリーズスイッチに関するものであるが、これには、次のような趣旨の記載がされている。
(ア) 右アルコGEMINIシリーズスイッチには、Aタイプ(端子部をエポキシシールによりフラックス侵入防止をされたもの)とAEタイプ(ラバー、Oリングによりシールドされたもの)とがあり、右各タイプの開閉器には、それぞれ操作部形状がトグルスイッチのものとロッカー/レバースイッチのものとがある(被告標章は、そのうちのロッカー/レバースイッチのものについて使われている。)。
(イ) Aタイプのロッカー/レバースイッチにおいては、その共通仕様のもとに、極数(単極か二極)、回路特性(八種)、操作部形状(レバータイプ及びロッカータイプごとにそれぞれ五種)、端子形状(五種)、接点メッキ(二種)、色(九種)の各要素の個別仕様がある。そして、このうちの操作部形状について、レバータイプ及びロッカータイプごとにそれぞれ「スモール」、「ラージ」、「スナップイン」、「スナップインベゼル付」、「スナップインベゼルLED付」の五種類のものが用意されているが、「スナップインベゼル付」とは、パネル取付穴に取り付けるスナップイン形状の開閉器に化粧用枠を装着したものであり、また、「スナップインベゼルLED付」とは、右化粧用枠に更に発光体(LED)を配備したものである。
AEタイプのロッカー/レバースイッチにおいては、その共通仕様のもとに、極数(単極か二極)、特性(八種)、操作部形状(レバータイプ一種及びロッカータイプ二種)、端子形状(五種)、接点メッキ(二種)、配色(九種)のほか、ベゼル形状(二種)の各要素の個別仕様が用意されている。そして、このうちのべゼル形状について、レバータイプ及びロッカータイプのスタンダード形状の開閉器とロッカータイプのスモール形状の開閉器に対応した二種類のパネル取付穴に取り付けた右開閉器に装着する化粧用枠がある。
(2) また、甲第一三一号証ないし第一三三号証は、いずれもアメリカ合衆国オーガット社が一九八七年(昭和六二年)に同国内で作成した開閉器のカタログであって、原告従業員が日本国内で入手したものであるが、その「THE GEMINI SERIES」に係る個所には、右(1)と同様の記載がされている(更に、個別仕様として、「BEZEL COLOR」(九種)もある。)ほか、「MLD GREEN SERIES」の「MINI ROCKER & PADDLE・SNAP-IN」スイッチについて、MODELを「SDF」、TYPEを「PLASTIC BEZEL」とする化粧用枠がある旨の記載がされている。
右認定の事実によると、被告は、その開閉器のカタログにおいて、開閉器に装着することができる化粧用枠を「ベゼル」として、開閉器の個別仕様の一つである操作部形状について、右化粧用枠が付属品として添付されているものを「ベゼル付」と表示していることが認められる。したがって、被告は、開閉器の付属品である右化粧用枠について被告標章を使用しているというべきである。
この点について、原告は、商標法及び商標実務において、「開閉器」の範疇に開閉器それ自体とその部品及び付属品が含まれることは明らかであって、右化粧用枠は、開閉器の付属品としてこれと一体的に結合されて使用され、開閉器以外の商品に使用することができない専用部品であるから、被告が右化粧用枠を装着した開閉器を「ベゼル付」と表示することは、開閉器自体について被告標章を使用しているというべきである旨主張する。しかしながら、商標法及び商標実務において、「開閉器」の範疇に開閉器の部品及び付属品が含まれるものであって、右化粧用枠がその付属品として開閉器と一体的に結合きれて使用される専用部品であるからといって、当該付属品について標章を使用することが、当然に開閉器自体について標章を使用していることにならないことは明らかであるから、原告の右主張は、採用することができない。
したがって、被告は、開閉器の付属品である化粧用枠について被告標章を使用しているのであり、開閉器自体については被告標章を使用していないのであるから、請求の原因1(二)のうち、開閉器に関する事実を認める旨の被告の自白は、真実に反するといわなければならない。そして、特段の事情があることを認めるに足りる証拠はないから、被告の右自白は、錯誤に基づいてされたものと認めるのが相当である。
そうすると、被告がした右自白の撤回は許されるものというべきである。
(二) 右(一)に判示したところによれば、請求の原因1(二)のうち、開閉器に関する事実は、これを認めることができない。
3 請求の原因1(二)のうち、開閉器の付属品である化粧用枠に関する事実は、当事者間に争いがない。
そして、被告は、右事実に関して、被告標章の使用は、開閉器の付属品である化粧用枠の普通名称ないしその用途、形状の記述的名称を普通に用いられる方法で使用しているにすぎない旨主張するので、この点について判断する。
(一) 成立に争いのない甲第三号証ないし第三五号証、第四二号証ないし第四五号証、第五〇号証、第五三号証ないし第五五号証、第八一号証の一ないし五、乙第一号証の一、二、弁論の全趣旨により真正に成立したものと認められる甲第三八号証ないし第四〇号証、第四六号証ないし第四九号証、第五一号証、第五二号証、乙第六号証の一ないし八、第七号証ないし第一五号証及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められ、他に右認定を覆すに足りる証拠はない。
(1) 被告標章(1)の「ベゼル」及び被告標章(2)の「BEZEL」は、英語の普通名詞「BEZEL」に由来するものであるが、これは、「1( (のみ)などの)刃の斜面、刃かど。2a(カットされた宝石の)小面、斜面。b斜面溝(指輪の宝石のはまる所・自動車のヘッドライトのレンズのはまる溝ぶちなど)。c(時計の)硝子ぶち(ガラスをケースにはめこむための輪[枠])」(研究社・新和英大辞典)、「1(のみなどの)刃の斜面、2(宝石)(1)(指輪・腕輪などの宝石の)受けみぞ、受け座、(2)=crownn.29.3(指輪の宝石や時計のガラスぶたをはめる)つめ、わくの座穴、みぞぶち」(小学館・ランダムハウス英和大辞典)という意味の語である。
(2) 原告は、本件登録商標の商標登録出願前である昭和四五年一二月ころから、一定の形状の開閉器の付属品である化粧用枠について本件登録商標を使用しているが、その広告、カタログにおいて、「付属品であるベゼルを装着することにより、パネルに取付けた外観を更に優美にすることができます。」、「ベゼルとは、……パネル面を美しくするために考案されたカバープレート(化粧枠)のことです。」等の説明をしている。
(3) 国内において使用された同業者の開閉器のカタログによると、カーリングスイッチ社、クルーズ・ハンズ社、アーコレクトリック社、アメリカン・スイッチ社、アンダーライターズ・ラボラトリーズ社、グレイヒル社、モルス社、カーリングスイッチ社、クルーズ・ハンズ社、マクグリル・マニュファクチャリング社、シグマ社、スキャドウITT社等も、開閉器の付属品である化粧用枠について「BEZEL」の語を用いており、また、株式会社サン電業社及びC&K社(日本総代理店緑屋電気株式会社)は、従前、化粧用枠について、「BEZEL」、「ベゼル」の語を用いていたが、原告から、昭和五一年一一月一六日付及び同五二年一月八日付で、それぞれその使用を中止するよう申入れがあり、右両社は、これを容れて、現在は、「ドレスガード」、「FRAME」、「化粧枠」等の語を用いている。
このほか、アルコ社は、「Plastic Switch Frames」の語を(ただし、その説明中には、「bezels」の語も使用している。)、FEME社は「FRAME」の語を、松下電工株式会社は「化粧板」の語を、株式会社フジソクは「取付枠」の語をそれぞれ化粧用枠について使用している。
(二) 右(一)(3)認定の事実によると、本件訴訟に現れた範囲においても、開閉器の付属品である化粧用枠に「ベゼル」、「BEZEL」の語を用い、又は用いていた同業者の数は、原、被告を除いても、一〇社を下らず、また、右(一)(2)認定の事実によると、原告も、本件登録商標を、開閉器自体ではなく、右化粧用枠について使用しているのである。これらの事実に、右(一)(1)認定の「BEZEL」の語の意味を合わせ考慮すれば、「ベゼル」及び「BEZEL」の語は、化粧用枠を意味する言葉として、当該商品の普通名称に該当すると認めるのが相当である。
この点について、原告は、「ベゼル」及び「BEZEL」の語は、開閉器のフランジ部に取り付けるための枠体(化粧用枠)に設けた溝部を示すものであって、その普通名称である旨主張する。しかしながら、前(一)(1)認定の「BEZEL」の語の意味に照らして、「ベゼル」及び「BEZEL」の語が化粧用枠に設けた溝部を示す普通名称であるとは速断することができない。また、前(一)(3)認定の事実によると、右化粧用枠について「取付枠」、「化粧枠」、「化粧板」、「FRAME」等の語を使用する同業者があるけれども、これらの語は、「ベゼル」及び「BEZEL」の語と同じく化粧用枠を意味する語として使用されているのであって、化粧用枠に設けた溝部を示す語として使用されているのではないから、「ベゼル」及び「BEZEL」の語をもって、右の溝部の普通名称であると認めることは困難である。そして、他に原告の右主張事実を裏付けるような事実を認めるに足りる証拠はない。したがって、原告の右主張は、採用の限りでない。また、原告は、被告は、その上面に発光体(LED)を配備した化粧用枠についても「ベゼル」の語を使用しているから、これを化粧用枠の普通名称というには無理がある旨主張するけれども、前2(一)(1)認定の事実によれば、被告は、右のような化粧用枠については「ベゼルLED付」との表示を用いているのであるから、原告の右主張は、その前提を欠き、採用するに由ないものといわなければならない。
(三) そして、前2(一)(1)認定の事実によれば、被告は、「ベゼル」及び「BEZEL」の語を右化粧用枠に普通に用いられる方法をもって使用していると認められるから、商標法二六条一項二号の規定により、本件商標権の効力は、被告標章には及ばないものというべきである。
4 以上によれば、商標権に基づく請求は、その余の点について判断するまでもなく、理由がない。
二 不正競争防止法一条一項一号の規定に基づく請求について
前一3の認定判断によれば、「ベゼル」及び「BEZEL」の表示は、化粧用枠を意味する言葉として、当該商品の普通名称に該当するものであり、被告は、これを右化粧用枠に普通に用いられる方法をもって使用しているのであるから、不正競争防止法二条一項一号の規定により、同法一条一項一号の規定は適用されず、したがって、原告は、被告の被告標章の使用の差止等を求めることはできない。
そうすると、原告の不正競争防止法一条一項一号の規定に基づく請求は、その余の点について判断するまでもなく、理由がない。
三 よって、原告の本訴請求は、理由がないから、これを棄却することとし、訴訟費用の負担について民訴法八九条の規定を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 清永利亮 裁判官 宍戸充 裁判官 高野輝久)
目録(一)
<省略>
目録(二)
<省略>