大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 平成10年(う)1450号 判決

被告人 佐藤昇

〔抄 録〕

論旨は、要するに、原判決は、被害者の歩く速さにつき、交通実務研究会編著の図解交通資料集に科警研交通部編「道路交通管理の技術的基礎知識」によるとして記載されている資料によってこれを認定しているが、右資料は原審において証拠として取調べがなされたものではないのに、原審はこれを事実認定の資料に供しており、判決に影響を及ぼすことの明らかな訴訟手続の法令違反があるというのである。

しかしながら、子供の歩く速度については、日常の経験的事実として公知の事実に属すると解されるから、これを証拠に基づかないで認定することも許されるところ、原判決が公刊されている資料に基づいて判示しているからといって、訴訟手続の法令違反があるということはできない。論旨は理由がない。

(佐藤文哉 川上拓一 波床昌則)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!