東京家庭裁判所 昭和30年(家)2812号 審判 1956年3月17日
申立人 加瀬まき(仮名)
相手方 加瀬次郎(仮名)
参加人 村井美子(仮名)
右当事者間の夫婦関係調整調停事件につき当事者間に合意が成立しないので家事審判法第二十四条に則り次の通り審判する
主文
申立人と相手方とを離婚する
相手方は申立人及び参加人に対して左記物件が参加人の所有であることを確認する
物件の表示
東京都○○区○○町○丁目○○○番地所有
一、木造瓦葺平屋建住家一棟
建坪十二坪
右に附属する造作、畳、建具一切
(家事審判官 村崎満)
事件の実情
1、申立人と相手方とは昭和二二年○月○○日法律上婚姻をなし夫婦の間には申立人の先夫の子供一人があります。
2、相手方は婚姻当初は良い夫でしたが申立人の子供が大きくなつて、女学校一、二年になると夫は娘に不正をなし娘は学校卒業と同時に家を出てしまいその後急に夫婦の間にみぞが出来娘が度々家に来ると家には入れず追い帰し子供の話をするとかならず殴打虐待する様になり申立人の親類の交際は一切とめられ子供とも縁を切れといい相手方は申立人の何の自由もみとめず何かにつけて殴打するのであります。
申立人は、子供の将来を考えて、親子三人の生活は不可能と思いますので申立人は子供と共に再建を計りたいので本件申立をした次第であります。