大判例

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東京家庭裁判所 平成3年(少)12117号・平3年(少)12129号・平4年(少)3078号・平4年(少)3212号

主文

少年を初等少年院に送致する。

理由

(非行事実)

少年は、

第1  B、A、C及びDと共謀のうえ、平成4年2月2日午後0時25分ころ、東京都品川区○○×丁目××番×号○○銀行○○支店前歩道上において、通行中のE子(当時63歳)の背後から同女所有の現金14万2000円位及びキャッシュカード2枚ほか9点在中の手提げバッグ1個(時価合計2万6000円相当)をひったくり窃取した

第2  B、A、C及びDと共謀のうえ、平成4年2月2日午後0時20分ころ、東京都品川区○○×丁目×番××号○○株式会社先路上において、通行中のF子(当時47歳)の背後から同女所有の現金2万9000円位及び財布1個在中のポシェット1袋(時価合計9000円相当)をひったくり窃取しようとしたが、同女がポシェットの紐を左手に巻き付けていたため、その目的を遂げなかった

第3  B、A及びCと共謀のうえ、平成4年2月10日午後7時15分ころ、東京都大田区○○×丁目××番株式会社○○駐車場前歩道上において、通行中のG子(当時39歳)の背後から同女所有の現金1500円位及び財布1個ほか14点在中のセカンドバッグ1個(時価合計5万0300円相当)をひったくり窃取した

第4  B、A及びCと共謀のうえ、平成4年2月10日午後7時30分ころ、東京都品川区○○×丁目××番×号○○ビル前路上において、通行中のH子(当時50歳)の背後から同女所有の現金1万3500円位及び札入れ1個ほか8点在中のハンドバッグ1個(時価合計5300円相当)をひったくり窃取した

第5  B、A及びCと共謀のうえ、平成4年2月12日午前10時30分ころ、東京都品川区○○×丁目××番××号○○方前路上において、通行中のI子(当時76歳)の背後から同女所有の現金2万1000円位及び財布1個ほか1点在中のショルダーバッグ1個(時価合計1万1000円相当)並びにメガネ1個ほか1点在中の手提げ袋1袋(時価合計3000円相当)をひったくり窃取した

第6  Jと共謀のうえ、平成3年7月23日午前0時30分ころ、東京都品川区○○×丁目××番×号○○ハイツ前路上において、K所有の第二種原動機付自転車1台(時価2万円相当)を窃取した

第7  Jと共謀のうえ、平成3年8月19日午前0時30分ころ、東京都品川区○○×丁目××番××号東急大井町線○○駅横駐輪場において、氏名不詳者により放置されていたL所有の自転車1台(時価3000円相当)を見付け、自己の物として使用し、もって、占有を離れた他人の物を横領した

第8  Jと共謀のうえ、平成4年1月24日午後0時ころ、東京都品川区○○×丁目××番×号○○地下駐輪場において、M所有の第二種原動機付自転車1台(時価8万円相当)を窃取した

第9  公安委員会の運転免許を受けないで、平成4年1月27日午後5時43分ころ、東京都大田区○○×丁目××番××号付近の道路において、第二種原動機付自転車を運転した

ものである。

(法令の適用)

第1、第3ないし第6および第8の事実について

いずれも刑法60条、235条

第2の事実について刑法60条、243条(235条)

第7の事実について刑法60条、254条

第9の事実について道路交通法118条1項1号、64条

(処遇の理由)

少年は、中学3年生である平成3年夏ころから中学の同級生などとの夜遊びが増えて生活が乱れ、不良仲間とともに足代わりに第7の自転車の占有離脱物横領をしたほか、第8のバイク盗をして無免許で乗り回すなどの非行行動が見られるようになった。そして、同年9月ころからは夜遊びが頻繁となり、そのまま無断外泊をすることも度々あり、中学の先輩などとの不良交友を深めていき、遊興費欲しさから不良仲間とともに第1ないし第5のひったくり窃盗(うち1件は未遂)を犯したものであるが、その態様を見ると、バイクに乗って被害者の後方から近付き、手に持っているバッグ等をひったくるという極めて危険なものであって、悪質な事案というべきである。また、前記のとおりバイク盗をして検挙されたことがあるにもかかわらず、バイクに対する関心が依然として高かったことから、さらに第8のバイク盗を犯し、これを無免許で乗り回して第9の非行に至っている。これらは、いずれも少年が目先の楽しさを求めて即行的に行った非行であるが、少年は物事を深く考えず、刹那的な快楽を求めて即行的に行動する傾向が強いうえ、問題行動をとることで周囲から注目されようとするところもある。また、社会規範に対する認識も極めて甘く、周囲からの指導が加えられても、自らの行動の問題性に目が向かず、指導を規制と受け止めて逃れようとする傾向が強いと思われる。

さらに、少年は、ひったくり窃盗の共犯者が先に警察に逮捕された後もそれまでの生活態度を改めようとせず、逮捕される直前まで不良交友や夜遊びを繰り返すなど、遊び中心の生活が習慣化しており、地元の不良仲間との結びつきも相当強い。そして、自らの非行の背景となった、不良交友を中心とする遊興志向の強い生活態度に対する問題意識が希薄であって、父親が不良交友を断ち切るために新潟の親戚の会社に就職を勧めても、地元を離れるのが嫌だからと断わっており、これまでの生活環境を変えることに消極的であるほか、審判廷で述べる反省の言葉も型通りで表面的なものに止まっており、更生に向けて生活を改善していこうとの意欲がそれほど窺われないなど、少年の抱える問題は大きいといわねばならない。

以上のとおり、少年の要保護性は高く、保護者が少年の監護に熱意を示していることを考慮しても、在宅処遇により少年の更生を期するのは困難であると思われるので、施設に収容し、矯正教育を施すことにより内省力を高めさせ、規律ある集団生活の中で基本的な生活習慣を養うとともに、規範意識の涵養を図ることが是非とも必要であると考えられる。

よって、少年法24条1項3号、少年審判規則37条1項を適用して、主文のとおり決定する。

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