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東京地方裁判所 昭和62年(行ウ)14号 判決 1988年9月28日

東京都町田市旭町二丁目一〇番二四号

原告

久野純夫

東京都町田市中町三丁目三番六号

被告

町田税務署長

花田尚

右指定代理人

堀内明

和栗正栄

星野弘

岡村一重

主文

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一当事者の求める裁判

一  請求の趣旨

1  被告が昭和六一年七月三〇日付けでした原告の昭和五九年分所得税の更正のうち納付すべき税額五八四万四三〇〇万円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定を取り消す。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

二  請求の趣旨に対する答弁

主文と同旨

第二当事者の主張

一  請求の原因

1  本件課税の経過

原告の昭和五九年分所得税について、原告は被告に対し、別紙課税経過一覧表<1>記載のとおり確定申告をしたところ、これに対し、被告は、同表<2>記載のとおり更正(以下「本件更正」という。)及び過少申告加算税賦課決定(以下「本件賦課決定」といい、本件更正と併せて「本件処分」という。)をした。原告は、本件各処分に対し、同表<3>ないし<6>記載のとおり、異議申立て及び審査請求を経由した。

2  不服の理由

本件更正は、分離課税の長期譲渡所得金額及び短期譲渡所得金額の算定を誤つて右各所得を過大に認定した違法があり、また、本件更正に伴つてした本件賦課決定も違法である。

3  よつて、原告は、本件更正のうち納付すべき税額が確定申告に係る五八四万四三〇〇万円を超える部分及び本件賦課決定の取消しを求める。

二  請求の原因に対する認否

請求の原因1の事実は認める。

三  抗弁

1  原告の昭和五九年分所得金額

(一) 総所得

総所得金額 一九九万二〇〇〇円

(二) 分離課税の長期譲渡所得

(1) 譲渡収入金額 四八五五万五五五五円

(イ) 原告は、昭和五九年八月二七日、別紙物件目録記載の各土地(以下「本件各土地」という。)を、訴外日本自動販売株式会社(同会社は、同年八月一日に商号を株式会社アベックスと変更した。以下「訴外アベックス」という)。に代金額一億一五〇〇万円で売り渡した。

(ロ) 原告は、本件各土地を昭和四七年九月一八日訴外戸野原三夫から取得し、そのうち持分四五分の一九については右取得時から右(イ)の譲渡時まで引き続き所有しており、譲渡の年である昭和五九年の一月一日において所有期間が一〇年を超えているから、右持分の譲渡に係る所得は、租税特別措置法三一条所定の分離課税の長期譲渡所得となる。

(ハ) 右持分に係る譲渡収入金額は、本件各土地の譲渡代金額の四五分の一九に相当する四八五五万五五五円となる。

(2) 取得費 一四二七万五三三三円

右金額は、原告が昭和四七年九月一八日に本件各土地を取得するのに要した費用の額三三八一万円の四五分の一九に相当する金額である。

(3) 譲渡費用 四二七万四〇四四円

右金額は、本件各土地の譲渡に要した費用の額一〇一〇万円の四五分の一九に相当する金額四二六万四四四四円と本件各土地の持分四五分の一九に係る登記名義人表示登記変更登記手続費用の額九六〇〇円との合計額である。

(4) 特別控除額 一〇〇万円

右金額は、租税特別措置法三一条一項、三項所定の特別控除額である。

(5) 長期譲渡所得金額 二九〇〇万六一七八円

右金額は、(1)の譲渡収入金額から、(2)の取得費の額、(3)の譲渡費用の額及び(4)の特別控除額の合計額を差し引いた金額である。

(三) 分離課税の短期譲渡所得

(1) 譲渡収入金額 六六四四万四四四五円

<イ> 原告は、右(二)の(1)の(イ)のとおり、昭和五九年八月二七日、本件各土地を訴外アベックスに代金額一億一五〇〇万円で売り渡した。

(ロ) 原告は、右(二)の(1)の(ロ)のとおり、本件各土地を昭和四八年九月一八日に訴外戸野原三夫から取得した後、その持分四五分の二六を他に売却していたが、昭和五九年三月八日、右持分のうち四五分の一三をその持分権者訴外山賀和彦から買い受け、さらに、同年六月一二日、残りの持分四五分の一三をその持分権者訴外金允王から買い受けて、同年八月二七日、右(二)の(1)の(ロ)の持分四五分の一九とともに訴外アベックスに売り渡したもので、右四五分の二六の持分の譲渡については、土地の持分で租税特別措置法施行令二一条で定めるものを取得したその年中に譲渡したものであるから、右持分の譲渡に係る所得は、租税特別措置法三二条所定の短期譲渡所得となる。

(ハ) 右持分に係る譲渡収入金額は、本件各土地の譲渡代金額の四五分の二六に相当する六六四四万四四四五円となる。

(2) 取得費 四七〇七万五六〇〇円

右金額は、原告が訴外山賀和彦及び訴外金允玉から本件各土地の持分各四五分の一三宛てを買い受けるのに要した費用の額であり、訴外山賀和彦からの買受価額一二〇〇万円、訴外金允玉からの買受価額三五〇〇万円、右各売買に際して売買契約書に貼付した印紙額計四万円及び右各売買を原因とする所有権移転登記手続のために支払つた登記関係費用三万五六〇〇円の合計額である。

(3) 譲渡費用 五八三万五五五六円

右金額は、本件各土地の譲渡に要した費用の額一〇一〇万円の四五分の二六に相当する金額である。

(4) 短期譲渡所得金額 一三五三万三二八九円

右金額は、(1)の譲渡収入金額から、(2)の取得費の額及び(3)の譲渡費用の額の合計額を差し引いた金額である。

2  本件各処分の適法性

(一) 本件更正の適法性

右1の(一)ないし(三)のとおり、原告の昭和五九年分の総所得金額は一九九万二〇〇〇円、長期譲渡所得金額は二九〇〇万六一七八円、短期譲渡所得金額は一三五三万三二八九円であるところ、所得控除の額は一七五万八〇〇〇円であるから、右金額は全額が総所得金額から控除され、これを控除した後の課税総所得金額は二三万四〇〇〇円、課税長期譲渡所得金額は二九〇〇万六一七八円、課税短期譲渡所得金額は一三五三万三二八九円である。これに対する納付すべき所得税額は別紙税額算定一覧表記載のとおり、一一二三万八九〇〇円であるところ、本件更正による納付すべき所得税額はその範囲内であるから、本件更正は適法である。

(二) 本件賦課決定の適法性

本件更正により新たに納付すべき税額は三八一万円(ただし、国税通則法一一八条三項により一万円未満の端数は切捨て)であるところ、同法六五条一項(ただし、昭和六二年法律第九六号による改正前のもの)により右税額に一〇〇分の五の割合を乗じて算出した過少申告加算税の額一九万〇五〇〇円を賦課した本件賦課決定は適法である。

四  抗弁に対する認否及び原告の主張

1(一)  抗弁1の(一)は認める。

(二)(1)  同1の(二)の(1)の(イ)のうち、本件各土地の譲渡代金額は否認し、その余は認める。同(ロ)の事実は認める。同(ハ)は否認する。

右譲渡代金額は一億一〇〇〇万円である。原告は、訴外アベックスから右譲渡代金の外に五〇〇万円を受領したが、右五〇〇万円は、後記3のとおり本件各土地の譲渡のために訴外金允玉から本件各土地の持分四五分の一三を買い戻すに当たり、訴外アベックスの要請でこれを急いだため取得価額が当初予定を上回つた分の補填を受けたもので、譲渡代金の一部となるものではない。したがつて、譲渡収入金額は、一億一〇〇〇万円の四五分の一九に相当する四六四四万四四四四円である。

(2) 同1の(二)の(2)ないし(4)は認める。

(3) 同1の(二)の(5)は否認する。

長期譲渡所得金額は、右(1)の譲渡収入金額四六四四万四四四四円から、抗弁1の(二)の(2)ないし(4)の各金額の合計額を差し引いた二六八九万五〇六七円である。

(三)(1)  同1の(三)の(1)の(イ)のうち、本件各土地の譲渡代金額は否認し、その余は認める。同(ロ)のうち、原告が訴外戸野原三夫から取得した本件各土地のうちの持分四五分の二六を喪失し、昭和五九年三月八日及び同年六月一二日に訴外山賀和彦及び訴外金允玉から各四五分の一三宛て買い戻して再取得したことは認め、その余の事実は否認する。同(ハ)は否認する。

本件各土地の譲渡代金額は右(二)の(1)のとおり一億一〇〇〇万円であり、譲渡収入金額はその四五分の二六に相当する六三五五万五五五六円である。また、原告が本件各土地のうちの持分四五分の二六を喪失し、これを買い戻した経過は後記3のとおりである。

(2) 同1の(三)の(2)の金額が取得費の一部に当たることは認める。

ただし、後記3のとおり、本件の短期譲渡所得金額の算定上、右金額に一九五三万四六六六円を加えた六六六一万〇二六六円を取得費の額とすべきである。

(3) 同1の(三)の(3)は認める。

(4) 同1の(三)の(4)は否認する。

短期譲渡所得金額は、右(1)の譲渡収入金額六三五五万五五五六円から、右(2)の取得費の額六六六一万〇二六六円及び抗弁1の(三)の(3)の金額の合計額を差し引いた金額であり、八八九万〇二六六円の損失である。

2  同2の(一)のうち、総所得金額、所得控除の額及び課税総所得金額並びにこれに対する所得税額が、それぞれ被告主張の計算により主張の金額となることは認め、その余は否認する。同(二)は否認する。

3  原告は、訴外戸野原三夫から本件各土地を取得した後、訴外太平洋開発株式会社(以下「訴外太平洋開発」という。)をして他に担保に供させるため、本件各土地の持分四五分の二六の登記名義を無償で訴外太平洋開発に移転していたところ、訴外太平洋開発は、原告に無断で右持分を訴外外山賀和彦及び訴外金允玉に移転させてしまつた。そこで、原告は、本件各土地を訴外アベックスに譲渡するに当たり、やむを得ず、訴外山賀和彦及び訴外金允玉から右持分を買い戻したのであつて、右持分を全く新たに買い受けたのではない。したがつて、原告が訴外アベックスに譲渡した右持分四五分の二六を取得するにあたつては、訴外山賀和彦及び訴外金允玉から右持分を買い戻すに要した費用の額の外、訴外戸野原三夫から本件各土地を取得するに要した費用の額三三八一万円の四五分の二六に相当する一九五三万四六六円をも要しており、本件の短期譲渡所得金額の算定上、右金額も取得費の額に加えるべきである。

第三証拠

本件訴訟記録中の書証目録に記載のとおりであるから、これを引用する。

理由

一  請求の原因1の事実及び抗弁1の(一)の原告の昭和五九年分総所得金額は当事者間に争いがない。

二  そこで、まず、原告の昭和五九年分の長期譲渡所得について検討する。

1  抗弁1の(二)の(1)の(イ)のうち原告から訴外アベックスに対する本件各土地の譲渡代金額を除く事実及び同(ロ)の事実は、当事者間に争いがなく、右争いのない事実によれば、訴外アベックスに譲渡した本件各土地のうち抗弁1の(二)の(1)の(ロ)の持分四五分の一九に係る原告の譲渡所得は租税特別措置法三一条所定の長期譲渡所得に該当する。

2  右譲渡代金額について、被告はこれを一億一五〇〇万円であると主張し、原告はこれを争つて一億一〇〇〇万円であると主張するが、原告においてその主張に係る右譲渡代金額の外に訴外アベックスから更に五〇〇万円を受領したことは争わないところ、右事実及び右1の争いのない事実並びに成立に争いのない甲第一号証、乙第一号証及び乙第三号証の一ないし三を総合すれば、(一)本件各土地はいずれも昭和五九年二月当時、原告が持分四五分の一九(ただし、登記簿上は、このうち持分三分の一につき、訴外堀内五江の共有名義であつた)を、訴外金允玉及び訴外山賀和彦が持分各四五分の一三を有する共有地であつたところ、原告と訴外アベックスとは、原告が本件各土地の他の共有者の持分全部を取得したうえ、本件各土地を訴外アベックスに売り渡す旨の合意をし、当初は右売買代金を一億一〇〇〇万円と定め、同年三月一日、その旨の売買契約書を作成したこと、(二)原告は、右売買契約の約定に従い、同年八月二八日までに、登記簿上の自己及び他の共有者の持分を、直接に、又は一旦自己名義としたうえで、順次、訴外アベックスに移転登記する手続を経たが、訴外金允玉に帰属していた持分の移転登記手続をするに当たり、同人の持分を取得した価額か当初の見込み額を上回つたことを理由に、売買代金金額を一〇〇〇円増額するよう要求して訴外アベックスと交渉し、その結果、訴外アベックスが当初の約定の売買代金の外に調査費の名目で原告に五〇〇万円を支払うことで合意に達して、同年八月二七日、当初の合意に係る売買代金の残額とともに右五〇〇万円をも受領したこと、を認めることができる。そして、右事実関係に照らせば、調査費名目で授受された右五〇〇万円も本件各土地の所有権を原告から訴外アベックスに移転する対価としての性質を有することは明らかであるから、本件各土地の譲渡代金額は、右五〇〇万円を含んだ一億一五〇〇万円であると認めるのが相当である。なお、原告は、右五〇〇万円の受領の趣旨が訴外アベックスの要請で訴外金允玉の持分の取得を急いだためその取得価額が当初予定を上回つた分の補填を受けたことにある旨主張するが、仮に右取得価額の増加が原告主張の理由に基づくとしても、右五〇〇万円が本件各土地の所有権移転の対価の一部としての性質を有することを失うものではないから、原告の右主張は失当である。

3  そうすると、本件各土地のうち右1の持分四五分の一九に係る長期譲渡所得金額の算定上、譲渡収入金額は、右2で認定した本件各土地の譲渡代金額一億一五〇〇万円の四五分の一九に相当する四八五五万五五五五円(小数点以下切捨て)となる。

4  抗弁1の(二)の(2)ないし(4)の各事実は当事者間に争いがない。

5  以上によれば、原告の長期譲渡所得金額は、譲渡収入金額四八五五万五五五五円から、取得費の額一四二七万五三三三円、譲渡費用の額四二七万四〇四四円及び特別控除額一〇〇万円の合計額を差し引いた二九〇〇万六一七八円である。

三  次に、原告の昭和五九年分の短期譲渡所得について検討する。

1  原告が、昭和五九年八月二七日に本件各土地を訴外アベックスに売り渡したこと、本件各土地は、原告が訴外戸野原三夫からこれを取得した後、そのうちの持分四五分の二六を喪失し、昭和五九年三月八日及び同年六月一二日に訴外山賀和彦及び訴外金允玉から各四五分の一三宛て買い戻して再取得したものであることは、当事者間に争いがなく、右争いのない事実によれば、原告が訴外アベックスに譲渡した本件各土地のうち右持分四五分の二六に係る原告の譲渡所得は租税特別措置法三二条所定の短期譲渡所得に該当する。

2  訴外アベックスに対する本件各土地の譲渡代金額が一億一五〇〇万円であることは右二の2で認定したとおりであり、本件各土地のうち、右持分四五分の二六に係る短期譲渡所得金額の算定上、譲渡収入金額は、右譲渡代金額の四五分の二六に相当する六六四四万四四四四円(小数点以下切捨て)となる。

3  抗弁1の(三)の(2)の金額が短期譲渡所得金額の算定上、取得費の額に当たることについては当事者間に争いがない。

ところで、原告は、抗弁に対する認否及び原告の主張3の事由に基づいて、短期譲渡所得金額の算定上、抗弁1の(三)の(2)の金額の外、訴外戸野原三夫から本件各土地を取得するに要した費用の額の四五分の二六に相当する金額をも取得費の額に加えるべきである旨主張する。

しかしながら、原告が訴外アベックスに譲渡した本件各土地のうちの前記持分四五分の二六に係る譲渡所得に対する短期譲渡所得税の課税は、原告が右持分を昭和五九年三月八日及び同年六月一二日に取得し、同年八月二七日に譲渡したことに伴つて得た売買差益に着目してなされるものであつて、右の持分の取得が一旦これを喪失した後の再取得であり、かつ、その喪失と再取得の過程に、仮に原告主張のような事実が存在するとしても、原告主張の訴外戸野原三夫からの取得に要した費用の額は、右売買差益を構成する要素とはなり得ず、したがつて、これを取得費の額に加算すべきであるとする原告の主張は失当である。

4  抗弁1の(三)の(3)の事実は当事者間に争いがない。

5  以上によれば、原告の短期譲渡所得金額は、譲渡収入金額六六四四万四四四四円から、取得費の額四七〇七万五六〇〇円及び譲渡費用の額五八三万五五五六円の合計費を差し引いた一三五三万三二八八円である。

四1  右1によれば、原告の昭和五九年分の総所得金額は一九九万二〇〇〇円であるところ、抗弁2の(一)のうち所得控除の額が一七五万八〇〇〇円であること及び課税総所得金額が右金額を総所得金額から控除した後の金額である二三万四〇〇〇円であること並びにこれに対する所得税額が二万四五〇〇円であることは当事者間に争いがない。

2  右二の5のとおり、原告の昭和五九年分の長期譲渡所得金額は二九〇〇万六一七八円であり、右1によれば、長期譲渡所得金額から控除されるべき所得控除の額は存在しないので、課税長期譲渡所得金額も右と同額となるところ、これ(ただし、国税通則法一一八条一項により一〇〇〇円未満を切り捨てた二九〇〇万六〇〇〇円)に対する所得税額を租税特別措置法三一条一項に則り算出すれば、同項一号により五八〇万一二〇〇円となる。

3  右三の5のとおり、原告の昭和五九年分の短期譲渡所得金額は一三五三万三二八八円であり、右1によれば、短期譲渡所得金額から控除されるべき所得控除の額は存在しないので、課税短期譲渡所得金額も右と同額となるところ、これ(ただし、国税通則法一一八条一項により一〇〇〇円未満を切り捨てた一三五三万三〇〇〇円)に対する所得税額を租税特別措置法三二条一項に則り算出すれば、同項一号により五四一万三二〇〇円となる。

4  右1ないし3によれば、原告の昭和五九年所得税の納付すべき所得税額は一一二三万八九〇〇円であるところ、本件更正に係る納付すべき所得税額九六六万一〇〇円は、右金額の範囲内であるから、本件更正は適法である。

五  右一によれば原告の昭和五九年分所得税の申告所得税額は五八四万四三〇〇円であるから、原告は過少に右所得税の申告をしたものであるところ、本件更正における所得税額は九六六万一一〇〇円であるから、本件更正により新たに納付すべき税額三八一万円(ただし、国税通則法一一八条三項により一万円未満の端数は切捨て)に同法六五条一項(ただし、昭和六二年法律第九六号による改正前のもの)に則り一〇〇分の五を乗じて算出した過少申告加算税の額一九万〇五〇〇円を賦課した本件賦課決定も適法である。

六  よつて、原告の請求は理由がないことからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 鈴木康之 裁判官 石原直樹 裁判官 青野洋士)

物件目録

一 東京都小笠原村父島字西島一番

畑 三六二九平方メートル

二 東京都小笠原村父島字西島二番

畑 七九九平方メートル

三 東京都小笠原村父島字西島三番

畑 四二六七平方メートル

以上

別紙 課税経過一覧表

<省略>

別紙 税額算定一覧表

<省略>

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