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東京地方裁判所 記載ナシ 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔説明〕本件は輸出検査法二六六条の解釈に関する。本件被告人は財団法人日本機械金属検査協会嘱託として同協会管理部調査課に勤務し、輸出検査用機械器具の管理発注の職務に従事していたものである。本件の争点は、右の如き職務は輸出検査の業務と云い得るかどうか、嘱託がいわゆる職員にあたるかどうかということであるが、判決のいずれも積極に解した。参考となる裁判例である。

〔判決理由〕弁護人は、(一) 被告人角井浩は、検査協会に在職中、判示のように、当初は輸出検査用機械器具の管理業務を、昭和三五年二月からは右機械器具の管理発注の業務をそれぞれ担当していたものであるが、右の業務は輸出検査法第二十六条にいわゆる「輸出検査の業務」ではなく、従つて同被告人は、同条によつて「刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみな」されるべき者」には該当しないから、同被告人に対する本件収賄罪は成立しない。(二) かりにそうでないとしても、同被告人は、検査協会においては、終始嘱託の身分を有していたものであるから、同条の規定する、輸出検査の業務に従事する指定検査機関の「役員または職員」ではなく、この点からしても、同被告人に対し本件収賄罪は成立しない旨主張している。そこで、この点について検討すると、(一)まず、輸出検査法第二十六条は、「輸出検査の業務に従事する指定検査機関の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令による公務に従事する職員とみなす」旨規定している。そうして、同法第十六条第五号によつて明らかなように、指定検査機関が輸出検査の業務以外の業務を行なつている場合もありうるものである。しかしながら、同法の立法趣旨〔同法第一条参照)、指定検査機関の有する公共的性格の程度等から考えると、同法第二十六条が指定検査機関の行なうすべての業務に関するものであると解することは相当でないというべきであるとともに、また一方、右の理由のほか、同法が「輸出検査の実施」(同法第二十三条参照)と、「輸出検査の業務」(同法第十六条第五号、第二十条第一項、第二十一条、第二十六条、第二十八条等参照)とを区別して規定していることから見ても、同法第二十六条にいわゆる「輸出検査の業務」が輸出検査自体のみに局限され、従つて、同条が輸出検査員のみに適用されるべきであると解することも妥当ではない。結局、同条の「輸出検査の業務」とは、指定検査機関の行なう業務のうち、輸出検査自体および輸出検査を行なうために必要な関係にある業務をも含むものと解するのが相当である。そうして、被告人角井浩の判示業務、すなわち輸出検査用機械器具の管理または発注の業務が輸出検査を行なうために必要欠くべからざる関係にある業務であることは、同法第十六条第一号、第十八条第二号によつても明らかであるといわなければならない。(二)次に、被告人角井浩が検査協会において終始嘱託の身分を有していたことは判示のとおりである。ところで、財団法人日本機械金属検査協会組織規程第三条第一項は、同協会の職員として、(1)参事、(2)主事、技師、(3)主事補、技師補、(4)事務員、技術員も挙げ同条第三項は、右第一項の職員のほか、嘱託および臨時雇を置くことができる旨を規定している。すなわち、同条によれば、検査協会の嘱託は、形式上はその職員と区別されているものということができる。しかしながら、前記輸出検査法の立法趣旨から考えれば、同法第二十六条に「いわゆる指定検査機関の職員」とは、刑法第七条における「職員」と同様、その任命が法令に根拠を有し、かつ、ある程度精神的、智能的な判断を要する仕事に従事しているものであることを要し、その要件を備える限り嘱託は勿論、雇員もまたこれに含まれるものと解するのが相当である。そうとすれば、被告人角井浩は、右組織規程にもとづいて任命され、かつ、その職務は、前記のように輸出検査を行なうために必要な関係にあるものであるから、同被告人は指定検査機関の職員に該当するものであると解すべきであると解すべきである。従つて、弁護人の前記主張はいずれもこれを採用することができない。

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