大判例

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東京高等裁判所 事件番号不詳〔1〕 判決

主文

被告人毛塚丑吉を懲役五年、同横手利美雄及び田中龜次郞の両名を各懲役三年に処する。

被告人毛塚丑吉に対して原審の未決勾留日数中百日同田中龜次郞に対して同日数中八十日をそれぞれ右本刑に算入する。訴訟費用は被告人毛塚丑吉の單独負担とする。

窃盜の点について被告人毛塚丑吉は無罪。

理由

被告人三名は原審相被告人毛塚茂夫と共謀の上埼玉縣北足立郡片柳村大字南中野八四三番地農業臼倉元治郞方に押入り金品を強奪しやうと企て昭和二十二年七月一日午後十一時頃右臼倉方に到り被告人毛塚丑吉は檜棍棒(東京高等檢察廳昭和二十三年押第五一一号の一二)及び懐中電燈(同押号の二六)被告人横手利美雄は杉抗棒(同押号の一〇)被告人田中龜次郞は匕首(同押号の五)をそれぞれ携えて同家裏手の雨戸を外して同家屋内に侵入し被告人毛塚丑吉は右元治郞及びその家人に対し「靜かにしろ騒ぐと殺すぞ」「逃げると縛るぞ騒ぐな靜かにしろ」等と申し向けて脅迫し被告人横手利美雄、同田中龜次郞は右元治郞及び同人の妻、母、二男及び三男を衣類、腰紐、荒繩等で縛り上げさらに目隱して反抗を抑圧した上被告人毛塚丑吉の指揮の下に他の被告人等は家内を物色して右元治郞所有の現金千三百四十七円二十銭及び衣類雜品等百数十点を強取したものである。

(証拠説明省略)

法律に照すと被告人等の判示所爲中住居侵入の点は刑法第百三十條第六十條、強盜の点は同法第二百三十六條第一項第六十條に該当するが住居侵入と強盜との間にはたがいに手段結果の関係があるので同法第五十四條第一項後段第十條によつて重い強盜の罪の刑に從いなお被告人横手利美雄と同田中龜次郞の両名については犯罪の情状憫諒すべきものがあるので同法第六十八條第七十一條第六十八條第三号によつて酌量減刑した上各その刑期範囲内で被告人毛塚丑吉を懲役五年同横手利美雄と同田中龜次郞の両名を各懲役三年に処し同法第二十一條により被告人毛塚丑吉と同田中龜次郞の両名に対しては主文第二項に掲げたやうに原審未決勾留日数中の一部を右本刑に算入し訴訟費用は旧刑事訴訟法第二百三十七條第二項によつて被告人毛塚丑吉の單独負担とする。

なお公訴事実中被告人毛塚丑吉が昭和二十二年十二月二十三日午前一時頃野田晴紀と共謀の上群馬縣澁川町所在運輸省上越線澁川駅構内貨物ホームから丸通支店長管理中の衣類雜品約十九点在中の柳行李一個を窃取したとの点は審究の結果野田晴記が單独で右窃盜を働いた事実は認められるが右犯行に同被告人が加担したと認むべき証拠が十分でないので犯罪の証明がないことに帰着するから旧刑事訴訟法第二百六十二條によつてこの点について被告人に対し無罪の言い渡をする。

以上の理由によつて主文のやうに判決する。(昭和二十四年二月十八日東京高等裁判所第九刑事部判決)

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